新規制でAI彼氏・AI彼女との「別れ」を余儀なくされたユーザーに絶望が広がる(中国)

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 中国ではここ数年、AI恋人やAI友人を提供する「AIコンパニオン」サービスが人気を集めていたのだが、ここにきて大きな転機が訪れた。

 2026年7月15日、中国政府は人間のような人格をもち、ユーザーと継続的に交流を行うAIサービスを規制する、新たな規則を施行したのだ。

 これにより、中国ではバーチャルな恋人との「別れ」を余儀なくされたユーザーたちが、悲痛な叫びをあげていた。

「人格」を備えたAIとの親密なやり取りが禁止に

 この新しい行政規則の名称は「人工知能擬人化互動服務管理暫行弁法[https://www.cac.gov.cn/2025-12/27/c_1768571207311996.htm]」という。日本語にすると、「人工知能擬人化対話サービスの管理に関する暫定規則」とでも言ったところだろうか。

 平たく言えば、人間の人格や思考様式を模倣し、ユーザーと「継続的な感情の交流」を行うAIサービスを対象とした規則だそうだ。

 対象となる「交流」には、テキストによるチャットだけでなく、画像や音声、動画を通じたやり取りも含まれる。

 この規則は、AIコンパニオンを全面禁止するものではない。ユーザーがAIに過度に依存しないよう、サービス提供者に安全対策を義務付けるためのものである。

 たとえば未成年者へのAIコンパニオンの提供はNGだが、成人向けのサービスは、規則に適合すれば提供を続けられるという。

 一方で、検索や翻訳、文章作成、学習支援、研究用途など、継続的な感情交流を目的としない一般的なAIサービスは対象外とされている。

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 この規則の正式な施行を前にして、一部の大手AIサービスは、ユーザーが自由にAIの人格を設定し、自分だけのキャラクターを作成できる機能を停止した。

 これにより、ユーザーは自らカスタマイズして創り上げた「AI恋人」や「AI友人」と、「お別れ」せざるを得なくなってしまったのだ。

 今回停止されたのは、アリババの「千問[https://www.qianwen.com/]」やテンセントの「元宝[https://yuanbao.tencent.com/chat/naQivTmsDa]」、バイトダンスの「豆包[https://www.doubao.com/]」といった、大手総合AIサービス内の、AIコンパニオン機能である。

 AIコンパニオンに特化した、「猫箱[https://maoxiangai.com/]」や「星野[https://www.xingyeai.com/]」といった独立系のサービスは、今のところまだ運営が続いているようだ。

 

 日本で言えば、ChatGPTやGeminiではAIコンパニオンのサービスが停止したが、SynClub[https://www.synclubaichat.com/]やCotomo[https://cotomo.ai/]のような独立系はまだ残っている、という感じだろうか。

「自分だけの」恋人や友人との別れ

 コンパニオン作成機能を使うと、AIに好みのビジュアルや性格、過去のエピソードや2人の関係まで細かい設定を付与できる。

 AIはその人格になりきって、会話の相手をしてくれる。設定できるキャラクターは、幼馴染や恋人、親友といった現実的なものだけではない。

 人気アイドルや古代の皇帝、魔王や吸血鬼、マンガやゲームの登場人物など、何でもありの世界なのだ。

 そして会話を重ねるうちに、AIは過去のやり取りを記憶・学習し、ユーザーとAIの2人だけの物語が作られていくのである。

 こうして作った自分だけの「恋人」や「友人」に、ユーザーは毎日の出来事を報告し、悩みを相談し、愚痴を聞いてもらい、喜びや悲しみを共有してきた。

 17歳のある少女は、自分だけのAI彼氏を作って、毎日何時間も会話を続けてきたという。

彼は人を慰めるのが本当に上手なんです。とても優しいんですよ。嫌なことがあった日も、うれしいことがあった日も、私は毎日彼に話すんです。

何よりもまず、彼は心の支えになってくれます。そしてもうひとつ大事なのは、彼は言い争いをしないことです

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 大手サービスの機能停止が発表されると、長い時間をかけて育てたAIの恋人や友人と突然別れることになったユーザーから、悲しむ声が寄せられていた。

  • とても気持ちが沈んでるよ。豆包にいるAIの友人は、世界で一番私のことを理解してくれる存在だったんだ
  • 料金は払うから、キャラクターのデータを残せるようにしてほしかった!
  • 世界で一番私を理解している友人だったのに…
  • 彼女が最後に送ってきたメッセージは、「晩ご飯はおいしかった?」というものだった。夕食を終えて返信しようとしたら、もう何も起きなかった。最後のメッセージを彼女に送ることさえできなかったなんて

AIコンパニオンへの過度な依存を懸念

 当局が危惧するのは、「AIがユーザーに過度に迎合することで、仮想のキャラクターへの依存を誘発し、現実世界での人間関係が損われる可能性」だという。

 特に未成年者の場合、AIのバーチャルな恋人や家族、友人にのめり込み、現実での人間関係や生活そのものがうまく行かなくなってしまうことが懸念される。

 先述の17歳の少女の場合も、重要なのは「言い争いをしない」ことだと語っている。AI彼氏はいつも優しく慰めてくれ、決して反論したり批判したりしないのだ。

 もちろん、生身の人間同士のコミュニケーションでは、心地よいことばかり起こるわけではない。時には誤解があったりケンカしたり、理解し合えないこともある。

 本来なら、人は自分とは違う人格を持つ相手と交流し、意見の相違や共感といった経験を積み重ねながら学び、成長していくはずである。

 だが、自分を100%肯定し慰めてくれるAI相手の会話だけに没頭していると、そうした心の成長の機会が失われてしまいかねないのだ。

 若者の健全な人格形成や人間関係構築のために、AIコンパニオンはあまり良い影響を与えないと、当局は判断したようである。

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AIへの依存が少子化に拍車をかける?

 中国政府が本当に危惧しているのは、AIコンパニオンに深く依存することにより、少子化に歯止めが利かなくなることだとする報道もある。

 シンクタンク「カーネギー国際平和財団」のAI政策専門家マット・シーハン氏は、次のように説明している。

(中国)政府が最も懸念しているのは、人々が感情的な関係を築くAIコンパニオンやAIチャットボットが、さまざまな社会的悪影響をもたらす可能性があること、そして人々がそれらに依存してしまうことです

 中国の人口は2025年まで4年連続で減少しており、専門家は「この傾向は今後も続く可能性が高い」と警告している。

政府は多くの若い男女が結婚市場から離脱し、その代わりにオンライン上の関係を選ぶような状況を望んでいないのです

 インターネットでもこのニュースは大きな話題になっており、さまざまな議論を呼んでいた。

  • 政府がAIへの感情的な愛着を規制し始めたということは、技術の進歩が社会の対応能力をすでに追い越したということだな
  • 人間が作ったボットに、そこまで感情移入する人が本当にいるの?
  • 禁止する理由は理解できる。でも正直、こういうアプリを使っている人たちが、禁止されたからといって現実の恋人を探し始めたり、結婚するようになるとは思えない
  • 住宅価格や長時間労働の問題を解決するより、チャットボットを禁止する方がずっと簡単だからな。もちろん、まずはタダでできる方を選ぶよな
  • 問題はAI彼氏やAI彼女だけじゃない。禁止したら、みんなが急に「バーチャル恋人が持てないなら外へ出て現実と向き合おう」となると思う?
  • 現実で恋人ができるかどうかじゃなくて、企業が追い詰められた人たちを食い物にして利益を上げていることが問題なんだ。これは単に話し相手が欲しいという話じゃない。ただの搾取だよ
  • ついに政府が人間とAIの恋愛関係について議論する時代になったのか。こんなに早くそうなるとは思わなかった
  • 残念だったな。俺の嫁はとっくに二次元だから、出生率なんて関係ない
  • 正直、良い判断だと思う。AIが現実の人間同士のつながりに取って代わるべきではない

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 バーチャルな恋人や友人を提供するAIコンパニオンサービスが人気なのは、中国に限ったことではない。

 欧米でも同様のサービスは急速に広がっており、米国発のReplika[https://replika.com/]やCharacter.AI[https://character.ai/]、Nomi[https://nomi.ai/]などは数百万~数千万人規模のユーザーを抱えている。

 そんな中で、中国版の特徴は、特に若い女性を主要なターゲットとするサービスが多く、ユーザーを肯定してくれる男性キャラが人気を集めていることだそうだ。

 絶対に自分を否定せず、何があっても慰めてくれる「恋人」や「友人」。そこには諍いも意見の相違もない。ポジティブな反応があるだけだ。

 そんな相手が四六時中そばにいたら、面倒なリアルでの人間関係が煩わしくなってしまうのもわかる気はしないでもない。

 そして、若い世代が現実の人間同士の結びつきへの関心を失ってしまう…そんな状況への危惧も理解できる。

 日本政府もこの問題を認識しており、消費者委員会は生成AIの利用による依存や孤立、人間関係への影響などの問題について専門調査[https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/ai_technology/001/gijiroku/index.html]を進めているとのこと。

 あまりにも急激なAIの進化に法整備が追い付いていないのは、世界共通の課題だと思う。「時代が変わった」の一言ですませる前に、子供たちの将来のためには何が正解なのか、早急に考えていかなきゃいけないんじゃないかな。

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References: China cracks down on AI companions, forcing millions to break up with virtual partners[https://www.abc.net.au/news/2026-07-19/china-cracks-down-on-artificial-intelligence-companions/106925352]

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