地球にいったい何が? NASAが公開したデコボコ地球の正体
Image credit:Scott Luthcke/Mark SubbaRao/NASA/GSFC

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 地球は北極と南極側が少し平らではあるものの、ほぼ球形のはずだ。ところが、NASAが公開した地球の3Dモデルはじゃがいものようにでこぼこに歪んでいる。

 地球にいったい何が起きた?終わるのか?終わっちまうのか?と不安になるかもしれないがそういうことではない。

 この3Dモデルは、地球の本当の形を写したものではなく、場所によってわずかに違う重力を強調したものだ。

 青くくぼんで見えるインド洋の南側は重力が弱く、赤くふくらんだ場所は重力が強い。デコボコの正体は、目には見えない重力のかたよりなのだ。

NASAが地球の重力の強弱を表した3Dモデルを公開

 2026年7月15日、アメリカ航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターの科学可視化スタジオが、地球の3Dモデルを公開した。

 我々の知っている地球は、赤道半径は約6,378km、極半径は約6,357kmと若干ずれがあるものの、ほぼ球形だ。

 1972年12月7日に月へ向かうアポロ17号の宇宙飛行士が撮影した、「ブルーマーブル」と呼ばれる太陽光に照らされた地球のカラー写真は、地球が青くまるい星であることを世界に知らせた写真として知られている。

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 ところが、新たに公開された地球の3Dモデルは、ジャガイモのようにデコボコとゆがんだ球体となっている。

 実はこの3Dモデルは、地球の重力の強さを立体の形に置き換えたもので、「ジオイド」と呼ばれている。

 ジオイドは、波も風も海流も潮の満ち引きもないと仮定して、重力と地球の自転だけで海面の高さが決まったとしたらどんな形になるかを表したものだ。

 重力が強い場所では海水が引き寄せられて盛り上がり、弱い場所では海面が下がる。

 ジオイドのデコボコは、水がどこまで持ち上げられるかという高さの差であって、その場所で体が重くなるという話ではない。

 また、山の高さや海溝の深さといった地形は反映されていない。

 このモデルは、19基の衛星が15年かけて集めた10億回を超える観測データからつくられた。

 中心になっているのは、NASAのGRACEとヨーロッパ宇宙機関のGOCEという、地球の重力を測るための衛星である。

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重力が強い場所は盛り上がり、弱い場所はへこむ

 地球の重力は、どこでも同じ強さで働いているわけではない。引っぱる力が平均より強い場所では海面が持ち上がり、弱い場所では沈む。ジオイドのふくらみとく

 ぼみは、この差をそのまま形にしたものだ。

 高さを測る基準になるのは、地球の形を計算しやすくするために決めた、南北にわずかにつぶれた球である。

 NASAのモデルで最も高いのはアイスランド付近で、基準の面より85m高い。

 最も低いのはインド南部の沖合で、106m低い。最も高い場所と最も低い場所の差は191mになる。

 地球の半径は約6,371kmあるので、191mの差はその0.003%にすぎない。

 そのままでは人の目で見分けられないため、NASAは高低差を1万倍に強調して立体にしている。

 画像に写っている巨大なふくらみやくぼみは、実際にはこの大きさで存在しない。実際の地球の姿ではないので安心してほしい。

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場所によって重力の強さが違う理由

 重力の強さが場所ごとに違う理由は、地表ではなく地球の内部にある。

 物が引っぱる力の強さは質量で決まるため、地下に重い物質が多く集まっている場所ほど重力が強くなる。

 地球の内部を厚く占めるマントルは、同じ岩石で均一に満たされているわけではない。

 岩石や金属でできた巨大な塊があちこちに沈んでおり、その中には、45億年ほど前に地球へ衝突して月を生んだとされる原始惑星テイアの残骸ではないか、という説が出ているものもある。

 中身の詰まり方がかたよっているから、重力のかかり方もかたよる。

 モデルで最も深く青く沈んでいるインド洋の南側は、地球上で重力が最も弱い場所として知られている。

 だが、これほど大きなくぼみが生まれた理由については、地球物理学者たちは今も調査を続けている。

南極の重力が弱まった時期に氷が広がった

 とはいえ重力の差はごくわずかだ。インドに住む人が月面の宇宙飛行士のように跳びはねているわけではない。

 それでも何千万年という時間が積み重なると、地表の姿が変わるほどの影響が現れる。

 アメリカのフロリダ大学のアレッサンドロ・フォルテ氏らは2026年2月、南極の下にある重力の弱い場所について研究成果を発表した。

 世界中の地震の揺れを利用して地球の内部を透かし見る手法を使い、マントルの中の岩石の動きを7000万年前までさかのぼって再現している。

 研究によると、南極の重力の弱まりは5000万年前から3000万年前にかけて強まった。

南極大陸が厚い氷に覆われていった時期と重なっている。

 地球の内部の動きと気候の変化がどうつながっているのかについては、今後の課題として研究チームが調査を進めている。

 地球は平面だと信じている人も存在するが、この3Dモデルをずっと眺めていた今の私には、丸い地球じゃなくジャガイモライクな地球が思い浮かんでしまう。

References: The geoid The Geoid- NASA Scientific Visualization Studio[https://svs.gsfc.nasa.gov/5660/] / Earth Is Lumpy as Hell[https://nautil.us/earth-is-lumpy-as-hell-1283204]

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