愛犬がなついてくれるのはうれしいことだが、飼い主が外出するたびに、寂しがって鳴き続けるのを知ると心配になってしまう。
かといって仕事があるため24時間365日家にいることはできない。
ヤネス・イブラヒムさんの愛犬、ディノも分離不安症を抱えていた。そこで彼女は、自分の代わりとなる人間サイズの等身大人形を与えてみることにした
するとこれが劇的な効果をもたらした。愛犬は人形の膝の上ですっかり安心し、留守番の不安から解放されたのだ。
だが、少々効果がありすぎたようで、飼い主が帰宅しても人形の膝から離れなくなってしまったのである。
留守番のたびに不安に陥る愛犬
犬にとって、大好きな飼い主と離れる時間はとてもつらいものだ。ヤネス・イブラヒムさんの愛犬ディノ(オス)も、ひとりで留守番することに耐えがたい不安を感じていた。
ディノは典型的な「分離不安症」の症状に苦しんでいたのだ。
分離不安症とは、飼い主など強い愛着を持っている対象から離れることで、極度の不安やパニックに陥る症状のことだ。
犬の場合、留守番中に吠え続けたり、物を破壊したり、不適切な場所で排泄した りといった行動として現れることが多い。
重度になると自傷行為に走ることもあり、犬自身の精神的・肉体的なストレスになるだけでなく、飼い主の生活にも大きな支障をきたす深刻な問題である。
ディノの場合は、落ち着きなく部屋の中をウロウロと歩き回り、鼻を鳴らして鳴き続け、窓の外を見つめてはイブラヒムが帰宅する足音に耳を澄ませていた。
等身大の人形作戦を決行
愛犬がひとりで寂しい思いをしている姿を見るのは、飼い主にとっても辛いことだ。
そこでイブラヒムさんは、ディノのような不安を抱える犬を助けるために、インターネットで見かけたあるアイデアを試してみることにした。
彼女が用意したのは、人間と同じサイズの等身大の人形である。
自分が外出している間、自分の代わりにこの大きな人形を部屋に置き、ディノの寄り添う相手になってもらおうと考えたのだ。
作戦は成功だったが効果がありすぎた
イブラヒムさんが仕事に出かけている間、人形を座らせておいたところ、作戦は見事に成功した。
ディノは人間そっくりの等身大人形の膝の上に丸く収まり、すっかりくつろいでいた。
これまで見せていたウロウロと歩き回るような落ち着きのなさは消え、分離不安の症状は明らかに和らいでいた。
人形はディノに安心感を与え、期待通りの役割を完璧に果たしたのだ。
だが、その効果はイブラヒムさんの想像を少しばかり超えていた。
飼い主より人形の膝を愛するようになった犬
かつてのディノは、イブラヒムさんが帰宅すると大喜びで出迎えていた。
ところが、等身大人形を導入して以来、ディノの心はすっかり移り変わってしまったようだ。
これまでは彼女が帰宅すると、大急ぎで駆け寄って来たのに、今では人形の膝に乗ったままだという。
イブラヒムさんは少し寂しいが、それでもディノが留守中も不安がらず、日々を過ごせるようになったことがうれしいという。
「彼がひとりぼっちの家でも落ち着いていられるようになったのは、本当に素晴らしいことです。私がいなくても、彼が快適に過ごしているのを見られるのが嬉しいのです」と彼女は言う。
犬のひとりでお留守番の限界は、個体差はあるものの4時間くらいだと言われている。
仕事でほぼ毎日、長時間家を空ける場合には、犬の保育園(デイケア)に預けるか、相性の良い仲間を飼うか、あるいはイブラヒムさんのように等身大人形という手もあるかもしれない。
犬と遊んでくれるAIロボットなんかもよさそうだよね。そのうちいい感じのやつが開発されそう。
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