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アーケード音楽ゲーム「CHUNITHM(チュウニズム)」から生まれたメディアミックスコンテンツのイロドリミドリが“イロドリミドリ FINAL LIVE 最終話 ~Get Our MIRAI!!!!!!!!!!!!!!~”を開催。公式サイトのマンガ動画などで音楽に熱い情熱を抱く「舞ヶ原音楽大学附属舞ヶ原高等学校」の女子高生たちが紡ぐストーリーを展開し、オリジナル楽曲をリリースしてきた。

2017年からはライブイベントも開催。毎回イロドリミドリならではのライブで観客を魅了している。

10年の活動で生み出し、6月6日の戸田文化会館にて「FINAL」の名を冠したライブで我々の魂に刻みつけたものとは?

PHOTOGRAPHY BY  たくあん(明井 巧)、石丸大貴
TEXT BY 清水耕司

ファイナルにふさわしいメドレーの連発

開演前、記念すべきファイナルライブの影アナウンスを担当したのはHaNaMiNaの小野美苗(CV:伊藤美来)……が飼っている柴犬のポチ。諸注意に続き、無線制御型オリジナルペンライトのテストを行い、「小野ポチでした、ワン!」と締める。イロドリミドリ楽曲がBGMとして流れ、集ったファンたちは開演を待つ。そして訪れる暗転、始まるボイスドラマ。ステージバックにはスクリーンがあり、イロドリミドリメンバーの発言に合わせてキャラクターカラーのオレンジ、青、紫、黄、ピンク、緑が揺らぐ。これまでのライブではアルバムタイトルや開催地を「ゲットしたい!」をテーマに掲げてきたが、この日は月鈴白奈(CV:高野麻里佳)の「初心忘れるべからず!」という提案からバンド「イロドリミドリ」の結成のきっかけであり、1stアルバムタイトルと同じ「単位」がテーマに決まると、待ちに待ったファイナルライブに突入する。

まずはスクリーンに全キャラクターの紹介ムービーが。担当声優名と共にキャラクターが映し出されていく。明坂芹菜(CV:新田 恵海)、御形アリシアナ(CV:福原綾香)、天王洲なずな(CV:山本彩乃)、小仏 凪(CV:佐倉 薫)、箱部なる(CV:M・A・O)、月鈴白奈(CV:高野麻里佳)、月鈴那知、五十嵐撫子(CV:花井美春)、萩原七々瀬(CV:東城日沙子)、小野美苗(CV:伊藤美来)、葛城華(CV:丸岡和佳奈)、芒崎奏(CV:立花理香)、藤堂陽南袴(CV:八島さらら)、桔梗小夜曲(CV:原田彩楓)、そして「10、9、8、7、6……」とカウントダウンが始まり、イロドリミドリのメンバーが登場するのがシルエットでわかる。ライトが照らされ、ステージ上でポージングする6人が目に映る。これまでのライブで着用していた制服衣装ではなく、ライブのキービジュアルイラストでのキャラクターの装いがモチーフの新衣装で登場。

イロドリミドリのメンバーは、各キャラクターカラーの格子模様をあしらったスカートに胸元のコサージュが印象的な姿。6人は円陣から「イ・ロ・ド・リ・ミ・ド・リ!単位を~ゲットー!!!!!!!」と元気良く手を掲げると一列に。1曲目は「Change Our MIRAI!」。バックスクリーンにMVも流れていくが、ワンコーラス歌いきると「Change Our MIRAI! (Our 7 Lights)」へ急速展開。6人が立ち位置を入れ代わりながら次々とボーカルをパスしていき、サビでは客席から大きく「オイ!オイ!」の声で後押し。熱気に包まれたロケットスタートが決まった。

 

最初のMCで新田が挨拶と自己紹介を進めるが、会場のそこかしこから鳴き声が聞こえ、山本も「ペンペンの声が!」と反応する。これは「CHUNITHM」のキャラクター「チュウニペンギン」が鳴らす音で、コロナ禍での声出し禁止のなかで握って鳴らすライブグッズとして発売されたもの。思わずステージの上下が共に過去を思い出す瞬間となった後、改めて新田、福原、山本、M・A・O、佐倉と自己紹介が進んでいく。高野は挨拶の際に赤く塗られた爪を客席に向け、「ネイルはお姉ちゃん色」と見せてくれた。赤は、白奈の姉である(月鈴)那知のキャラクターカラー。演じていた今村(彩夏)は声優引退に伴ってプロジェクトを離れたが、一緒にファイナルのステージに立つ想いの現れだった。

その高野が、次から始まるソロコーナーのトップバッター。新田からの「最初は……白奈ちゃん!」と指名を受け、「はーい!」と高野は元気に返事。ステージを去るメンバーから「がんばってねー!」の声援を受けると「それでは盛り上がっていきましょう、聴いてください……My Dearest Song」の途端に歓声が。ストリングスの効いたロックは会場を盛り上げ、高野も間奏で掛け声をリード、客席を引っ張っていった。

歌い終えた高野が去ると代わって現れたのは佐倉。聴こえてきた“Sha la la la, Sha la la la,”の歌声。「私の中の幻想的世界観及びその顕現を想起させたある現実での出来事に関する一考察」というタイトルとの絶妙なマッチ感も心をくすぐる、お洒落でキュートなピアノポップスを経た次は琴のイントロ、そして“ニャーーーッ!!!”の声。「猫祭り」の登場に一気に会場は興奮のるつぼと化す。“ニャンニャンニャニャン”を連呼するサビは素早い転調を見せ、狂喜が生み出す合いの手と混じり合う。M・A・Oが両手で頭の上に猫耳を作る振付も興奮を加速させる。最後もかわいくポーズを決めたM・A・Oが上手へ消えると暗いなかで山本が登場し、「ポルカドット」を披露した。「私の中の幻想的世界観及びその顕現を想起させたある現実での出来事に関する一考察」、「猫祭り」、「ポルカドット」の流れで互いの魅力を増幅させる構成だ。

上手を向き、下手を向き、スカートをつまみながら山本が華麗に歌いきると、暗転してから「The Greatest Night」に突入。一転してロックの空気感をまとった楽曲では福原が“Oh Oh, Ooh Oh…”の声を会場と合わせながら駆け抜けた。最後のソロは「Rhythmic Ride」“いつだって High Tension”の歌始まりから新田が芹菜をステージに降臨させていた。

イロドリミドリのステージが終わると、ボイスドラマが始まった。「久しぶりの先輩とのライブに緊張する」という撫子の声にHaNaMiNaのターンとわかる会場。ドラマの舞台はライブハウスが想定されており、会場の雰囲気も変わっていく。ライブ前の緊張を吹き飛ばすように撫子は「よーっし!久しぶりの4人のステージ、しまって行くッスよー!」と声を挙げた。ステージ上にはHaNaMiNaの4人が登場しており、制服ベースの衣装から打って変わり、エナメルや網タイツなどのロックスタイルへと一新している。そして最新曲「カモンゴー!」からスタート。コロナ禍の影響で活動が制限されてしまったHaNaMiNaのライブに対する渇望と喜びを爆発させる。続くMCでは伊藤が「みんな、久しぶりに楽器を持ってそれぞれ練習して集まりましたね」とファイナルライブにいつも以上の気合いが入っていたことを教えてくれ、花井も「曲数がたっぷり、練習の成果を見せつけてやりたいなと思います」と期待値を上げる。そして、続くソロ曲メドレーはその言葉にたがわないものだった。

「単位がない!」では花井が、観客の「オイ!オイ!」を浴びながらギターソロパフォーマンスを楽しむと、東城は「Future Refrain」で七々瀬らしく雰囲気のあるロックで会場を落ち着かせる。丸岡は勝気な気持ちそのままに「ソウルのピース」をかき鳴らした。ここまでのソロ曲すべてに新たにバンドアレンジがなされており、メドレーが続いていく。
「当たり前田の小野美苗」で伊藤はボーカルを取りながらもドラムからDJブースに移動、更には“当たり前 当たり前”と歌いながらステージ中央に。メンバー3人も楽器を置いて手を振り上げるシーンもあった。

メドレーを終えると伊藤が「皆さんと楽しめる時間というのは当たり前じゃないですから!当たり前、当たり前と言ってましたけども」とMCでも会場の心を掴んだ後、花井から「HaNaMiNaのロックを、想いを、言葉に乗せていくっすよ!」と宣言が飛び出し、メンバーと観客全員が「アイジャストロック」で“Woh oh oh…”と気持ちを合わせる。続く「コトバウタ」は歌唱後に手を振って去りゆく姿まで観客を楽しませた。

次に登場するのは S.S.L. -舞ヶ原シンセ研究会- (以下、シンセ研)。「今日はなんだか気合いがみなぎりますねえ……」という小夜らしからぬ言葉から始まったボイスドラマを経て、原田がDJブースに立つと会場内にサイレンが響き、電子の海をたゆたうような効果音が流れ、フロアはクラブシーンへと一変する。スクリーンには「S.S.L.」の文字が。立花は登場時にステージ中央でフロアへ投げキッスしてから鍵盤の位置に進み、最後に登場した八島はクラップでフロアを煽った。3分近くの間、このライブのために新たに再構成されたイントロの中で、メンバーそれぞれが存在感を見せた後、3人は各ポジションからスクリーンに向け腕を伸ばして「We don’t need tears!」がスタート。

立花のボーカルで口火を切り、原田がループするBメロを担うと、サビは3人で溶け合ったボーカルを聴かせる。ラップをかます八島の後ろでDJの原田が支えるコーラスはいつでもシンセ研の大きな魅力の1つ。その余韻が残るなか、八島が「ハーハッハッハッハ!」と高らかな笑い声を重ねて、ソロ曲「Burn!!!」を繰り出していく。「イロドリミドリ」のなかで技量と情熱を積み重ねてきたラップはグルーヴと圧力で聴く者を圧倒し、会場を湧かせる。歌い終えても途切れることなくメロディは続き、「Hardsync」へとシフト。キュートなメロディにノイジーなサウンドが中毒性を生む楽曲は会場を飛び交うレーザーの海をかき分けていた。メドレーの最後を締めるのは「ソレイユ」。立花は歌始まりからリフレインを響かせ、ステージ中央ではダンスソロも披露。フロアを魅了して視線を独占した。

また、シンセ研もこの夜に合わせて新衣装。各メンバーが持ち場を離れてステージ中央に集合して、新衣装を観客の目に焼き付けた。八島はトレードマークのツインテールは忘れず、だがキャップを被り、エナメルな衣装でクールを演出するイノベーション。

原田はフードにネコ耳がついたパーカーという安心の愛らしさ。そして八島が「気になっているところがありまして」と言及したのが立花のレザーパンツ。太ももにあるジッパーを八島の願いで立花が下ろすも……布地が現れて地肌は見えない仕様。メンバーも観客も手玉に取った立花は思わず「たーのしーいー♪」という言葉を残した。シンセ研のラストソングは「戸田の幼稚園児たちー、まだまだいけるでしょうね」という八島の煽りから原田が楽曲をスタート、立花が「ここまでのアクトはシンセ研、最後まで頼むぞおまえらー!」という檄を飛ばして、佐高陵平が作詞、作曲、編曲を手掛け、IOSYS TRAXにより更に凶悪にリミックスされた「We Are Us(IOSYS TRAX Remix) 」へ。ロングバージョンリミックスの中、ボイスドラマで奏が言い放った「遠慮なく残してやろう、私たちの爪痕ってやつをね!」の言葉通り、シンセ研の魅力を思う存分見せつけた。

熱せられたフロアに続いて流れ出したのは芹菜のモノローグ。「楽しいことがある前の晩はワクワクして、それが終わると少し寂しいような気にはなるけど、あれをこうすればもっと楽しくなるかも?って思いついたりして」そんな自省から最後は決意表明のように「楽しいこと、みんなでずーっと追いかけるんだ!それがきっと私たち、イロドリミドリ!」と声を挙げた芹菜。続けて、卒業後の彼女たちを捉えた24話(最終話)が上映された。ライブ後にYouTube公式チャンネルでも公開された動画では「在学生のモチベ向上を促す」ために藤堂生徒会長がOB諸氏の協力を得て、「舞ヶ原同窓生ステージ」を開催するというもの。2人構成のシンセ研、イロドリミドリから箱部なるがサポートに入ったHaNaMiNaなど、舞ヶ原の未来に想いを馳せられるものだった。ただ、鑑賞する会場が動揺、そして大きな歓声を上げたのは、イロドリミドリのステージに間に合わせようと誰かが車で学校に乗り付けるシーン。結果的には、上映後のステージへ現れたメンバーは6人であり、那知の登場を予想してどよめいた会場の興奮は収束した。だがライブ冒頭に高野も言及したように、那知の存在はイロドリミドリと共にあり、そのことはファイナルライブのラストまで変わらない。

24話の上映から流れ込んだライブパートではイロドリミドリのメンバーが2人ずつ背中合わせで立って「Here the our MIRAI!」をスタート。前回のライブではかなわなかった6人そろったパフォーマンスで、ステージ上を舞踏会のように、立ち位置を入れ替わるフォーメーションを見せながら1曲を歌い上げると、新田が「また会いましょうー、バイバーイ!」と会場に声をかけ、6人はステージを離れた。会場からは「ありがとう」の声が飛ぶなか、スクリーンにはエンドロールが流れ、新曲の「Re:Still」がかかる。イロドリミドリが7人体制となった際に作られた「Still」をリアレンジしたインストゥルメンタル曲で、白奈と那知をフィーチャリングする箇所もあり、ファイナルライブというふさわしい場で、ただしファイナルを感じさせないアグレッシブな楽曲での再生となった。エンドロールにはDiscographyとしてイロドリミドリ全楽曲名と制作者のテロップが次々と共に流れていくのを眺め、観客たちの脳裏には10年というひと時代で築かれた想い出が多数蘇る。エンドロールの最後に「10年間、ありがとう」の文字も現れ、本編ライブは終了を迎えた。

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アンコールを含めた構成と演出はイロドリミドリならでは

イロドリミドリのライブではアンコールは必須。それはFINALでも変わらない。これが「イロドリミドリ」と言わんとばかり、エンドロールが終わり、一瞬の拍手の後、スクリーンにはすぐ「アンコール」の文字が現れた。音楽ゲーム風にその上を流れるノートに合わせ、観客が叫ぶ。そしてこれも定番、アンコールにまず応えたのは原田。DJブースに姿を現して「1人で始まるアンコールもだいぶ慣れたもんです」とのコメントから、「会場を独り占めしちゃいます、まずはこの曲から」と始めたのは「A.S.S.S.M.R.」。タイトルは“Awesome Super Sweet Special Music Revolution”の頭文字を意味するポップなミュージック。観客もノリながらクラップで“なんて素晴らしい音なのでしょう”の想いを込める。アンコール2曲目では立花と八島も登場し、「Limits」を高速BPM化した「Nothing But Requiem Remix」バージョンを披露。シンセ研楽曲ではコールは少なめだが、観客は全身で楽曲を楽しんでいく。

歌唱後、立花が「みんなが驚くスゲーものを見せたいと思います。おいでー」と誘ったのはHaNaMiNaメンバー。「舞ヶ原の軽音とシンセ研、お互いのクリエイティブをぶつけて出来た曲がここにあるんですけど、何をやるかおわかりですかねぇ?」という前振りから伊藤のカウントで始まったのは、奏がサポートでHaNaMiNaに参加した「プライマリー進化論」。この夜は八島と原田も参戦して両手ワイパーでフロアを盛り上げ、観客はダンスミュージック化した新機軸のHaNaMiNa楽曲を楽しんだ。

花井から「シンセ研に大きな拍手をー!」の声掛けを受け、立花ら3人がステージを去ると会場からは拍手が。その途中に突っ込まれた「せーの!いちにっさん、はい!」。繰り出されたのは、TVアニメ『機巧少女は傷つかない』のEDテーマ「回レ!雪月花」。HaNaMiNaが初期にカバーした人気曲だけあって、バンドアレンジならではの瞬発力を試された形の観客もすぐさま対応、“ハッハッハッハッハッハッ”の掛け声を合わせていく。“うりゃオイ!”やクラップも飛び交うなか、HaNaMiNaも気持ち良くパフォーマンスしていった。曲終わりに合わせて花井は「HaNaMiNaでしたー」と声を挙げ、HaNaMiNaのメンバーはステージを去っていく。しかし残る花井。そして現れる佐倉。運び込まれる深紅のキーボード。佐倉からは「私も叶うんだったら楽器演奏をやってみたいなと言っていたんですけど」と発言があり、花井が「ややっ!これはっ!?」と大袈裟に驚いてみせると佐倉は自慢げに「オキヅキニナリマシタカー。世界に1台のKORG SVのちゃんなぎモデルでございまーす」と紹介した。このキーボードは、KORG「SV-1」シリーズの「Reverse Key」限定生産モデルと同じカラーリングが施されており、ボディは赤く、白鍵と黒鍵をそれぞれリバース塗装、そのうえで作品やキャラクターのロゴも配置したまさに一品もの。ギターを持つ花井とキーボードの前に立つ佐倉は、感覚派(撫子)×理論派(凪)の対照的コンビとして話題を呼んだ「新世界スターター」を披露。可愛さは共通言語とばかりに歌い上げていく。歌唱後「ありがとうございましたっ!」と声高らかに会場へ響かせると、凪が1人残ってイロドリミドリの先輩を呼び込む。登場したのは新田。まずは「私、卒業したと思うんだけど(制服をつまんで)着てていいの?」というセルフツッコミから始まり、佐倉と「いいんですよ。制服なんていつ着てもいいんです」「哲学みたいなこと言い出したよ、凪」「着たい時に着ましょ」「それが制服なんだね」と仲睦まじいところを見せる。芹菜と凪のデュエット曲といえば「ライトスピード・デイズ」。低音が唸るリズムの上でピアノが高速疾走をして爽快感を生む楽曲である。スクリーンにはショート丈で白いキャミソールワンピースを着た2人が青空の下を浮遊するMVが流れ、空間に相乗効果をもたらしていく。ステージ上でもフォーメーションが見どころで、新田が下手、佐倉が上手からスタートすると、2人は遠くから目を合わせたり、近付いて向かい合わせになったり、立ち位置を入れ替えたりしながら声を重ねていく。曲がラストを迎えるとステージ中央で二人は抱き合って尊い光景をファンに届けてくれた。

ここでステージ上のメンバーが、新田、福原、山本、東城、立花の5人に。新田が「お送りしていたアンコールも次の曲で……」と言い進めると客席からは「えー!」の声。が、同時に新田は「多分、最後です」と言い直す。アンコールのラストを締める曲は「Agitation!」。新田からの「会場にいる皆さんはプロの方々だと思うので信じて思いっきりやりましょう」の言葉通り、ステージ上の5人はツインギターと鍵盤有りの同学年生による特別編成で楽しく演奏を味わった。その姿を見守りながら、観客もサビで“Agitation!”と声を張り上げる。全員がはしゃぎきった時間を過ごした後、新田から告げられたのは「……というわけで、このあと……アンコールです!」の言葉。他メンバーも「またねー」と手を振りながらステージを去り、立花にいたっては「先は長いぞ」と観客に言葉を贈る始末。喜びに震える観客たちの前で、スクリーンには再び「アンコール」を促すゲーム風画面が。今度はノートのタイミングをずらしたり、逆に右から左に流れたり、コールが「イ ロ ド リ ミ ド リ」に変わったり。「ア、ソレ」「ア、ヨイショ」などの合いの手や拍手も指示され、パワーアップした音楽ゲーム感を楽しみながら観客たちは出演者の登場を待っていると、二度目のアンコールは「東方Project」の楽曲をアレンジした「ウソテイ」から。パフォーマンスはなんとHaNaMiNa。この曲は、イロドリミドリとシンセ研によるカバーは存在するが、HaNaMiNa版は存在せず、本ライブが初披露。目まぐるしくボーカルが入れ替わるなか、観客も息が続かないくらいに“てゐ!てゐ!てゐ!てゐ!……”“うさうさうさうさ……”と叫ぶ。ようやく曲が終わるかと思いきや福原が参入しての「Help me,あーりん!」に突入。歓喜の声を挙げる間もなく、今度は“あーりん!”コールを連発することになった。HaNaMiNaの演奏はそのまま、ゲストボーカルという形でアリシアナが入り、七々瀬や華と掛け合いしながら進むこれもスペシャルバージョン。アリシアナパートの歌詞が少し変わったり、2番Aメロにあたる部分が“成績優秀 頼られると弱いタイプ……”と華パートになったり。あーりん+HaNaMiNaで曲を駆け抜けると間髪入れず、次曲は山本彩乃がタオルを振りながら登場しての「光線チューニング」。これまた、観客に振り分けられた“ハイ!”“チュッチュチュルチュル!”のコーラス部分が気持ち良い楽曲。楽曲の力か、これがプロと称される所以か、ここにきてライブ1曲目かと思わせる声が続くさまは称賛に値する。次曲への移行で山本と入れ替わったのは新田。DJブースに上がって、「The wheel to the Night ~インド人が夢に!?~」をこちらも新たなアレンジを引っ提げて披露。“パキスタン、スリランカ、インドネシア”ではフィンガードラムを演奏する姿も見せ、会場は新田に芹菜を重ね合わせていた。

DJブースを原田に譲り、シンセ研の3人が揃うと今度は盛り上がり必至の楽曲、「痛快リズムアクション「B.B.K.K.B.K.K.」」に。立花の煽りに負けず、流れるノートに合わせて「Bass」や「Kick」「Air」と高速でコールやクラップに挑戦する観客たち。さすが「プロ」だけあって次々とモニター上に表示される指示をこなしていくが、そんな彼らを次曲のイントロで更に狂喜乱舞の渦に落とした。聴こえてきたピアノイントロは、高野も加わっての「conflict ~斉唱~」。MIXを歌詞に組み込んでいるが、その歌詞部分はタイガー、ファイヤー、サイバーなどではなく、どこにもない言語に変換されている。それでも完璧にコールしてみせる心強いプロたちと共に4人は楽しく歌いきった。高野と入れ替わった佐倉と一緒に送り出されたのは「赤壁、大炎上!!」。周瑜ポジションの陽南袴を演じる八島に、孔明ポジションの凪を演じる佐倉は「お気付きになりましたか」の言葉。のちにネットミームと化す、まさに「赤壁の戦い」の前段階となる孫権との会見での孔明の発言を口にするお遊びも盛り込まれていた。黄蓋ポジションの奏を演じる立花の高笑いから会場が「赤壁、大炎上!」と大合唱。ここにきて新たにCHUNITHMオリジナル曲からもカバーを披露し、火勢の如き勢いのまま「燃えてもエンジョイ!宛城、炎上!!」へと繋がり「炎上!炎上!」の大コール、次曲へなだれ込む。佐倉が去った後のステージに歩みを進めてきたのは花井、丸岡、伊藤。物語中の1年生メンバーが一列に並ぶと「SUPER RESULT BEAT vol.1」にノってパラパラを踊り、空間は懐かしのクラブシーンへと早変わりした。

2度目のアンコールが怒濤の勢いで過ぎるなか、イロドリミドリの6人と東城もステージに揃い、13人全員集合状態で最後の曲「GO!GO! ラブリズム ~あーりん書類審査通過記念Ver.~」へ。新田から「最後にみんなで声出して!最高のフィナーレにしましょう!」の言葉が上がると、福原をメインボーカルに出演者陣がボーカルを合わせていき、観客は正真正銘のMIXや“うりゃオイ!”“Fu-! Fu-! FuwaFuwa!”を会場に飛び交わせる。熱気を超えたハイテンションのなかで曲が終わると、ステージ上の13人は一列となって「さようなら」と別れを告げ、下手へと消えていった。今度は客席を照らすライトも、スクリーン上のテロップもなく。だがまだまだ終われない客席は自発的にアンコールの声を挙げ続ける。無線制御型のペンライトも点滅し、運営からの後押しも受けるなか、2分半後、ステージ上にイロドリミドリメンバーが三度登場した。

これからも花を咲かせる、『イロドリミドリ』が撒いた種

「今度こそ本当に本当に最後のアンコールです!自信はないんですけども……」という新田の言葉で始まったラストアンコール。ここで各出演者から感謝のメッセージが会場に贈られた。そのうえで、八島は「ものすごくユーザーさんを煽り散らした人物だったので本当に不安であったんですけども、皆さんが温かく受け入れてくれて」と振り返り、原田も「みんなでぶちあがれたなぁという思い出がたくさんたくさん」「大好きなんです、居心地が本当に良くて。自分が小夜になったような子供心で演じさせていただいていました」と10年の想いを乗せたコメントを。続けて立花は「みんな、イロドリミドリ好きー?」と問いかけてから「その気持ちを伝えてほしい人がいるので」と、「今日のライブ、そしてイロドリミドリを作ってくださったすべてのスタッフさんに拍手と大きな声でありがとうを言いましょう!」と呼び掛け、会場も大きな声で「ありがとう」と叫んだ。

丸岡は、イロドリミドリとの元々の出会いはゲームセンターと切り出し、出演できたことが驚きでありつつも、事務所の先輩だった今村との共演に触れ、「かっこいいなと追っていたので、先輩も見守ってくれてるかなと思うんですけど、少しでも追いつけていたなら嬉しいなと思っています」という言葉を。さらには、「イロドリミドリから得たエネルギーはきっと私自身を助けてくれる。大切にしていく」と誓い、観客にも「これからも愛してくださると嬉しいな」と続けた。伊藤は終わってしまうことの寂しさや、ドラムを触るのが初めてだったドキドキを思い出しながら、「当たり前のようにまた出会える日を楽しみにしつつ、感謝の気持ちをこの後も伝えたいと思います」という言葉を告げた。東城は、最初にイロドリミドリのライブに出演した時はHaNaMiNa結成前で、1人でステージに立ったことを振り返り、いつの間にかHaNaMiNaを結成し、「イロドリミドリやシンセ研と七々瀬のストーリーを追体験して、今日、彼女と一緒に培ってきたものを出したような気がして胸がいっぱいです」と語った。「皆さん、暴れましたかー!」と始めた花井は「もう!お伝えすることは何もないです。このファイナルライブに私の想いはすべてつぎ込みました。特大ステージ級の愛を込めまして、ありがとうございましたっスー!」と撫子らしく締めた。

高野は衝撃の告白から。実は前日まで人生初の入院を経験しており、「ステージに立つまで心がすごく折れそうだった」とのこと。「それでも、ライブのVTRを観ることで心が救われて、絶対立ちたいという想いで来ました!」と秘めていた気持ちを吐露した。続いての佐倉は涙ぐみながらのメッセージ。「イロドリミドリって楽しいー!っていうものだから泣くつもりなかったんですけど」と話しつつ、「人生初ライブがイロドリミドリだった自分が最高の笑顔でファイナルライブを過ごせたのは一緒に立ってくれるみんなとの絆、ずーっと応援してくださった方のおかげ」、と止まらぬ涙の中で感謝を述べた。ただ、1つだけ心残りということで京急線の役をやりたいと言ったのに今回のセトリに「Kattobi舞高Riders」を入れてもらえなかったことを挙げ、さらには「別に“ファイナル”と言ったからって、もうやっちゃいけないということはないと思いますので、応援していただければきっと次が……これからもどうぞよろしくお願いいたします」と言葉を繋げた。10年以上コンテンツと寄り添っただけあって、イロドリミドリメンバーのメッセージには未来への想いが溢れ出ており、M・A・Oは活動に対して「全部が楽しい!キラキラしてて……。これってみーんなで作り上げてきた空間だからだよな。本当にみなさんには感謝しかありません」と話しつつも、「(The wheel to the Night ~)インド人(が夢に!?~)」は自分も一緒に歌っていたのに……芹菜しか出てない!(笑)」との愚痴を。そして「またいつか会えると信じて、今日のところは一緒に盛り上がってくださってありがとうございました」と。山本も「やってない曲たくさんある、聴きたい曲もたくさんある、なぜ今日ファイナルなの?」と愛に満ちた恨み節を。「いつも変なことしてくれる、イロドリミドリ。何か起こしてくれるのでは?」という予想を展開してから、「『あいつら前回ファイナルだったらしいよ』ってライブがいつか開催されることを願ってください」と観客に話してから謝辞を述べた。福原も、プロデューサー含めたスタッフに向けて「あんな仲良かった子達が同窓会しないわけないでしょ!」と声を挙げ、すぐさま会場から共感・同意の拍手を得た。福原の心残りは「Day by Day CRiSiS Songs」と付け加えつつ、「イロドリミドリ同窓会、イロドリミドリ・アヴェンジャーズ、エクスペンダブルズを待ってます」と終わらせたくない想いをぶつけていた。

最後の新田は、「締めたくなさすぎて最後の挨拶を拒否したいくらい」と始め、「準備から含めたら12年とか?こんなに本気で悪ふざけできる場所なんて、こんなに大人が楽しい場所なんてどこにもないと思うんですよ」という感想に。そして「アンコールは最低3回やる」というイロドリミドリの慣習を例に、「(ファイナルも)何度やったっていいじゃない」と持論を展開。「イロドリミドリを作ってくださった皆さん、私はあなたたちほど、作品愛のあるオタクなスタッフさんを知りません。特大の愛を込めて、私たちを育ててくれて、作品を作ってくれて本当にありがとうございました」からの「これからもよろしくお願いします!!」と締めた。新田は「身近なところだとSNSに『#未来をゲット』と付けて思いをつぶやいていただいたらな」と終わらせないための活動にも言及していたので、ライブに参加できた者もそうでない者もぜひ協力してほしい。

そして一列に並ぶ13人。新田からの言葉。「イロドリミドリという作品のメッセージを乗せた最後の新曲を」ファイナルライブでの新曲披露というプレゼントに観客からはどよめきと苦笑、そして喜びの声が湧き上がる。笑顔の新田が付け加えた「イロドリミドリだからね」の言葉に観客全員が幸福感を感じるなか、ラストソング「私たちは、花になる」を聴き入る時間となった。楽曲は、「イロドリミドリ」の全キャラクター名に共通するモチーフ「花」をテーマに、込められた想いを形にしたもの。アイデアとしてサビとタイトルは数年前から存在していたが、ファイナルライブにあたって「最初で最後の13人全員歌唱曲」というプロデューサーのコンセプトの元で生まれた楽曲だ。種を撒いたからこそ咲く花、10年間描いた物語だからこそ見える未来を描く歌詞とメロディ、13人は全員で歌い継ぎながら最後の歌を紡いでみせた。

歌い終わると全員で下手、上手、最後に中央の観客に「ありがとうございました」を贈った。一度でもイロドリミドリのライブに参加した者は、エンターテインメント性に溢れた特異な空間に魅了される。ライブ終了の瞬間から今に至るまでまだまだファイナルライブは受け入れがたい事実ではあるかもしれない。だが終演後、スクリーンにはイロドリミドリのキャラクターを演じた14人からのメッセージが入った寄せ書きが映し出された。これも新田が話したように、スタッフの作品への愛が溢れる証明の1つといえよう。何よりも「私たちは、花になる」で歌われたようにイロドリミドリの根底にある舞ヶ原の音楽が、誰かの耳に届いて記憶に残り続けてほしい、という想いが流れている。その想いの種はきっとこれからも多くの花を咲かせるはずであり、その先の未来に新たな「イロドリミドリ」を期待してしまう、そんなファイナルライブだった。

<SET LIST>
M01. Change Our MIRAI! × Our 7 Lights
M02. My Dearest Song
M03. 私の中の幻想的世界観及びその顕現を想起させたある現実での出来事に関する一考察
M04. 猫祭り
M05. ポルカドット
M06. The Greatest Night
M07. Rhythmic Ride
M08. カモンゴー!
M09. 単位がない!
M10. Future Refrain
M11. ソウルのピース
M12. 当たり前田の小野美苗
M13. アイジャストロック
M14. コトバウタ
M15. DJ TIME(We don’t need tears! intro)
M16. We don’t need tears!
M17. Burn!!!
M18. Hardsync
M19. ソレイユ
M20. We Are Us(IOSYS TRAX Remix)
M21. Here the our MIRAI!
M22. A.S.S.S.M.R.
M23. Limits (Nothing But Requiem Remix)
M24. プライマリー進化論
M25. 回レ!雪月花 HaNaMiNaアレンジ
M26. 新世界スターター
M27. ライトスピード・デイズ
M28. Agitation!(舞高最強 ver.)
M29. ユーザー参加型アトラクションメドレー
∟『ウソテイ』 ~HaNaMiNa cover~
∟Help me,あーりん with HaNaMiNa
∟光線チューニング ~なずな妄想海フェスイメージトレーニングVer.~ with HaNaMiNa
∟The wheel to the Night ~インド人が夢に!?~ with HaNaMiNa
∟痛快リズムアクション「B.B.K.K.B.K.K.」(ULTIMA)
∟conflict ~斉唱~
∟赤壁大炎上! ~燃えてもエンジョイ!宛城、炎上!!
∟SUPER RESULT BEAT vol.1
∟GO!GO!ラブリズム ~あーりん書類審査通過記念Ver.~
M30. 私たちは、花になる

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