現役の検察官の取り調べが違法だったかどうかを問う、異例の裁判の初公判が開かれました。

被告となったのは、大阪地検特捜部に所属していた田渕大輔検事(54)。

田渕検事による取り調べはどのようなものだったのか。10日の裁判と、これまでの経緯をまとめました。

「検察なめんなよ!」どう喝的・侮辱的な取り調べをした罪に問われた現職検事

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田渕大輔検事による取り調べの様子 2019年12月

「ウソだろ。今のがウソじゃなかったら何がウソなんですか?」
(山岸さんの部下(当時))「事実は実際に、何も変えて言っているわけではないので」
「変えてるじゃないか!思い切り変えてるだろうが!変えてるだろう!」
(山岸さんの部下(当時))「自分の考えで」
「変えてるじゃないか!いい加減にしなさい!検察なめんなよ!命懸けてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけてるんじゃねえんだ。かけてる天秤の重さが違うんだ、こっちは」

「検察なめんなよ!」机を叩き大声を上げ…高圧的な取り調べは違法?現役検事が被告になった全国初の“異例の裁判” 弁護士「検事が対象となったかなり珍しい事案」
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田渕大輔被告は、大阪地検特捜部に所属していた2019年12月、不動産会社「プレサンスコーポレーション」と学校法人の土地取引をめぐる巨額横領事件の捜査を担当していた時に、当時の社長・山岸忍さん(63)の部下の男性に対し、どう喝的・侮辱的な取り調べをしたとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われています。

「プレサンスの評判をおとしめた大罪人ですよ」

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(田渕大輔検事)「お試しで逮捕なんてありえないんだよ。まず捕まえてみて、どうなるか分かんねえから、調べてみて、しゃべったら起訴しようとかじゃないんだよ!俺たちは、そんないい加減な仕事はできないんだよ!人の人生狂わせる権力持ってるから!」

田渕検事による取り調べは翌日も行われました。

(田渕大輔検事)「はなからあなたは、社長(山岸さん)をだましにかかっていったということになるんだけど、そんなことする?普通。それ何か理由あります?それは自分の手柄が欲しいがあまりですか?そうだとしたら、あなたはプレサンスの評判をおとしめた、世間の評判をおとしめた、大罪人ですよ

逮捕・起訴された元社長・山岸さんは無罪確定

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男性は一連の取り調べを受け、”山岸さんが事件に関与した”と供述したことで、山岸さんも逮捕・起訴されましたが、男性の供述の信用性が否定され無罪が確定しました。

(プレサンスコーポレーション 山岸忍元社長)「自分に身に覚えのないことで突然(何もかも)奪われた。これは本当に心の底から悔しかった。丁寧な捜査をしていただきたかったという一言に尽きると思います」

山岸さんは、”部下に対して精神的苦痛を与える取り調べを行った”として「付審判請求」という制度を使って裁判所に刑事裁判を開くよう求め、おととし、認められました。

「陵辱もしくは加虐を行う意図は全くありません」検事は無罪を主張

「検察なめんなよ!」机を叩き大声を上げ…高圧的な取り調べは違法?現役検事が被告になった全国初の“異例の裁判” 弁護士「検事が対象となったかなり珍しい事案」
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7月10日、ようやく迎えた初公判。田渕検事は言動自体は認めつつ、次のように述べました。

(田渕大輔検事)「私は当時、検察官の職務に基づき取り調べを行っており、陵辱もしくは加虐を行う意図は全くありません」

無罪を主張し罪の成立を争う姿勢を示しました。

一方、検察官の役割を務めるのは、裁判所が指定した弁護士。

冒頭陳述で、「男性の取り調べ当日に上司の検察官は取り調べの録音・録画を見ていたのに大きく問題視されなかった。検事正や次席検事を交えた山岸さんらを起訴するか決める会議でもどんな取り調べだったか録画を再生してみようと提案されることはなかった」と主張しました。

次回の裁判は7月15日に開かれ、取り調べ映像が法廷で再生されます。

【解説】ものすごくレアケース??付審判請求とは?

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今回の裁判について、何が異例なのか?そもそも付審判請求とは何なのか?越水遥弁護士に話を聞きました。

「そもそも『付審判』というものが、ものすごくレアケース。率として0.1%未満くらいなのではないかと言われているくらい珍しいことです」(越水遥弁護士)

通常の刑事手続きでは検察官が起訴などを行いますが、対象者が身内にあたる場合に忖度などが働いて起訴をしないというケースがある。そうしたときに強制的に刑事裁判の場に引きずり出すという制度が『付審判』だということです。

過去の例では、すべて警察官などが対象だったのですが、検事が対象となったのは初めてということで、異例の事態だという見方がなされています。

(2026年7月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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