2026年7月30日にグローバルX 総合商社&資源ビジネス-日本株式 ETF(銘柄コード:609A)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。
基本情報
銘柄名・コードグローバルX 総合商社&資源ビジネス-日本株式 ETF(609A)ファンドの特色主として国内の金融商品取引所に上場している株式に投資し、信託財産の1口当たりの純資産額の変動率をMirae Asset Japan Wholesale Trade & Resource Business Index(配当込み)の変動率に一致させることをめざします。対象指標Mirae Asset Japan Wholesale Trade & Resource Business Index(配当込み)対象指標の概要Mirae Asset Japan Wholesale Trade & Resource Business Indexは、Mirae Asset Global Index Private Limitedが開発した、日本の総合商社および資源関連企業への投資を目指す株式インデックスです。
各銘柄の組入比率は浮動株調整後時価総額加重によって決定します。1銘柄当たりの組入上限はテーマへの関連度に応じて5%~15%、各カテゴリーの組入上限は60%となります。計算期間毎年1月11日~7月10日、7月11日~翌年1月10日
(※最初の計算期間は2026年7月28日から2027年1月10日まで)分配金支払基準日毎年1月10日、7月10日(年2回)管理会社Global X Japan株式会社信託受託会社三井住友信託銀行株式会社売買単位1口単位信託報酬0.59%(税込0.649%)以内上場日2026年7月30日(予定)
新しいETFの特徴
重要性を増す資源ビジネスと総合商社の役割
日本は一般に、資源に乏しい国として語られます。原油、天然ガス、鉄鉱石、非鉄金属、レアメタルの多くを海外に依存してきました。しかし、この事実は日本の弱さを意味しません。むしろ、資源を国内に持たないからこそ、日本企業は世界中に調達網を張り巡らせ、鉱山・油田・天然ガス・金属・化学品・インフラに投資し、複雑なサプライチェーンを組み立てる力を磨いてきました。その代表が総合商社です。
総合商社は、日本独自の企業形態として世界でも極めてユニークな存在です。資源の専門商社や単なる卸売企業とは異なり、資源権益への投資、長期売買契約の締結、プロジェクトファイナンス、物流、販売網の構築までを一体で担います。資源を「掘る」だけでも「運ぶ」だけでもなく、資源を事業として成立させるエコシステム全体を構築する——こうした機能を兼ね備えた企業群は海外でも多くなく、日本の総合商社は世界の資源・エネルギーサプライチェーンの中で独自のポジションを築いています。資源を「持つ」国ではなく、資源を「確保し、動かし、事業化する」企業群を持つ国、それが日本のもう一つの顔です。
いま、資源ビジネスの価値が改めて見直されている背景には、世界経済の前提変化があります。
この変化により、総合商社の役割は一段と重要になっています。供給網が分断され、エネルギー価格が大きく上昇し、資源の争奪戦が激しくなるほど、現地ネットワーク、資源権益、長期契約、事業投資力の価値が高まります。総合商社は、資源価格の上昇を享受するだけでなく、調達先の切り替え、権益確保、物流の再設計、販売先の開拓を組み合わせ、サプライチェーンの変化そのものを事業機会につなげる点に強みがあります。
とりわけエネルギー安全保障の観点では、海外権益などの「上流」を押さえることが日本の国家的テーマとなっています。日本企業が権益を持つ海外プロジェクトからの引取量と国内生産量が、日本の石油・天然ガスの輸入量および国内生産量に占める割合である自主開発比率は、2024年度で42.1%でした。第7次エネルギー基本計画では、この比率を2040年度に60%以上へ引き上げる目標が掲げられています。
資源国から見ても、日本企業は安定したパートナーになり得ます。日本には電力会社やガス会社を中心とする長期需要があり、資源開発後の販売先を見通しやすい点が特徴です。さらに、JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)による出資・債務保証、JBIC(国際協力銀行)、NEXI(日本貿易保険)などによる支援は、大型案件や高リスク案件への民間企業の参加を後押しします。長い時間と大きなリスクを伴う資源開発において、需要家との接点、信用力、政府系支援を組み合わせられる日本の総合商社は、資源国にとっても長期的に協業しやすいパートナーなのです。
(出所)経済産業省よりGlobal X Japan作成
鉱物資源も重要、国策でもサポート
資源の安定供給の重要性は、石油・天然ガスだけにとどまりません。IEA(国際エネルギー機関)は、銅、リチウム、コバルト、レアアースなどの重要鉱物を、経済活動を支える基盤として位置付けています。なかでも銅は、電化社会の血管とも言える存在です。送電線、変電設備、データセンター、EV(電気自動車)、再エネ設備のどれを見ても、銅なしには成立しません。AI(人工知能)の進化は、ソフトウェアの進歩にも見えますが、その背後にはデータセンター、電力網、金属資材、エネルギー供給があります。だからこそ、AI時代の投資を考えるなら、半導体だけでなく、電力と資源の上流まで視野を広げる必要があります。
重要鉱物を巡る調達リスクは、需要の増加だけでなく、政策面からも高まっています。近年、重要鉱物は単なる資源ではなく、経済安全保障そのものとして位置付けられるようになっています。レアアースやレアメタルは、EV、半導体、AI向けデータセンター、防衛装備、ロボティクスなど先端産業を支える基盤であり、特定国への供給依存は各国共通の政策課題となっています。資源を保有することだけでなく、安定的に調達し、製錬・分離精製し、必要に応じてリサイクルまで含めたサプライチェーンを構築することが、国際競争力を左右する時代になっています。
OECD(経済協力開発機構)によれば、輸出規制の対象となる重要原材料輸入の割合は、世界全体で2009-2011年の12.4%から2022-2024年には16.0%へ上昇しました。日本については同期間で低下しているものの、2022-2024年時点で18.4%と、なお世界平均を上回っています。
(出所)OECD Inventory of Export Restrictions on Critical Raw Materials 2026よりGlobal X Japan作成
この点は、政府の成長戦略とも重なります。高市政権が掲げる戦略17分野の中には、「マテリアル(重要鉱物・部素材)」と「資源・エネルギー安全保障・GX」があります。前者では、永久磁石、革新的金属部素材、原料からの製錬・分離精製などが重要分野として位置付けられています。後者では、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素を同時に追求するGXの中で、資源・エネルギー安全保障が政策課題として明確に掲げられています。
商社のビジネスモデルをバフェット氏も評価
地政学リスクが高まり、資源ナショナリズムが強まる局面において、総合商社の強みは「世界の複雑さを事業機会に変える力」です。総合商社は、世界の需給変化に応じて商流を再設計し、供給網の変化そのものを事業機会に変えてきました。
ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが日本の五大商社へ投資してきたことも、こうした事業構造への評価として捉えられます。バフェット氏は2024年の株主向け書簡で、五大商社を「バークシャー自身とやや似た形で運営されている企業」と位置付け、各社が日本国内外の幅広い事業に投資している点に言及しています。また、投資開始時には財務内容に対して株価が割安に見えたこと、その後は各社の資本配分や経営への評価が高まってきたことも述べています。
この評価は、総合商社を単なる卸売企業ではなく、事業環境の変化に応じて資本と商流を組み替える企業として見る視点につながります。資源ビジネスは、価格変動、地政学リスク、供給網の再編が重なり合う領域です。
対象指数の銘柄選定プロセス、構成銘柄
当ETFの対象指数は、国内上場株式から、総合商社や天然資源生産を行う企業を中心に、10~15銘柄を選定する指数です。対象指数の構成銘柄は2026年6月30日時点で12銘柄となっており、三菱商事や三井物産をはじめとする総合商社6社と、石油・天然ガス開発の上流を担うINPEXや銅を中心に世界各国で権益を持つ住友金属鉱山などが組み入れられています。
(出所)Mirae Asset Global IndexよりGlobal X Japan作成
連動指標のパフォーマンス
対象指数は長期的にTOPIXを上回って推移しています。また、専門商社などを含めた卸売業の企業を幅広く組み入れる「TOPIX-17 商社・卸売指数」を上回っていることからも、総合商社や天然資源生産を行う企業に絞って投資する当戦略の有効性が伺えます。
【Mirae Asset Japan Wholesale Trade & Resource Business Index (配当込み) のパフォーマンス推移】※1
【Mirae Asset Japan Wholesale Trade & Resource Business Index (配当込み) の暦年別の騰落率】※2
※1、※2各指数は配当込みの値を使用しています。Mirae Asset Japan Wholesale Trade & Resource Business Indexの算出開始日は2026年6月10日。算出開始日以前の指数に関する情報は全て指数算出会社がバックテストしたデータ。期間はバックテスト算出開始日である2019年5月31日から2026年6月30日まで。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
※1 指数値は起点を基準日に100とし、指数化してあります。
※2 2019年はバックテスト算出開始日である2019年5月31日から年末まで。2026年は6月30日まで。
【参考情報】
● 情報ベンダーコード
(ETFコード)
Quick:609A/T、Bloomberg:609A JT Equity、Refinitive:609A.T
(対象指標)
Bloomberg:MAWTRBJT Index
● 対象指標の算出要領
https://indices.miraeasset.com/pdf/Mirae-Asset-Japan-Wholesale-Trade-Resource-Business-Index.pdf
※指数のディスクレーマーについては下記をご参照ください。
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