沖縄を拠点に活動するシンガーソングライターのAIMIが、4月19日にシングル『en』を、5月7日にもシングル『Lovez』を2か月連続でリリースした。本人も「同じ人が歌っているとは思えないかも」と話すほど、対照的な2つの楽曲。
『en』が含む優しさと『Lovez』から感じ取れる激しさから読み取れる、ある意味での“二面性”で、AIMI自身のキャラクターを素直に描く。
 「優しさも激しさもあるし、裏表もある。でもこれが私なんです。音楽をしている時は自由でいたいという自分に対しての許しでもあります」。『en』リリース翌日にはシングルマザーだったことを公表したAIMI。「強くたくましく生きる女性たちに『一緒に頑張りましょう』という気持ちを伝えたいです」と、さらに自身の表現に軸足の重みを乗せていく。

AIMI(提供)

メモ:AIMI
2008年にバンド「ステレオポニー」のメンバーとしてメジャーデビュー。2012年に解散後は、バンド「ALiCE IN UNDERGROUND」での活動を経て2016年からソロ活動を本格始動。2019年に自身のレーベル「OHELLO RECORDS」を発足させてからは20作品以上を発表。リリース楽曲は各国のJ-popランキング上位にランクインし、単独のアメリカ公演も3回敢行した。
■1年半ぶりの作品 ファンへの感謝で温かな楽曲

2か月連続のシングルリリースについて語るAIMI=4月、那覇市内

 AIMIが約1年半ぶりに出したのが、連続リリース1発目の『en』だった。優しいメロディとストリングスが印象的な、包み込むような温かさを感じられる楽曲だ。
過去も現在もずっと応援してくれているファンへの感謝の思いがきっかけとなって生まれた。サビの始まりでは「今日の楽しかったこと 100年後も消えないで」と思いを歌う。
 育児で以前に比べて積極的にライブ活動ができなくなっている状況にあった。それでもずっと応援してくれる人がいてくれる。「それぞれの人生でそれぞれが乗り越えていった先にこの縁がつながっているからこそ、一緒に音楽を楽しむことができています。自分の居場所もみんなの居場所も、ずっと続いていけばいいな」
 母となり「命に対する責任や喜びについて考える時間が長くなりました」とこの先の未来を描く中で「私がいつかこの世を去っても、音楽は残り続けてほしい」という思いも曲に込めた。
 
■「自分の中にあるトゲ」、表現で発散
 『en』とはまた対照的な『Lovez』は、ファンクやソウルのようなブラックミュージックとJ-POPの要素を合わせつつ、「都会の夜」をイメージさせるような洗練されたサウンドが特徴だ。
 「もともと私は、10代の時からにらみを利かせてギターをかき鳴らして歌ってきた人間だったんですよ」いうAIMIは「自分の中にあるトゲを曲にして発散することで、少しでも生きやすくしてきた」という。それ故、激しさのある『Lovez』は、まさに自然体の自分からあふれ出てきた曲でもある。
 
 その一方で「30代半ばに差し掛かって、一人の女性としても心身に変化があるし、若い女の子に対して寄り添ってあげたいという母性も生まれています」という、紛れもない“もう一方の自分”から生まれたのも、前述の『en』だ。
 母になり「私自身が感じるものや芽生えるもの、伝えたいメッセージがどんどん変化して、歌い方も生まれてくるメロディも幅が広くなりました」と話すAIMI。「何かを守ってあげたいって思う母性もあれば、急に何かを壊したくなる衝動に駆られるような人間の部分ももちろんあります。
でも、それってきっとみんなそうなんじゃないかな」
 その姿からは「あれもこれも含めて今の自分を肯定しても良いんだ」というエールすら受け取ることができる。
 
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