インドの田舎でつつましく暮らす人々が常日頃大切にしているのは、彼らに豊穣(ほうじょう)をもたらす森林の神への敬意と感謝。映画の柱となる「ブータ」という神事の描写がすさまじい。
美しくて恐ろしくて、自然の脅威そのもの。
 インド映画といえば、エキセントリックで奇抜な瞬間が猛スピードで大量に駆け抜け、走り去る娯楽だと認識してきたが、この映画は走り去っていかず、禍々(まがまが)しく神々しい神降臨の瞬間に立ち会ったあの体験が脳裏にも身体にもべっとりこびりついている。
 南インドで実際に儀礼・祭祀(さいし)に親しんで育った監督が、地元で低予算で作ったこの映画が、インド全土で大ヒットしたという事実に、今なお、自然に感謝しながら暮らすインドの人々の生活がうかがえる。主人公・シヴァをすさまじい存在感で演じるのが監督ご本人です。(桜坂劇場・下地久美子)
◇6月5日から桜坂劇場で上映
【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】『カーンターラ 神の...の画像はこちら >>
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