米国、カナダ、メキシコによる史上初の3カ国共催で、過去最多の48チームが出場する。
選手26人中23人が欧州クラブに所属し「史上最強」といわれる日本代表の活躍に期待が高まっている。
一方で今大会は、早い段階から政治に翻弄(ほんろう)され続けてきた。
米国は、大会直前までイラン代表のビザ(査証)を発給せず、このためイラン代表は予定していたアリゾナ州のベースキャンプ地を、メキシコのティフアナに変更することを余儀なくされた。
しかもイラン代表は、大会中の米国滞在について、試合当日だけに制限される、との通告を受けた。
米国はイラン側スタッフやサポーターの入国にも制限を加えている。
開催国として各チームを公平公正に扱うという原則が守られなかったのだ。
国際サッカー連盟(FIFA)は、こうした事態に有効な手を打てないでいる。
FIFAのインファンティノ会長は昨年12月、新たに設けた「FIFA平和賞」をトランプ米大統領に授与し、「露骨なすり寄り」だと批判を浴びた。
ソマリア人主審の入国が拒否されるなど、トランプ政権が掲げる反移民政策も大会に影を落とす。
祭典の最大のリスクは、予測不能なトランプ大統領の言動そのものというほかない。
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国別対抗のサッカーW杯は、サポーターの感情を高ぶらせ、それが騒動に発展することもある。ましてや今回は、紛争当事国で行われるのである。
ここにきて米国は、イラン国内の複数の標的に2日連続となる攻撃を行った。巡航ミサイル49発を発射したという。
大会運営への影響を含め、懸念は尽きない。
イラン代表は、キャンプ地のティフアナに着いた際、「#168」とかたどったデザインの追悼バッジを着用していた。
2月末に起きたイラン南部ミナブの小学校爆撃の犠牲者を象徴する数字である。
FIFAは大会規則で試合やその前後に、政治的メッセージを掲げることを禁じている。
イラン代表がバッジを着用して試合に臨んだ場合、トランプ大統領やFIFAはどう対応するのか。
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W杯には、これまでも国際政治の影が付きまとってきた。国際紛争の現実が影を落とし、そしてしばしば、人権を脅かされてきた者の権利主張の場にもなった。
今大会は、需要に応じて価格が変わる仕組みの導入で、チケットの高額化も大きな問題となっている。商業主義に走るFIFAへの批判が続出している。
交戦状態にある国で行われる「平和の祭典」である。
懸念を吹き飛ばすような選手たちのピッチでの躍動を期待する。

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