明るいおばあちゃんエレノアは、呼吸をするように冗談を言い、周囲を笑顔にする。
 亡くなった友人に聞いたホロコーストの体験談を自分のことのように話した時だって、その場の空気に流されてつい、って感じだったし、その嘘(うそ)を信じた大学生のニナが喜んでくれるから本当のことが言えなかったし、期待に応えたいからいろいろ嘘を重ねた。

 友を失ったばかりで耐え難い孤独を抱えていたエレノアは、自分の嘘に引き寄せられる人々と楽しく過ごしたいだけだった。一人歩きした嘘の輪は大きくなり、引っ込みがつかなくなったエレノアに一世一代の大舞台が近づく。
 嘘をつくことはいけないこと。そんな世界共通で使われる定型文に、映画は疑問を投げかける。この嘘は本当にいけない嘘なの? 嘘がバレる前も後も、ずっと温かくて優しい映画です。(桜坂劇場・下地久美子)
◇27日から桜坂劇場で上映
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