いずれも疑問が多く、賛否が分かれる法案だ。「数の力」で押し切ることは認められない。

 国会は7月17日の会期末まで20日余りとなり、最終盤に入る。
 自民と維新の連立合意書に盛り込まれた「国旗損壊罪」法案や皇室典範改正、衆院定数削減法案などの審議がヤマ場を迎える。
 日本国旗を傷つける行為を法律で禁じる国旗損壊罪は、きのう参考人質疑が行われた。与党が国会提出の段階で国民と参政を取り込み、参院でも可決される見通しだ。
 しかし、表現活動を含め何が処罰対象となるのかいまだに判然としない。立法事実も不十分で緊急性も見当たらない。表現の自由や思想の侵害など国民への影響が懸念される。
 皇室典範改正については「立法府の総意」として衆参両院の正副議長が政府の示した改正案骨子を了承した。
 だが、参院野党第1党の立民など6党派が慎重・反対の立場を示しており、総意になっていない。
 共同通信の世論調査では、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案について賛否が拮抗(きっこう)しており、国民の意識とかけ離れている
 議員定数削減法案にも野党の反発は根強い。
 与野党の協議会で1年以内に結論が出なければ自動的に比例区で45削減するとの内容では、最初から議論を放り投げていると批判されても仕方ない。
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 2月の衆院選後、特に目立つのは政府・与党の強引な国会運営だ。

 衆院解散で遅れた予算審議を巡っては、高市早苗首相が日程の大幅な圧縮を指示。その結果、予算委員長が「職権」を乱発して日程を決め集中審議や分科会が見送られた。
 後半国会で浮上した中傷動画疑惑についても首相は正面からの答弁を避け続けている。
 自身の公設秘書が総裁選や衆院選で他候補を中傷する動画投稿に関わった疑惑であるにもかかわらず、ここにきて答弁の代わりに秘書の陳述書を提出するという異例の対応を申し出た。
 野党からは「国会のルールが崩されている」との批判が出ているが、当然だろう。
 とはいえ、こうした中でも「高市1強」下では、国家情報会議設置法案など政府・与党が提出した法案が可決されている。
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 巨大与党の下では参院で法案が否決されても、衆院の3分の2以上の賛成で再可決できる。首相が意欲を示す改憲発議も衆院では自民単独で可能だ。
 強硬姿勢にはそうしたことが背景にあるのだろう。
 しかし、先の衆院選で前述したような法案は主立った争点にはならなかった。自民の圧勝だったが、有権者は白紙委任したわけではない。横暴が過ぎれば国民の信頼は離れよう。

 政府・与党には野党の疑問に丁寧に答え、徹底した論戦に応じる姿勢が問われている。
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