ゴーヤーやヘチマなどウリ類を食い荒らすセグロウリミバエの被害が、本島全域に加え周辺離島まで広がっている。緊急防除の実施から1年2カ月余り。
危機意識が薄れてはいないか。
 2024年3月、名護市羽地で、外来種のセグロウリミバエがトラップ(わな)で見つかったのが始まりだ。県内では21年ぶりの確認となった。
 北部地域から次第に南下し、たちまちのうちに拡大した。
 これまでトラップでは本島と周辺離島、宮古島の35市町村で確認。そのうち幼虫が寄生した「寄生果」の確認は34市町村に上る。幼虫は作物の内部を食い荒らし、腐らせる深刻な被害をもたらす。短期間で「まん延」といった状態だ。
 対策は、農家や県民への注意喚起に始まり、植物防疫法に基づく「緊急防除」、切り札ともいえる「不妊虫放飼法」と進んでいる。
 県は「家庭菜園でウリ科植物の栽培を控えてほしい」と異例の呼びかけを行った。
 農林水産省による緊急防除は、対象植物の移動制限という厳しい措置で、25年4月、本島全域を対象に始まった。当初、年末までの予定だったが、27年3月まで延長されている。

 緊急防除下でウリ科野菜を区域外に持ち出すには植物防疫官の検査を受け、「合格証」をもらわなければならない。
 島野菜の代表格ゴーヤーは今が旬だが、農家は対策に時間を費やし、さらには被害が見つかり出荷禁止にならないか不安を抱える日々を送っている。  
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 不妊虫放飼法は昨年8月以降、本格的に実施されている。
 放射線を当て不妊化させたセグロウリミバエを大量放飼するもので、ヘリコプターなどを使って毎週2400万匹放っている。
 かつてウリミバエ根絶に成功したこの方法の有効性は県民の知るところ。
 県によると、伊江島では既に防除効果が確認されているという。
 本島から海で隔てられた小さな離島という地理的特性と、住民が不要な果実の除去に積極的に取り組んだことが奏功したようだ。
 セグロウリミバエは防除対策が手薄な家庭菜園で多く見つかり、中でも畑に放置された野菜に多い。だからこそ県民一人一人の行動が鍵となる。
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 今のところ対策の効果は限定的で、収束の見通しは立っていない。規模の大きい本島での封じ込めには時間がかかるとみられる。
 そして懸念されているのが、警戒感の緩みだ。
防虫ネットなどの対策が難しいのであれば、家庭菜園は諦めるといった判断が必要である。
 県には沖縄の農業を守るという思いで、対策が確実に実践されるよう一段強いメッセージの発信を求めたい。
 セグロウリミバエの被害は県境を越えて奄美地域にも広がっている。沖縄だけの問題ではない。国も取り組みを強めるべきだ。
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