熊本県を再び最大震度7の地震が襲った。10年前の熊本地震から立ち上がり復興の取り組みが進んでいたところであり、地元の衝撃と痛みは計り知れない。
いま何よりも急がなくてはならないのは人命救助だ。
 つぶれた建物。横転した列車。崩れた橋や道路。一夜明け、被害の状況がよりはっきりしてきた。
 目を疑ったのは、イオンモール熊本の爆発だ。2階の外壁が約100メートルにわたって吹き飛び、鉄骨がむき出しになっている。消防庁が公開した映像によると、内部もがれきが散乱し、天井があちこちで崩れるなど損傷が激しい。
 爆発が起きたのは、地震発生の1時間余り後。捜索時にガス臭がしたといい、配管から漏れて引火した可能性が指摘されている。地震発生時には来店者と従業員で計四千数百人が館内にいたとされ、屋外避難していなければさらに多くの犠牲者が出るところだった。
 八代市の日本製紙工場では複数の煙突が折れ、一部の建物を押しつぶした。
まだ取り残されて安否不明の従業員がおり、消防や警察による懸命な救出活動が続いている。
 地震に関係する死者は、29日午後10時現在で14人。重軽傷者を含め、人的被害はさらに拡大する恐れがある。
 建物などの下敷きになっている被災者の生存率が急速に下がる「72時間の壁」は、金曜日の午後4時ごろだ。二次被害の防止に努めながら、一人でも多くの命が助かることを願いたい。
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 2016年の熊本地震では、犠牲者の約8割が避難生活のストレスなどによる災害関連死だった。大地震を生き延びた命をどう守るかが問われる。
 災害時には各地に避難所が設置されるが、プライバシー確保や余震への恐怖などから車中泊を選ぶ人も多い。しかし狭い車内では体を動かしにくく、トイレを我慢するため水分も取りづらい。エコノミークラス症候群など健康リスクが懸念される。
 前回との違いは、真夏の避難となることだ。熊本では向こう1週間、猛暑が予想されている。
大規模な停電や断水も続いており、熱中症対策が欠かせない。
 被災規模が大きいほど、現地の自治体には過剰な負荷がかかり、行政機能は低下する。要請を待たずに、政府や他の自治体が物資や要員を送るプッシュ型支援も必要だ。
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 気象庁は今回の地震について、陸域の浅い場所で活断層が水平方向に動く「横ずれ型」と分析している。10年前の地震との関連ははっきりしていないが、同じタイプだ。
 前回は「前震」の2日後に「本震」が起き、いずれも震度7を記録した。
 今回も余震が続いている。28日夕から29日午後2時までに観測された震度1以上の揺れは195回に上る。
 気象庁によると、1週間程度は大きな地震に注意が必要だ。津波のリスクもあり、気を緩めず安全確保に万全を期したい。
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