学校の夏休みも折り返しを迎えた。経済的に厳しい家庭の子どもたちは、健康に安心して過ごせているだろうか。

 給食がないこの時期に心配なのは、十分な食事を取れずにおなかをすかせている子どもたちがいることだ。特にここ数年は物価高騰が著しく、食費を切り詰めてしのいでいる家庭も少なくない。
 認定NPO法人キッズドアが6月に支援先の家庭を調査したところ、経済的理由で子どもが健康に必要な量の食事を取れない日が「ある」と答えた世帯は、「ときどき」と「ほぼ毎日」を合わせて8割近くを占めた。
 さらに同団体の昨年の調査では、暑くても経済的理由でエアコンの使用を控えた世帯は65%に上った。近年の夏は記録的な高温が続き、熱中症になる人も増えている。無理に我慢すれば命に関わりかねない。
 県が継続的に実施している沖縄こども調査によると、小中学生や高校生がいる世帯のうち、困窮層は2割強だ。減少しつつあるものの、世帯収入の増加が物価高騰に追いつかず、生活が楽になった実感は持てていない。
 2016年度に第1期の県子どもの貧困対策計画が始まってから今年で10年。成果も見られるが、体験格差なども含めて長期休み中の支援は道半ばだ。
 「親子で体重が激減した。夏休みは地獄」「光熱費が怖くてエアコンがつけられない」。
そんな悲鳴を見過ごすことはできない。
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 こども家庭庁や文部科学省は、涼しく過ごせる居場所の確保と食支援を一体的に実施するよう全国の自治体に促している。冷房がある学校や児童館を活用し、併せてフードバンクなど民間団体と連携することで、子どもの孤立や健康被害を防ぐのが狙いだ。
 県内でも民間団体が子ども食堂や児童館で昼食を無償提供したり、通常は一時閉館する昼休みの時間帯も児童館を開放したりする動きが見られる。
 涼しい居場所の確保と食の提供は民間の支援団体も重視しており、政府の方針そのものは評価できる。
 課題は実効性だろう。例えば政府はこうした取り組みの支援拠点として学校の開放も要請しているが、多忙な教職員が夏休み中まで子どもたちの世話や施設の管理を担うのは無理がある。予算確保や民間委託などを含め、より具体的な制度設計が求められる。
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 9月13日投開票の県知事選まであと1カ月となった。子どもの貧困対策は重要な争点だ。
 子育て支援予算の倍増。教育費の完全無償化。
現行制度では漏れてしまう人を支援する基金の創設。立候補予定者は、教育や子育てに関する政策を次々に発表している。
 とはいえ、口約束に終わっては意味がない。財源の見通しはあるのか。どのような手順で進めるのか。現場のニーズと食い違いはないか。立候補予定者は、実現までの道筋を責任を持って語らなければならない。
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