西川美和監督のオリジナル最新作『わたしの知らない子どもたち』(10月16日公開)の新予告と場面写真が解禁された。あわせて、小八重葵美(こやえ・あみ)とダブル主演を務める二階堂ふみと、共演の岡田准一のコメントも公表された。

 本作は、『すばらしき世界』『永い言い訳』などの西川監督が原案・脚本・監督を務め、終戦直後の日本を生き抜いた戦争孤児たちを描く物語。「第50回トロント国際映画祭」のコンペティション部門にあたるプラットフォーム部門への正式出品と、日本映画として初となる同部門でのオープニング上映が決定している。

 物語の舞台は1945年。音楽家の父のもとでごく普通に暮らしていた12歳の少女・茅野琴子(小八重)は、戦争によって家と家族を失い、たった一人で生きることになる。過酷な戦後を生き抜くため、少女であることを隠して“少年”として暮らし始めた琴子は、同じ境遇の子どもたちと闇市に居場所を見つける。

 一方、琴子の担任教師だった曽根文美子(二階堂)も、敗戦によって婚約者を失い、教師としての立場も生きる意味も見失っていた。やがて、琴子の父の友人から「琴子を探している」と知らされ、捜索を決意。琴子を追う中で、自らの人生も取り戻していく。

 琴子の周囲には、闇市で暮らす子どもたちを受け入れる新興ヤクザの組長・菊沢(岡田)、子どもたちの理解者になろうとする新聞記者・諸積(坂東龍汰)、一時的に子どもたちの面倒を見る漁師夫婦・山井甚平とけい(役所広司、田中裕子)、散り散りになった子どもたちを迎える孤児院の館長・鷹間(吉田羊)らが現れる。

 さらに、菊沢との抗争に関わる在日コリアンのヤクザ、朴勝久(パク・スング)役で、韓国俳優のキム・ドンウォンが出演することも発表された。

 新予告では、『ゴジラ-1.0』で米アカデミー賞視覚効果賞を受賞した白組のVFXチームが再現した戦後の日本を舞台に、子どもたちと彼らを支える大人たちの姿が描かれる。「少年」と偽って生きる琴子が「私は自分がどこの誰だか分からなくなりました」と悲痛な声を上げる場面も収められている。

 広島県出身の西川監督は、幼い頃から身近にあった「戦争」というテーマから、キャリア初期には逃れたい気持ちがあったという。しかし、『すばらしき世界』の制作過程で、戦後に実在した12万人を超える“名もなき子どもたち”の存在を知り、本作の企画が始動。「戦争とは何だったのかを描き直すことは、作り手が果たすべき役割ではないか」と語っている。

 二階堂は「いまこの社会を作っている大人の方たちも、この作品を見るべきだと思います」と呼びかけ、「戦争というものは本当に起こしてはいけないということを、まっすぐにこの作品とともに言えるようになってほしい」とコメントした。

 岡田は脚本について、「映画として面白いことの一歩先に社会性が含まれていて、何かを問いかけるものを感じる緻密な台本」と評価。「いい映画だと感じるだろうし、願いも込められるし、希望も込められるし、矛盾を感じたり、悲しさも感じたり、いろんな感情が問いかけてくる、それが西川監督のマジックだなと思いました」と語る。

 さらに、「『火垂るの墓』の後継作はこの作品。今観るべき作品」と太鼓判を押し、戦争について考えるきっかけとなる作品であることを強調している。

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