同局は8月5日、職員が出演者から性被害を受けたことを公表し、その後に設置された調査検討委員会で職員への人事的な対応が不十分だったと指摘されたことを発表した。井上樹彦会長は「今後、別の形で新たに公表用の報告書を公表することなどは想定していないのか」と問われたのに対し「公表できる内容については明らかにしていると認識しています。必要に応じて、これからも丁寧に説明を重ねていきたいと考えています」と伝えた。
以下、主な質疑応答。
――8月5日に公表した番組出演者による職員への性加害問題と不適切な対応について。 会長は会見には出席しなかったうえ、発表するのが遅かったという批判の声もある。また、 9月9日には、相手の同意なく性的な身体接触をしたとして20代の記者を懲戒免職にしたと発表したが、 NHKへの信頼を著しく低下させ懲戒処分という最も重い処分にもかかわらず、記者会見を開かなかったのはなぜか。会長自身で説明を。
(井上会長)
会見については、番組に関わることでもあり、メディア総局長である山名副会長が適切であると考え、対応をさせました。公表までに時間を要したのはいくつかの理由があります。一番は、公表することによって被害者をさらに傷つけることがあってはならず、どこまでどういう方法で公表するのか、被害者の意向を十分に確認しながら慎重に対応を進めてまいりました。このことに時間を要したということです。
9月9日発表の懲戒処分については、懲戒処分の公表基準に基づいて、事案の内容や処分の内容も踏まえて、その都度、公表のあり方については判断しています。この会見も含めて、ご質問、お問い合わせには真摯に対応してまいります。
――性被害の件について、会長が最初に認識をしたのはいつだったのか。フジテレビの問題の以前か以後かで組織としての対応によっては問題の質が変わると思うが、発表内容の時系列が不透明でわからない。今回の公表の内容があまりにも不透明ではないかという指摘についての見解を聞きたい。
(井上会長)
去年の4月に労働組合を通じて申し入れがあり、このとき初めて事案について把握しました。その後、この事案の全体像の把握を急ぎました。なぜこのような事態となったのか、NHKから独立した立場で客観的に調査を進めるよう、当時の稲葉会長と私は副会長でしたが、協議の上、指示しました。
――今後、 別の形で新たに公表用の報告書を公表することなどは想定していないのか。
(井上会長)
公表できる内容については明らかにしていると認識しています。必要に応じて、これからも丁寧に説明を重ねていきたいと考えています。
――例えば人事局の対応がいつだったかは、 検討の上で公表することもありうる か。
(井上会長)
事案発生後のさまざまな組織の動きなどの対応については、公表できる範囲で公 表しています。 今回さまざまな問題点などが抽出され、 これからの組織の教訓として 対応していきたいと考えています。
――8月発表の性被害の件で、 加害者とされる人物はNHKの番組には出ていないということだが、他局の番組に出ている可能性はあるのか。
(山名副会長)
他局への出演については把握しておらず コメントする立場にありません。
――加害者とされる人物が他局に出ていると民放などのコンプライアンスに触れるような事態になると思う。あまりにこのように情報を隠すと、ほかのテレビ局にも影響を与えると思うが、どう考えるか。
(山名副会長)
加害者を公表できないのは、やはり被害者の方の保護という観点からです。その大前提でこうした形で公表できる範囲でさせていただいているということです。出演者側を公表することは被害者が特定される可能性があります。当然、出演者側の方には被害者保護や被害者の心理的安全性確保の観点から、被害者との接触を避けるというようなことを強く申し入れています。申し入れについては、真摯に対応するということです。そういう意味では、こういうことが無いようにということは申し入れています。
――8月発表の性被害の件で、加害者の責任追及が不十分であると感じている。現時点で加害者に対して民事や刑事など訴えを検討しているか
(井上会長)
被害者保護の観点から個人の特定につながる情報は出せませんが、調査委員会もわれわれも当事者を把握しているし、当事者側も当然把握しています。すでに公表しているとおり、「酒に酔っていて覚えていない」というように話していますが、NHKの強い抗議によって、事案そのものについては当事者側も認識しています。
――記者の懲戒免職の件で、3月に不同意性交等の疑いで逮捕され不起訴になった職員が諭旨免職となっていて、それと比較すると、今回の懲戒免職というのは重いのではないかという声もある。判断の基準に変化があったのか、それとも3月の事案と比べて本当に重い案件だったのか。
(東理事)
懲戒処分につきましては、認定された事実に基づいて、そのたびに外部の弁護士の見解や過去の処分事例なども踏まえて判断しています。事実認定が大事になってくるので、一律にお話しすることは難しいです。ご理解いただければと思います。
――NHKはことし4月に人権方針を策定して取り組みを強めていたが、それによって変化があったということではないのか。
(小形理事)
そういうことではなく、あくまでも認定された事実、調べて分かって認定された事実に基づいて、外部の弁護士の見解も聞きながら、過去の事例も参考にしながら決めています。
――懲戒免職の事案について時期や所属、性別などを含めて、内容がかなり伏せられていたという印象を抱いている。
(井上会長)
被害者保護を最優先に対応しており、個人の特定につながらないように、被害者の意向を踏まえて、公表内容などについて、コミュニケーションを取りながら進めてまいりました。その中で、今回の公表内容となっています。
(小形理事)
いつどこで誰が、と具体的に検討した上で被害者の特定につながらない範囲で、公表をさせていただいております。入念な検討を進めたうえでの対応だということをご理解ください。

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