※本稿は、茶圓将裕『AI脳 自由な時間が無限に生まれる思考革命』(KADOKAWA)を再編集したものです。
■AIを使いこなして年収10倍の転職も
AIを使いこなせる人材は生産性を飛躍的に高め、職場での評価が急上昇するケースも増えています。実際に、AIツールを活用できる人材の生産性は、そうでない人と比べて2?3倍、場合によっては10倍近くにまで跳ね上がることがあります。
実際にAI関連スキルを持つ労働者は、平均して賃金が約21%高いという研究結果もあります。
世界的に見ても同様で、Lightcast社の分析によれば、AIに関するスキルを要件に含む求人は平均で28%高い給与(年間約1万8,000ドル増)を提示しているのです。
この傾向は年々強まっており、AI関連の求人件数は昨年1年で倍増したとの報告があるほどです。もはやAIを使いこなせるかどうかが、転職市場での「評価額」を大きく左右していると言っても過言ではないでしょう。
実際に採用現場の目も確実に変わり始めており、ある大手人材会社の役員は次のように述べています。
「もはやAIスキルは、英語やExcelと同じレベルの基礎スキルになりつつあります。5年後には『AIが使えない』ことは『パソコンが使えない』と同じ意味を持つでしょう」
「AIが使えるかどうか」が昇進や採用選考の合否を分けるケースも増えてきました。MicrosoftとLinkedInの共同調査によれば、経営者の66%が「AIスキルのない人は採用しない」と答え、71%が「業界経験よりAI知識のある人を優先して採用したい」と回答しているデータもあります。
■転職市場で極めて高く評価されるためのAI活用
さらに、AIスキルと一口に言っても、どのレベルでAIを使いこなせるかによって、年収の増加率にも幅が出ています。
・ChatGPTの活用経験がある:提示年収が平均+12%
・プロンプトエンジニアリングを習得:同+18%
・AIツールの導入・運用経験:同+25%
・AI×専門スキルの掛け合わせ:同+35%
とくに最後の「AI×専門スキル」の組み合わせは、年収面で非常に高い増加率を記録しています。たとえば「営業×AI」「経理×AI」「マーケティング×AI」といった具合に、既存の専門分野にAI活用スキルを掛け合わせた人材は、転職市場で極めて高く評価されています。
自分の強みとAIを組み合わせることで、まさに“掛け算”で市場価値を高められるというわけです。
本稿では、みなさんがこうした人材になれるように、他の記事には書かれていない基礎知識を徹底的にお伝えしていきます。
■アメリカのAI人材は年収3000万円超も
AIスキルを持つ人材(以下、AI人材)へのニーズは世界共通ですが、とくにアメリカではAI人材の年収が桁違いです。たとえばAIエンジニアの場合、ジュニアレベルでも年収10万ドル台、シニアともなれば20万ドル以上に達すると報じられています。
日本の水準はそこまで高額ではないものの、国内平均と比べれば明らかに高水準です。ある調査によれば、日本におけるAIエンジニアの平均年収は543.6万円と、全国平均の約477.5万円(国税庁「令和6年分/民間給与実態統計調査」)を大きく上回り、経験豊富な人材や生成AI・ディープラーニング分野の専門人材では1,000万円超の提示も一般化しつつあります(図表1参照)。
ここ数年は日本企業においても生成AI導入の意向が高まり、総務省の調査によると、生成AIを活用する方針を定めている企業の割合は日本で約50%に達しています。
また、個人の生成AIサービス利用経験も2024年度は26.7%(2023年度は9.1%)まで増加しています(『令和7年版情報通信白書』)。
しかしその一方で、現場で話を聞いていると、「AIを使ってはいるものの、“使いこなせる人”がまだ十分に育っていない」と感じるケースが少なくありません。
その結果、生成AIを業務で活用できる人材の需要が高まり、スキルを持つ人の価値や待遇も上がりやすくなっています。
■求められる人材になる4ステップ
AIが急速に進化する今、何もしなければ「AIに置き換えられる側」に回る可能性は高まります。
しかしAIを前提に、その先で価値を生み出す視点を持っている人は別です。意識と行動を変えれば、今からでも「AIを活用し、AIにはできない価値を生み出す人材」になることは十分可能なのです。
では、何から始めればいいのでしょうか。そのための具体的な4ステップを提示します。
Step1:AIの仕組みを理解する
AIを武器にするには、歴史や仕組みをざっくりとでも理解して土台を作ることが重要です。
自動車を運転するうえでエンジンを分解できる必要はありませんが、「ガソリン車か電気自動車か」くらいは理解しておいたほうが安心ですよね。それと同じです。AIも、仕組みをざっくりとでも理解している人は応用の幅が広がります。
Step2:AIで実践できる
基礎ができたら、次は実践です。ChatGPT、Claude、Geminiなどの代表的なツールを、目的に合わせて使い分けましょう。
ポイントは「日常業務に組み込む」ことです。
たとえば企画書のたたき台作り、営業メールの下書き、議事録の要約といった小さな業務から取り入れていくと、自然に身につきます。
ここで大切なのは、「AIに聞くことを前提に考える習慣」を持つことです。調べ物、書き物、まとめ物はまず、AIに相談する。それだけで仕事のスピードは格段に変わります。
Step3:自動化する
仕事でAIツールを使う習慣ができたら、次は「つなぐ」段階です。
チャットボット(人工知能を活用した自動会話プログラム)で定型業務を回す。ワークフローを自動化する。複数のツールを連携させる。ボタン一つで欲しいものが出てくる仕組みを作り上げるのです。
Step4:AIと共創する
最後のステップは、「Beyond AI」の領域です。
Beyond AIとは、AIを超える――つまり、AIを仲間にして、その先に進むこと。
AIに淘汰されるか、AIを活用して自己実現するか。
その分かれ道は、まさにこの4ステップにあります。
重要なのは、「とりあえず試してみる」「AIを前提に考える」という姿勢です。本書でも詳しくお伝えしていますが、AIが進化すればするほど、人間の感情・感性・価値観がより重要になるのです。
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茶圓 将裕(ちゃえん・まさひろ)
デジライズ代表
1996年生まれ。企業向けにAI研修・開発を 提供し、GMOを含む大企業の顧問を多数務める。Xフォロワーは約20万人。著書に『AI革命 自由な時間が無限に生まれる思考革命』
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(デジライズ代表 茶圓 将裕)

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