※本稿は、伊勢呂哲也(著)、関口絢子(栄養監修)『食べてはいけないもの×いいもの』(Gakken)の一部を再編集したものです。
■血圧対策は「減塩」だけではない
血圧は健康診断以外でも測る機会があったり、自宅でも簡単に測ったりできるため、身近な数値といえるでしょう。腎臓と同様に、もっとも避けたいものは塩分(ナトリウム)過多です。ナトリウム過多は高血圧に直結するもので、一般的にも「高血圧=塩分を控える」という意識は浸透していると思います。
体内の塩分が多くなると、体の中の水分が血液に集まります。それは体の中を一定の状態に保とうとする自己ガードの働きであり、必要なことです。つまり、私たちの体ががんばって働いてくれたことの結果が高血圧につながってしまうということです。それは体への負担を重ねることにもなります。
血管が狭くなることや、血液がドロドロになることも高血圧につながるため、脂肪分の多い食べものも避けたいものです。高血圧と悪玉コレステロール(LDL)が結びつくと、心臓や血管などの循環器系の病気のリスクが非常に高まります。両方の数値が気になる人は、生活習慣の改善に真剣に取り組みましょう。
■コレステロールが多い「卵」は要注意
【レバー・卵|コレステロールの多い食品は控えて】
LDLコレステロールが増えると、それが血管に貼りついて血管の壁が薄くなったり、血管が狭まったりします。すると血流が悪くなり血圧が上がることにつながります。
【加工肉塩分と食品添加物が血圧にもよくない】
加工肉を食べても、それほど塩分が入っているようには感じないかもしれません。しかし、加工肉のおいしさや、味わいを出すには相当な塩分や食品添加物が加えられています。毎朝の食卓に並べるのは食べすぎかもしれません。
【カップ麺|1杯でほぼ1日分の塩分量!】
ラーメンも同じですが、カップ麺やインスタントラーメンには多くの塩分が含まれています。一般的なカップ麺1食の中には、平均して5g以上の塩分が入っているといわれます。
しかし、1日にとっていい塩分量の目安は、男性で7.5g、女性で6gです。目安量を守ること自体難しいですし、守らないとすぐに病気になるということではありませんが、血圧が気になるなら減塩を意識するべきです。カップ麺の成分表示を見て塩分を気にすることも大切ですが、塩分が多いとわかっているものは、食べる頻度を減らす、スープは飲み干さないなどの工夫を。
■お酒は適量であればリラックス効果がある
【冷凍加工食品|無意識に塩分や油脂をとってしまう】
解凍・加熱するだけでおいしく食べられる冷凍食品は、手軽に食生活に潤いを与えてくれる便利なものかもしれません。けれど、おいしいと感じる味わいをつくるのは塩気や油脂、食品添加物。
【アルコール|適量であれば血圧が下がることも】
お酒の飲みすぎは、健康全般によくありません。血圧にも悪影響です。とはいえ、適量のアルコールは血圧を下げる傾向があるというデータも報告されています。これはお酒を飲んでリラックスすることで緊張がとけて、血管が広がったり、血流がよくなったりするからではないかと考えられています。ただし、飲みすぎれば血管を狭め、心拍数を増加させて血圧を上げる原因となるので注意しましょう。
■海藻類は血圧を整える代表格
食生活は血圧に大きな影響を与えます。自分にとってよい食習慣を見つけ、持続させることが血圧改善につながります。気になる方はこれらを食べましょう。
【海藻類|豊富なミネラルが血圧を整えてくれる】
ワカメやコンブ、ヒジキ、ノリなどの海藻類にはカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。カリウムには余分なナトリウム(塩分)を体の外に排出する働きと、血管を拡張して血流を助ける作用があるので、2つの面で血圧を整えてくれるのです。
カリウムは水に溶けやすいので、そのまま食べたり、出だ汁しやスープごと食べられる料理がおすすめです。マグネシウムは血管をしなやかにしたり、インスリンの働きをよくしたりします。どちらも高血圧の予防や改善に役立ちます。カルシウムは不足すると血圧の上昇に関連することがわかっており、食事から適量を摂取すると血圧コントロールをサポートするという報告があります。
これらの成分をまとめて含む海藻類は、血圧を整える食べものの代表格といえます。食物繊維が多く、ビタミンKなどの希少ビタミンも含み、さらに低カロリーと健康にいいことづくめです。ただし、注意すべき点もあります。腎機能に問題や不安がある人はカリウムの摂取を抑える必要があります。病気でない場合は、普段の食事でとる程度なら問題ありませんが、心配であれば医師に相談しましょう。
■積極的に取りたい「緑色の野菜」
【コマツナ・ホウレンソウ|カルシウムたっぷり!】
野菜や果物の多くは血圧コントロールに役立つ食べものです。そのなかでもカルシウムたっぷりのコマツナや、カルシウムやカリウムの多いホウレンソウは高血圧が気になるときに積極的にとりたい野菜です。ケールやモロヘイヤ、春菊なども血圧の調整をサポートしてくれるカルシウムの多い野菜です。
【小魚|カルシウムを補給】
骨ごと食べるシラスなどの小魚や桜エビも、カルシウムが豊富な食べものです。ただし、塩分が多いものがあるので、塩味が強ければ少なめにしましょう。
【キノコ類|血圧調整にもひと役買う食材】
食物繊維が豊富で食後血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロールの吸収も抑え、低カロリーなキノコ類。全方向から生活習慣病に有効な食べものです。もちろん血圧コントロールもサポートしてくれます。
多くのキノコに含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を助け、ビタミンB群が血圧のコントロールに役立ちます。特にブナシメジは、ビタミンD、ビタミンB群を豊富に含み、キノコ類のなかではカリウムも多めです。シイタケには血液をサラサラにするエリタデニンが含まれています。
■牛乳を豆乳に変えることで得られる効果
【豆腐|マグネシウムが血管を広げてくれる】
カリウムやマグネシウム、カルシウムが豊富な大豆製品は、高血圧の予防や改善の頼もしい味方です。特に木綿豆腐や納豆はマグネシウムが多く、血管を広げて血流をよくすることで血圧降下につながります。大豆に含まれるタンパク質、大豆ペプチドも血圧上昇に関連するホルモンに働きかけ、高血圧を防ぎます。
【豆乳|大豆は飲みものでもおすすめ】
牛乳や乳製品はカルシウムが豊富なこと、良質のタンパク質が血管の壁を守ることから血圧コントロールにはいい面がありますが、脂肪分の多さがネックです。
できれば無調整が理想ですが、調整豆乳でもメリットがあります。なお、牛乳は、健康な人であれば1日600mL程度の摂取までは許容範囲といわれています。
■トマトジュースは「100%」を選ぶ
【トマトジュース|アミノ酸が血圧コントロールに役立つ】
トマトに含まれるアミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)には、血圧を下げる効果があると報告されています。高血圧の遠因となるストレスを軽減したり、認知機能を高める効果もある健康成分です。リコピンが善玉コレステロールの働きをサポートすることも、血圧の安定につながります。
できれば塩分や糖分の入っていない、トマト100%のものを選びましょう。塩分・糖分添加のトマトジュースを飲み慣れた人は、最初は味気なく感じるかもしれません。けれど、飲み続けていると意外と慣れるという声が多いです。レモンをしぼったり、リンゴ酢を入れたりすると飲みやすくなるうえに、ビタミンCやクエン酸などの健康成分も摂取できます。
【リンゴ酢|血管を広げてくれる】
酢の成分である酢酸には、血管を広げて血圧を下げる作用があります。さらに、リンゴポリフェノールの抗酸化成分もアンチエイジングや健康の底上げをサポートしてくれます。成分表示をチェックして、甘味が添加されていないもの、食品添加物の少ないものを選びましょう。
糖分無添加でもほんのり甘味やリンゴの香りを感じて飲みやすく、無糖の炭酸水で割って飲むのもおすすめです。
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伊勢呂 哲也(いせろ・てつや)
泌尿器科専門医
大宮エヴァグリーンクリニック/東京泌尿器科クリニック上野/池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長。日本泌尿器科学会認定専門医。名古屋大学医学部医学科卒業。個人として年間3万人の患者を診察するかたわら、2022年より泌尿器科・消化器科の専門YouTubeチャンネルを運営。
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関口 絢子(せきぐち・あやこ)
料理研究家・管理栄養士
米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー、日本抗加齢医学会認定抗加齢指導士。テレビや雑誌などのメディアを中心に、インナービューティースペシャリストとして、健康・美容・ダイエットに関するレシピや栄養情報を提供。YouTubeチャンネル「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」は登録者数68万人を超える人気チャンネル。
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(泌尿器科専門医 伊勢呂 哲也、料理研究家・管理栄養士 関口 絢子)

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