日本人は海外からどう見られているのか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「礼儀正しい、真面目というイメージが強い。
だからこそ絶対壊れちゃいけないものや、体につけるもの、食べるものなどに関して、日本製が信用されている」という――。
※本稿は、谷本真由美『13歳から知っておきたい 世界の常識・非常識』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
■日本人は寡黙=恥ずかしがり屋
基本的に、海外では多くの人が「日本人はとても恥ずかしがり屋」だと思っています。
なぜかというと、日本人はあまり話さないからです。逆に、海外の人はすごく積極的に話すということでもあります。日本人の感覚に近い人は、フィンランドの人かもしれません。私はフィンランドの人に会って、日本人に似てると思いました。すごく静かなんです。
日本人はあまりに静かだから、「一体何を考えているのか、よくわからない」と話す人もいます。でも、仲良くなってしばらく付き合うと、日本人もいろいろ考えているし、こういう時は嬉しいんだな、こういう時は怒ってるんだなとわかるようになります。ただ、それには時間がかかるみたいです。
■「ルールを守らない外国人」の本音
それから、「日本人はすごく礼儀正しい」と思っている人が多いです。

実際、日本人は海外の人に比べてすごく礼儀正しいんです。常に周りの人のことを気にしているから、ゴミを投げたりしないし、ルールにすごく従います。でも、海外では周りのことは気にせず、まず自分のことを考えている人が多いんです。日本人の感覚からすると、「ちょっとジコチューだなぁ」って感じの人が多いんですよ。
「ルールは破るのが当たり前だ」って考えている人も多いです。面白いでしょう。でも、他の国はルールを守っていたら、ルールを決めた人にだまされちゃったりすることがあるから仕方ないんです。ルールが公正じゃないから「まずルールは疑う」のが当たり前、と考える国も多いんです。
■意外性があるアメリカ人とイギリス人
もちろん、ルールをきっちり守る国の人もいます。たとえば、ドイツ人は日本人にちょっと近いところがあります。ドイツとオランダの人は、日本人よりも厳しくルールを守るところすらあります。
それからアメリカ人も意外とルールは守るし、すごく礼儀正しいんです。
アメリカ人って、一見フレンドリー、そしてルーズに見えるでしょう。でも、そうじゃないんです。結構、真面目な人が多いです。
逆にイギリス人は、なんとなく真面目な感じがあるけれど、意外といい加減な人が多い。でも、日本人に似てるところもあります。それは、はっきりと意見を言わないところ。わりと周りのことを気にしているんです。それから物事に白黒をつけないで灰色にしておくことも多いですね。それも、周りを気にしているから。これは気遣いとも言えるので、いい人も多いです。
■日本人と「ホビット族」の共通点
海外での日本人の印象という点では、「すごく素直」と思っている人も少なくありません。実際、日本人ってすごく素直。
言われたことをそのまま受け取る人が多い、とも言えます。策略を巡らせたり、人をだますようなことは苦手です。
アメリカやイギリスの人は、日本人は『ロード・オブ・ザ・リング』という小説や映画に出てくる「ホビット族」に似てると言うんです。「ホビット族」はみんなとってもちっちゃな小人だけれど、すごく明るくて素直で一生懸命に努力する人たちなんです。日本人に似てるでしょ。
そして、ホビット族はすごくシンプルなんです。ちょっと快適で、おいしいご飯があって、良い友達がいればそれで満足しちゃう。たくさんお金を儲けたいとか、誰かをだましてでも上に行きたいという性格じゃない。日本人もそういう感じの良い人たちだと思っている海外の人たちは多いですよ。
■日本人の「当たり前」が海外では違う
そしてもうひとつ。「日本人はとにかく真面目だ」ということは、すごくよく知られています。例えば、日本の会社のものを買っても、偽物だったりだまされたってことは、すごく少ないんです。

日本の会社の人に「これをやってください」とお願いすると、ちゃんと約束したことをやってくれます。日本だとそれは当たり前だけど、他の国では当たり前じゃないんです。自分の都合とかスケジュールに合わせて締め切りをどんどん変えちゃったり、「やります!」って言ったのに忘れちゃうことが多いんです。
そういう人が多いから、他の国でお仕事を頼んだり、一緒にお仕事をする際には、まず契約書を作って、「いつまでにやります」とか「やらなかった場合の罰金はいくら」など、たくさん決まり事を書かなくちゃいけないんです。面倒くさいでしょう。
■「日本製」がすごく信頼されている理由
私は外国の人がちゃんとお仕事をやったかどうか、ずっとチェックする仕事をやってきたんです。そういう仕事は日本の人とお仕事をする場合は必要ないんですけれど、外国の人はちゃんとやらない人もいるから監視してなくちゃいけないんです。本当はやりたくないけど、仕方ないですよね。
だから、日本の人が外国の人とお仕事をすると、最初はうまくいかないことが多いんです。なぜなら、日本の感覚でお願いしちゃったりするからなんですよね。
つまり、外国の人はあんまり約束を守ってくれないから、日本人のようにきちんと約束を守ってくれる人は、今の世界ではすごく価値があるってことなんです。「真面目すぎて面白くない」って言われるかもしれないけれど、それは誇りに思っていいんです。

日本人は真面目ということで、日本の製品もすごく信用できると思われています。昔ほどではないと言われることもあるけれど、それでもまだ「日本製」のブランドはとっても信用されています。特に、絶対壊れちゃいけないものとか、体につけるもの、食べるものなどに関しては、日本の信用はすごく高いんです。
■砂漠地帯やアンデス山脈で日本車が大活躍
例えば、ジャングルや砂漠で走らせる車やエンジン、発電機、原子力発電所、鉄道、計測するための機械、半導体に使う素材、ロケットに使う部品……そうしたものは、日本製の信用がすごく高いんです。
特に、世界には車が止まっちゃうと移動できなくて死んでしまうなんて場所もたくさんありますから(日本ではあまりないけれど)、そういう国や場所では日本車を使うんです。中東の砂漠地帯とか、南米のアンデス山脈とかです。
今、戦争をしているウクライナでも、実は日本の車が使われています。なぜなら、車が止まったら戦闘を継続できないからです。
食べるものも、日本のものがとっても人気です。変な化学物質が使われていたり、体に悪いもので汚染されていないからです。逆に言えば、そういう危険性がある国もあるということです。
最近では、日本から輸入したお米を買う人もいるし、日本製のお醤油やお味噌、抹茶とかもすごく人気なんです。
新型コロナウイルスが蔓延したとき、世界に比べて日本では亡くなった人の数がすごく少なくて、「日本のものを食べていれば体が健康になって病気にならない」と考える人が増えたこともあります。
■「おにぎり」「お弁当」も広まっている
実際、日本食は脂肪分が少ないし、食物繊維がすごく豊富で、お豆腐やお味噌からタンパク質も取れるから、とっても体にいいんです。発酵食品も使っているから、お腹にもとってもいいんですね。
だから、海外では今、日本のレストランが大人気です。以前から人気があったのですが、さらに人気になっています。今では、アメリカやヨーロッパで子供が学校のお弁当におにぎりを持っていくほどです。日本食のお弁当を作る人もいます。そのために、日本からお弁当箱を輸入しているんですよ。水筒だって日本のものを輸入している人がいます。高いけれど、とても人気があります。
日本のテレビや雑誌、新聞にはあまり出てこないけれど、こういう風に世界では日本のものがとっても信頼されて、人気があるんです。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

著述家、元国連職員

1975年、神奈川県生まれ。シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博する。趣味はハードロック/ヘビーメタル鑑賞、漫画、料理。著書に『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)、『日本人の働き方の9割がヤバい件について』(PHP研究所)、『世界のニュースを日本人は何も知らない』(ワニブックスPLUS新書)、『激安ニッポン』(マガジンハウス新書)など多数。

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(著述家、元国連職員 谷本 真由美)
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