冒頭、JSAの岩崎高治会長(ライフコーポレーション社長)は「会長を拝命して3年経過したが、2024年問題に端を発した物流課題、外国人労働者の受け入れ、年収の壁対策などに取り組み、関係各位の協力も得て一定の成果を上げられた」とする一方、「商品マスタの統一は残念ながら思ったように進んでいない。利害関係者が多く難しい課題」との認識を示した。
Mizkanの吉永智征副会長は「アメリカの大手小売はプラットフォームで商品コードが統一され、POSデータから生産計画まで一気通貫でつなげられる。これからAI全盛の時代になるとますます効果を発揮してくるだろう。日本はまだコード統一に向けたベースができていない」と指摘。
日本アクセスの服部真也社長は、伊藤忠商事で産業用繊維資材を手がけた経験から、「食品業界で一番大きな違和感を覚えたのは、卸が商品マスタの登録を代行していること。しかも同じメーカーの商品を取引先ごとに登録作業している。私の感覚では商品の登録は製造者の責任」と述べ、「いずれにせよ個々で独自の仕組みを作っても同じことの繰り返しになる。経済産業省には法制化も含めて業界全体の一本化をリードして欲しい」と語った。
一方、物流課題では国分グループ本社の國分晃社長が「FSP(フードサプライチェーン・サステナビリティ・プロジェクト)会議」の取り組みを先行事例として紹介。「小売・卸間の定番発注時間の前倒し、特売および新製品の適正発注リードタイムの確保などを改善し物流の安定化に貢献できた」などと話した。
サミットの服部哲也社長は、同社ら小売業24社が参画する「SM物流研究会」の活動を報告。「例えば、リードタイムの見直しを進める中で結果的にコストが下がり、トラックの減便などにつながった。これら好事例を世の中に広く共有することで、徐々に平準化が図れていくのではないか」とした。
キユーピーの髙宮満社長は「われわれメーカーは、2024年問題が意識される10年以上前から様々な物流課題や商慣習に疑問を持ってきた。近年ようやく企業の垣根を越えFSP会議やSM物流研究会が始動したことは感慨深い」とし、「関係各社で新たな目標や価値観を共有し、課題を乗り越えたい」と述べた。
議論には経済産業省の井上博雄商務・サービス審議官も参加。「食品のサプライチェーンを支えるため①業界内で協調領域の明確化②効果とコストの見える化③現場で実装できる仕組み作りの3点が必要」との考えを示した。
これらの話を受け、岩崎会長は「商品マスタの統一は難しい課題だが、将来的なメリットが大きい。製・配・販が連携するにはまず小売業がワンボイスにまとまる必要があり、経営トップの判断が求められる。一時的に経済的な負担をかけてでも、われわれ経営陣がリーダーシップを発揮して前に進めたい」と話した。
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