◆第108回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽決勝 白樺学園7―3クラーク(20日・エスコンフィールド北海道)

 北北海道では、白樺学園が全国一番乗りで2年ぶり5度目の夏切符をつかんだ。左肘の大けがから奇跡の復活を遂げた後藤健遊撃手(2年)が、ソロ本塁打を含む3安打1打点と打線をけん引した。

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 集まって協議した審判団の結論はインプレーだった。自打球をアピールした打者に対し、球審が右手を上げアウトを告げる。最後の打者を一ゴロに封じた。守備位置で待機していた白樺学園ナインが駆け出し、マウンドで大きな輪をつくった。午後0時34分。2年ぶり5度目、全国一番乗りで甲子園出場を決め、村端勇心主将(3年)は「光栄なことです」と笑顔を見せた。

 勝利へ導いたのは、「3番・遊撃」の後藤のバットだった。初回2死から右前安打で口火を切り、4連打で3点を先制。2回2死一塁では右翼線二塁打でチャンスを拡大し、3点の追加点を呼んだ。3点を返された直後の7回には、先頭で右越えソロ。「決勝戦だったので、自分がけがをしてチームに迷惑をかけた分、取り返すチャンスだと捉えていた」とうなずいた。

 奇跡的な回復で夏に間に合わせた。

3月11日、練習中に転倒。左肘を脱臼骨折し靱帯も断裂。「1年かかるかもしれない」と言われた大けがだった。同17日に手術を受けボルトで固定し靱帯も修復。「リハビリの回数も増やしてもらって、酸素ルームに入ったり治療して」。執念の回復だった。

 骨がくっついていない状態で、5月上旬に投手として実戦復帰。「どうにかしてチームに貢献できないかと。冬にピッチャーのメニューに入っていたんで、切り替えはすぐにできた」。投げては最速147キロをマーク。5月下旬に守備を再開すると、6月上旬にはバッティングも解禁。可動域にまだ制限がある中で、右腕は今大会では投手として3試合に登板し5回を投げ3失点。

打者としては21打数12安打、打率5割7分1厘、5打点と大きく貢献した。

 1年春からレギュラーで、昨夏の準優勝も経験。昨秋も準Vと甲子園にあと一歩及ばなかった。「悔しさは自分が一番分かっている。何とか甲子園に行きたいという思いがあったんで、回復につながったかな」と笑った後藤。“けがの功名”の投手を含め、初めての聖地で縦横無尽に躍動する。(山口 泰史)

 ◆後藤 健(ごとう・たける)2009年7月22日、北海道帯広市生まれ。16歳。帯広明星小4年時に明星・花園シャークスで野球を始める。帯広四中ではとかち道東ボーイズでプレー。白樺学園では1年春に背番号4でベンチ入り。旭川志峯に敗れた昨夏の北北海道大会決勝でも先発出場。

右投両打。177センチ、78キロ。家族は母と妹。好きなプロ野球選手はソフトバンク・今宮健太

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