■まず自分の目標を明らかにする
ぼくたちは、自分が本当に望むものを理解するのが苦手だ。
他人を観察することで、ぼくたちは望むものを学ぶ。まず両親や兄弟、同世代の欲求を目にし――やがて――ソーシャルメディア上の他人の欲求を追うようになる。
自分の目標を明確にすることが難しいから、ぼくたちは他人の目標を流用する。この流れはもう知ってるよね。
裕福な叔父さんが、地方債が儲かるという話をしていれば、自分も買うべきだと考える。スタートアップに投資するクールな若者や、高級車を乗り回す洗練されたひとたちの話を耳にすれば、自分もそうすべきだと思う。
古い格言がある。われわれはもっていないお金を使い、欲しくないものを買い、好きでもない相手に見せびらかす。他人が所有し、望み、行なうことは、君とはなんの関係もない。
なぜなら、彼らは君ではないから。
お金持ちの叔父さんの経済的な優先順位は君のものじゃない。高級車のオーナーのステータスシンボルは君のものじゃない。スタートアップ投資家のリスクは君のものじゃない。お金に関して大切なことはただひとつ、君自身の目標だけだ。
■行動しないと必要な情報は得られない
お金に関する意思決定は複雑だ。それぞれの決断には、互いに影響し合う無数の要素が含まれていて、その結果を正確に予測することはできない。
分析に陥るのは簡単だ。
賃貸か持ち家か?
投資か住宅ローンの返済か?
新しい仕事を受けるか現状維持か?
こうした判断には、スプレッドシートや計算ツールが重要だ。リスクを考慮し、メリットとデメリットを比較し、母親に相談し、また分析する。でも、そのすべてを終えたあとに訪れるポイントがある。それ以上考えても、もう答えは出ないという瞬間だ。
そのとき必要なのは、行動することだ。
次の決断に必要な情報は、行動によってしか得られない。
正しい答えは考えただけでは導けない。行動することによって、そこに到達するのだ。
小さな決断一つひとつが、次の決断への扉を開く。
■「小さな行動」が最強な理由
大胆な目標に取り組むとき、大胆な行動は必要ない。
必要なのは、伝染する魔法のような小さな行動だ。
例を挙げよう。
旅行中は運動する気になれないことが多い。そこで小さな約束をひとつする。
朝起きたら、ジム用の服を着る。
それだけだ。
一度着替えてしまうと、「せっかくジム用の服を着ているのだから、このままジムまで行ってみよう」と思う。
ジムに着くと、エアロバイクを見て「数分漕げば気持ち良さそう」と思う。だから漕ぐ。
エアロバイクを終えたら、もうジムにいるのだから、他の運動もやってみようと自然とつづく。
ストレッチもする。甘いジャンクフードではなく、健康的な朝食をとる。旅先で仕事に取りかかる頃には、気分が最高だ。
「伝染(連鎖)」という言葉の意味がわかるだろう?
■「途中で挫折しないこと」が大事
ほとんどの経済的な目標は挫折で終わる。
問題は目標そのものではなく、すべてを一度に解決しようとする姿勢にある。
大学の学費を貯めるのは大変だが、毎月100ドルの追加収入を見つけることはできる。
そこからはじめよう。大きな目標を小さな行動に分解する。
小さくはじめる。
これが真の進歩の仕組みだ。つまり、ひとつの小さな行動が次の行動へと繋がるのだ。
■さあ、「億万長者ゲーム」を始めよう
富を築くことが苦痛である必要はない。ゲームのように考えることもできる。
かつてぼくはある夫婦を担当したことがある。
彼らは「100万ドルの投資ポートフォリオをつくる」という、一見すると突飛な目標を掲げていた。そうした目標は、株式市場での幸運や遺産相続でもなければ達成できないと考えて、切り捨ててしまいがちだ。
数年後、彼らから電話があった。「達成した! ちょうど100万ドルの大台を超えたんだ」
運ではない。相続でもない。たった4 つのシンプルなルールだけだった。
■4つのシンプルなルール
1.注意を払う:
お金を使うたびに、3 秒だけその行動を意識する。評価はしない。ただ気づくだけ。
2.無駄遣いを見つける:
幸せを感じない支出を探す。とくに固定費やサブスクを確認する。無駄なお金はそこに隠れている。
3.貯蓄を自動化する:
浮いたお金を自動的に投資ポートフォリオに振り向ける仕組みをつくる。銀行口座からの引き落としを設定し、自動運転で回す。
4.繰り返す:
毎月少しずつ投資額を増やす。個人的な挑戦と捉え、ゲームのようにつづける。大きな経済的目標を達成するのに運は必要ない。小さな継続的な行動だけだ。
歯を食いしばるのをやめ、ゲームをはじめよう。富を築くことは苦痛である必要はない。
----------
カール・リチャーズ
認定ファイナンシャル・プランナー(CFP)
ニューヨーク・タイムズやモーニングスターに寄稿。著書に『The Behavior Gap』『The One-Page Financial Plan』がある。妻コーリーと4人の子どもとともにユタ州パークシティ在住。
----------
----------
橘 玲(たちばな・あきら)
作家
1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。05年の『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補に。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。著書に『「読まなくてもいい本」の読書案内』(ちくま文庫)、『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(文春新書)、『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』(幻冬舎文庫)、『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(集英社)など多数。
----------
(認定ファイナンシャル・プランナー(CFP) カール・リチャーズ、作家 橘 玲)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
