ロボットでは届かない「死角」を救え。 「流す水」そのものを変えた逆転の発想

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朝5時、暗いなかで汗を流す高齢のスタッフたちの力になりたい



「もっと身体的に楽な環境を作れないだろうか。いつか絶対に、この人たちの力になりたい」

大成株式会社(以下、大成)の営業担当・松本が20代の頃、胸の中で静かに、けれど強く燃え上がった想いがありました。
当時彼が担当していたのは、ビル清掃の現場管理業務。そこで目にしたのは、自身の親や祖父母と同年代にあたる、高齢の清掃スタッフたちの姿でした。

テナントの営業が始まる前の朝5時。街がまだ凍えるような暗闇と静けさに包まれる時間から現場に集まり、重い機材や洗剤を手にして階段を上り下りする。便器に向かって何度も手作業で必死に擦り洗いをする。

「掃除はそういうものだから」——当時は一担当者に過ぎず、歯がゆい思いを抱えたまま年月が流れていきました。しかし、早朝の現場で見た「人生の大先輩」たちの背中と感謝の言葉を、松本が忘れることはありませんでした。

動きだしたプロジェクト——なぜ「トイレ清掃」なのか?

大きな転機が訪れたのは数年前。若手・中堅メンバーを中心とした「新サービス開発プロジェクト」が社内で発足し、松本もその一員に選ばれます。

「今こそ、あの時の想いを形にするときだ」

メンバー同士で課題を出し合う中、松本は長年胸に温めていた「清掃スタッフの負担軽減」を強く提案しました。「現場の高齢化と人手不足は、業界全体の喫緊の課題だ」——チームの危機感が一つになり、長年秘めてきた情熱がついにプロジェクトとして始動したのです。

開発チームが真っ先に標的に定めたのは、清掃業務の中で最も手がかかり、人の手に頼らざるを得ない「トイレ」でした。

床清掃ロボットなどの普及が進む一方、複雑な形状をした便器の内側や狭い個室を自動で綺麗にするロボットは未だ普及はしていません。
さらに、オフィス環境で最も重視される場所に「トイレの綺麗さ」が挙がるなど、ビルの入居率をも左右する最重要課題とされていたのです。

ここで、松本にある閃きが舞い降ります。 かつて某ファインバブルメーカーの代理店業務に携わっていた経験や、世間でファインバブルのシャワーヘッドが認知・普及し始めていたこと。「肌の汚れが落ちるのなら、これはトイレの汚れもに落ちるのではないか?」——ここから、チームの発想は大胆に転換します。

「ロボットで掃除できないなら、流す『水』そのものを洗浄力のある水に変えればいいのではないか。そうすれば利用者が水を流すたび、24時間勝手に綺麗になり続けるはずだ」

建物の貯水タンクに微細な気泡を生み出す装置を取り付け、館内全体の水をウルトラファインバブル化する——「T-Bubble」の構想が誕生した瞬間でした。

“怪しい水”の壁を越える——2年間におよぶ泥臭い効果検証



しかし、商品化への道は平坦ではありませんでした。

科学的根拠がなければ、「水を変えるだけで綺麗になる」というコンセプトは、一歩間違えれば「怪しい商材」と受け取られかねないリスクを抱えていました。

「だからこそ、圧倒的な実績とデータで証明しなければ、プロとして提案できない」

チームは自社ビルでの実証実験を企画します。しかし、ここで社内で一部慎重論が上がりました。実験内容が「毎日スポンジでゴシゴシと擦り洗いをしていた自社ビルのトイレ清掃を、あえて『週1回』に激減させる」という過酷なものだったからです。

ロボットでは届かない「死角」を救え。 「流す水」そのものを変えた逆転の発想


覚悟を示して得た許可。こうして自社ビルでの2年間に及ぶ泥臭い検証がスタートしました。


経過を見守る日々。その結果は、開発チームの確信へと変わりました。

清掃頻度を週1回に減らしても、2年間まったく黄ばみや黒ずみが発生せず、清々しい美しさが維持され続けたのです。

微細な気泡が汚れの隙間に入り込んで浮き上がらせ、悪臭や詰まりの原因となる尿石・バイオフィルムの付着を根元からブロック。清掃時間の劇的な短縮と人件費の削減が、完璧なデータとして証明された瞬間でした。



ロボットでは届かない「死角」を救え。 「流す水」そのものを変えた逆転の発想


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挑戦を後押しした「まず、やってみよう」のカルチャー



新規事業のローンチには多くの壁がありましたが、それを乗り越えて実現できた背景には、大成という会社が持つ独自のカルチャーがありました。

大成には『サービスをデザインすることで、社会に“喜びと感動”を提供します。』というミッションがあり、社会的価値のある挑戦なら「まず、やってみよう」と背中を押してくれる風土があります。

現場の課題に真摯に向き合い、事業性を厳しく検証したからこそ、数々の壁を乗り越えて商品化へと漕ぎ着けることができたのです。

ロボットでは届かない「死角」を救え。 「流す水」そのものを変えた逆転の発想


一人の想いから始まったシステムが、今、業界に旋風を起こしている



現場への強い想いと、企画から3年を経て完成した「T-Bubble」。

こうして誕生した建物全体の水を変えるシステムは、出展した展示会「ビルメンヒューマンフェア&クリーン EXPO 」では100社を超える企業から反響が寄せられ、業界内でも少しずつ口コミが広がり始めています。特に、物件の価値を高めたいマンションオーナー様やホテル業界からの問い合わせが増加しており、これまでに導入物件数は15件、現在は8物件の施工を控えています。また、導入いただいたオーナー様から「所有する別の物件にも導入したい」と追加のご相談をいただくケースも増えており、現在も数十件の商談が進んでいます。

「T-Bubble」がもたらす価値は、もはや単なる効率化にとどまりません。


・トイレ清掃の劇的効率化と人手不足の解消

・排水管トラブルとニオイの根本解決

・洗剤使用量の削減による環境負荷の軽減

大成が目指すのは、その先にある「働く人の環境改善」です。

朝5時の暗闇の中で、姿勢を低くして汗を流していたあの日のスタッフたち。過酷な負担を和らげ、誰もがムリなく、イキイキと働ける持続可能な未来をつくること。

一人の社員が胸に抱いた小さな想いから始まった「T-Bubble」の挑戦は、いまやファシリティマネジメント業界の新たなスタンダードとして、全国の現場を変え続けています。

T-Bubble製品サイトはコチラ





【大成株式会社 概要】

所在地 :名古屋市中区栄3-31-12

設 立 :1959年

代 表 :加藤 憲博

URL :https://www.taisei-bm.co.jp/

事業内容:ビルメンテナンス業、警備業、駐車場の管理、建築・土木工事全般に関する請負、 労働者派遣事業、太陽光発電事業、建物・公共施設等の運営管理に関する請負ならびにコンサルティング
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