グラスヒュッテにおける腕時計100周年
The Flyer: UROFA キャリバー59クロノグラフ
当時の新たな基準を打ち立てた技術的傑作。グラスヒュッテで初めて製造されたクロノグラフ腕時計の背景にある物語をご紹介します。
1939年、UROFAはパイロットの要求に特化したクロノグラフ腕時計の開発を任されました。その技術的な要件は厳格なものでした。-10°Cから+40°Cの環境下で、1日あたりの速度偏差は-3秒から+12秒の間でなければなりません。このムーブメントには耐震機構とフライバック機能が備わっていたと言われています。これにより、プッシュボタンを一度押すだけで短期計測の停止、リセット、そして即座の再スタートが可能に。さらに、ケースには、16気圧に相当する圧力に少なくとも90分間耐えられる性能が求められました。
これは、それまでにUROFAの設計者たちが受けた中で最も困難な依頼でした。グラスヒュッテでは、それまでクロノグラフの腕時計が製造されたことはありませんでした。そして、彼らは極めて短期間のうちに、過酷な条件下でも絶対的な信頼性を発揮する高度なクロノグラフ・キャリバーを開発しなければなりませんでした。その成果として誕生したのが、コラムホイール式クロノグラフを統合したUROFA キャリバー59です。
いわゆるパイロット用クロノグラフの量産は1941年に始まりました。しかし戦時中、たびたび部材不足に見舞われたことから、UROFAは繰り返し細かな調整を余儀なくされました。
1945年までに、合計で約15,000個のキャリバーと59本のパイロット用クロノグラフが製造されました。しかし、同社の機械設備と残存部品の在庫はすべて賠償の一環としてソ連占領軍によって没収されました。残ったのはUROFAの設計者と時計職人のノウハウであり、これらはVEBグラスヒュッター・ウーレンベトリーベへ継承。そして1954年、この時計をベースとした民間市場向けの小型版の生産が始まりました。
グラスヒュッテで初めて製造されたクロノグラフ腕時計であるUROFAキャリバー59は、技術的に重要な節目と見なされています。さらに、このモデルは世界初期の本格的なパイロット用時計の一つであり、今日に至るまでいくつもの時計のデザインに影響を与えています。
グラスヒュッテ腕時計100周年を記念して、先日発表されたグラスヒュッテ・オリジナルのセネタ・クロノグラフ ナビゲーターがこの重要な歴史的遺産を現代に甦らせています。
次回のスペシャル・ニュースレターシリーズ「グラスヒュッテにおける腕時計100年の歴史」では、UROFAの若い職人たちと、ある特別な歴史的発見についてご紹介します。
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グラスヒュッテ・オリジナルについて
真のマニュファクチュールによる時計製造の価値を受け継ぐグラスヒュッテ・オリジナルの歴史 は、1845 年から一度も途絶えることなく続いています。ドイツ ザクセン州の町、グラスヒュッテに あるグラスヒュッテ・オリジナルのマニュファクトリーでは、伝統的な職人の技能と革新的なテクノ ロジーを見事に融合させています。
1994年に「グラスヒュッテ・オリジナル」のブランド名を新たに採用した後も、正式社名GUB(Glashütter Uhrenbetrieb GmbH)として、グラスヒュッテの時計製造技術、人材、ノウハウ、そして文化を受け継ぎながら歩み続けています。
ウェブサイト:Glashütte Original - German Watchmaking Art