ブロードリーフは、自動車整備工場や販売店など、車の購入後に必要となる点検・整備・修理を担う事業者の業務を、ITサービスで支えている。その事業に関わる仕事は、開発や営業、企画、IRなど幅広い。
今回話を聞いたのは、先端技術開発室 基盤開発課でアプリ開発に携わる田仲飛翔、インベスターリレーションズ室でIRを担当する唐一蘭、企画グループで商品企画などを担当する鳥谷高志の3人だ。いずれも新卒でブロードリーフに入社し、入社時点ではクルマや業界に関する専門的な知識を持っていたわけではない。
それぞれが何に惹かれてブロードリーフへ入社し、どのように仕事を学んできたのか。現在の仕事で生かされている強みと、ブロードリーフで挑戦できることを聞いた。
左から田仲、唐、鳥谷
三者三様、これまでのクルマとのかかわり
まず、入社前の3人にとって、クルマがどのような存在だったのかを聞いた。田仲「僕にとっては、移動手段のひとつでした。父がクルマ好きだったので身近な存在ではありましたが、構造や部品、整備について詳しかったわけではありません」
唐「私も、基本的には移動手段という認識でした。ただ、中国と日本で生活するなかで、国によってクルマの見え方が違うことは感じていました。中国では日本車が輸入品や高級品として見られることがありますが、日本では家庭や仕事で日常的に使われています。同じ車種やブランドでも、受け取られ方が違うことが印象に残っています」
鳥谷「地方で育ったので、クルマは生活必需品でした。一家に一台というより、一人一台に近い環境です。
クルマとの距離はそれぞれ異なるものの、専門的に学んできた人はいなかった。モビリティ産業も、就職活動を始めるまで深く意識したことのない世界だったという。
3人の入社の決め手となったのは、業界に関する知識ではなく、ブロードリーフで何ができるかだった。
「ここなら挑戦できる」が、入社の決め手に
田仲が興味を持ったのは、ブロードリーフが取り組んでいた新しい技術と、業界で蓄積してきたデータだった。田仲「就職活動をしていた当時、AIなどの新しい技術を使った製品開発に取り組んでいることを知りました。さらに、多くのデータを持っている会社だという点にも惹かれました。技術とデータの両方がある会社なら、面白いことができるのではないかと思ったんです」
大学でビジネスモデルを学んでいた唐は、会社が変わろうとしている過程に注目した。
唐「就職活動では、ビジネスモデルに面白さを感じる会社を見ていました。ブロードリーフについて調べるうちに、これまで築いてきた事業基盤を生かしながら、新しい形へ変わろうとしている会社だと知りました。すでに形の決まった会社に入るというより、その変化に自分も関わりたいと思ったことが、入社の決め手です」
鳥谷が重視していたのは、自分自身が成長できる環境かどうかだった。
鳥谷「すでに事業の基盤がありながら、新しい領域にも人やお金を投じている会社だと感じました。取り組めることが多く、ここに入れば鍛えられるのではないかと思ったんです。将来は自分で事業をつくってみたいという気持ちもあったので、新しいものをゼロから組み立てる経験ができたら面白いと考えていました」
入口は違っても、3人が重視したのは、入社後に新しいことへ取り組める余地だった。
品質を守る起点は、ユーザーの行動を想像すること
田仲は現在、アプリ開発に携わり、開発された機能に不具合がないか、想定どおりに動くかを確認するテストなどを担当している。確認するのは、あらかじめ決められた仕様だけではない。実際にアプリを使う人が、どのような状況で、どのように操作するかまで考える。
田仲「たとえば、画面上のボタンを一度押すという操作があります。つくる側としては一度押されることを前提にしますが、実際には通信が遅く、反応しているか分からないため、同じボタンを何度も押す人もいます。そのときに、同じ処理が何回も実行されたり、エラーが起きたりしないかを確認します」
想定していなかった動きを見つけた場合は、開発担当者に共有する。すぐに修正できるものもあれば、設計そのものを見直すために、関係者で話し合うこともある。
田仲「ユーザーがどう使うか、どのようなときに間違った操作が起きるかを想像しながらテストを考えることに、面白さを感じています。分からないことは、実際にクルマを持っている人や、スマートフォンをあまり使わない人に聞くこともあります」
アプリの使いにくさや不具合は、サービスの評価だけでなく、提供する会社への印象にも影響する。
田仲「品質が低いアプリに触れると、『この会社は大丈夫だろうか』と感じることがありますよね。デザインや使いやすさも含めて、安心して使える状態で届けることが、会社への信頼を守ることにもつながると思っています」
仕様書には表れないユーザーの行動まで考える。それが、田仲がアプリの品質を守るために大切にしている視点だ。
投資家に正しく伝わる言葉を、選び抜く
唐が担当するIRとは、株主や投資家に向けて、企業の業績や経営方針、今後の見通しなどを伝える仕事だ。IR資料では、数字を正確に示すことはもちろん、その数字をどのような言葉で説明するかも重要になる。
唐「たとえば、資料に『高成長』と書くとき、何%の成長ならそう言えるのかを考えます。『大幅に増加した』と書くのか、単に『増加した』と書くのかによっても、投資家の受け取り方は変わります。事業の実態や進捗に合っているか、必要以上の期待を持たせる表現になっていないかを確認しながら、言葉を選びます」
同じ内容を伝える場合でも、相手によって必要な情報や説明の順序は異なる。企業について詳しく調べている機関投資家と、初めて資料を読む個人投資家。国内と海外の投資家でも、前提となる知識や関心は同じではない。
唐「まず自分が会社のことを理解したうえで、相手にどう説明すれば分かりやすいかを考えます。機関投資家と個人投資家、国内と海外の投資家では、同じ出来事に対する見方も違います。さまざまな背景を持つ人に、正しく伝わるように説明することが大切です」
中国と日本で生活してきた唐は、自分にとっての当たり前が、相手にとっても当たり前とは限らないことを知っている。
唐「中国と日本では、自動車に関する事業者の呼び方や、サービスの捉え方にも違いがあります。日本では伝わる言葉でも、そのまま英語にして海外の人に伝わるとは限りません。相手が理解しやすい表現は何かを考える経験は、今の仕事にも生きていると思います」
相手が持つ知識や背景を踏まえ、正しく伝わる言葉を選ぶ。その視点が、企業の姿を投資家へ伝える唐の仕事を支えている。
伝票一枚から、お客様の仕事を知る
商品企画を担当する鳥谷は、入社1年目に複数の整備工場を訪れ、実際の業務を知る機会があった。鳥谷「同じ系列の整備工場でも、仕事の進め方は一つひとつ違いました。伝票一枚を見ても、使っている種類や書き方、扱い方が違います。休憩室の机の形まで違っていて、『なぜだろう』と考えると、働いている人の数や役割、工場の運営方法につながっていることが分かりました」
自動車整備工場で使われる伝票には、車両情報、作業内容、使用した部品、金額など、業務に必要な情報が記録されている。その形式や扱い方が違えば、受付から整備、会計までの仕事の進め方も異なる。鳥谷は、目に入った違いに関心を持ち、その背景を考えることで、お客様の仕事への理解を深めていった。
自動車の点検や整備は、安全に関わる多くの法律や制度に基づいて行われる。制度が変われば、整備工場や販売店も業務を見直さなければならない。
鳥谷は、法改正の内容をお客様へ伝える仕事にも携わってきた。
鳥谷「法律の文章は難しく、そのまま読んでも、自分の仕事にどう関係するのか分かりにくいことがあります。整備工場で働く人が、どのような事例や言葉なら『自分たちの業務のことだ』と理解できるのか。実際の仕事を見た経験が、説明を考えるときに役立ちました」
お客様の仕事を知り、その背景まで考える。難しい制度の内容を、相手が自分の仕事に引き付けて理解できる言葉に置き換える。
大切なのは、知らないことにも関心を持ち、知る努力をすること
では、クルマに詳しくなければ、ブロードリーフでは働けないのだろうか。田仲「入社時点で詳しくなくても問題ありません。僕自身もそうでした。ただ、仕事に必要なことへ関心を持ち、分からなければ自分で調べる姿勢は必要です。エンジニアの仕事でも、お客様の業務を理解するうえでも、自分から調べて理解していく力が大切だと思います」
唐「クルマの知識だけでなく、これまで身につけてきた力も生かせます。私の場合は、異なる言語や文化のなかで生活してきた経験が、IRの仕事につながっています。最初から専門家である必要はありませんが、興味を持つことで、もっと知りたい、学びたいという気持ちが生まれると思います」
鳥谷「担当する仕事によって、必要な知識は違います。大切なのは、自分の仕事が何につながっているのか、どのようにお客様や業界の役に立っているのかを知ろうとすることだと思います。興味を持って調べていくと、仕事の面白さも見つけやすくなります」
3人に共通していたのは、入社前に持っていた知識の量ではなく、仕事に必要なことを自分から知ろうとする姿勢だった。
入社後に見つけた、ブロードリーフで働く面白さ
最後に、ブロードリーフへの応募を考えている人に伝えたいことを聞いた。田仲「開発では、技術を選んだり、試したりする自由度が高いと感じています。『この技術を使ってみたい』『もっと深く学びたい』という気持ちがある人にとって、挑戦しやすい環境です。僕自身、入社してから、もっと技術に貪欲になってもいい会社なんだと分かりました」
唐「ブロードリーフは、今も変化しながら新しいことに挑戦している会社だと思います。
鳥谷「企画は、新しいことを考え、形にしていく仕事です。ブロードリーフには、まだ取り組んでいないことを提案できる余地があります。自分がやってみたいことを言葉にして提案すれば、それが新しい仕事につながる可能性もあります」
技術を深められる自由度、若いうちから専門性の高い仕事を任される機会、新しい企画を提案できる余地。ブロードリーフには、若手が「やってみたい」と考えたことを、仕事につなげる環境がある。
編集後記
ユーザーの行動を考え抜く。伝えたいことが正しく伝わる言葉を選び抜く。お客様の仕事だけでなく、その環境や背景まで理解する。3人の話に通じていたのは、自分の仕事の先にいる人を知り、その立場から考えようとする姿勢でした。分からないことを調べ、相手に確かめ、理解したことを仕事に反映する。その積み重ねが、それぞれの仕事の質を支えています。
仕事に必要な知識は、入社前にすべて身につけておくものではありません。技術への関心、異なる文化のなかで培った視点、目の前のことを面白がる力。3人がもともと持っていたものが、入社後に業界やお客様への理解と結びつき、現在の仕事を支える力になっています。
モビリティ産業に馴染みのない方にも、この記事を通じて、ブロードリーフで働く姿を具体的に感じていただけたらうれしいです。
取材・文:尾崎真弓(株式会社ブロードリーフ 広報)