超高級店に早変わりする、至高の純胡椒
数千円、なかには数万円。それでもプロが選び続けるのには理由がある。圧倒的な性能、失敗の少なさ、そして長く使える耐久性――。“安物買い”を繰り返すより、プロ仕様を一発買ったほうが得なケースもあるのだ。では、実際に何を買えば暮らしが変わるのか。年間700食以上を外食に費やし、これまで訪れた飲食店は数千軒。日本屈指のグルメガイド年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)の審査員を長年務め、自身もロングセラーとなった『大人の肉ドリル』(マガジンハウス)を執筆し、外食から家庭料理、生産現場までを知り尽くすフードアクティビスト・松浦達也氏。その膨大な食経験から「家に常備しておくべき」と選び抜いた、とっておきの調味料を教えてもらった。
「まずオススメしたいのが、1400円で料理の味が劇的に変わる『純胡椒』(仙人スパイス)です。胡椒といえば乾燥品が一般的ですが、これは房付きの摘みたて未熟果を塩水漬けにして、粒のまま仕上がった料理にトッピングする。’10年代後半から注目され、“生胡椒”ブームの火付け役ともいえる商品で、『胡椒』の立ち位置に革命をもたらしました。料理に数粒乗せれば一撃で味が決まり、失敗知らず。劇的にうまくなります」
全国の名店を食べ歩く松浦氏も、「かなりの高級店で数回見たくらい」と明かす、プロ仕様を超える調味料だ。
卵かけご飯やポテチが“高級店の味”に
次に紹介するのは、星付きレストラン定番のトリュフ香る調味料だ。「トリュフオイルは数滴かけるだけで高級店の味になるけど、油は空気に触れると酸化臭が付いて、まずくなってしまう……。ところが、『オイルスプレー トリュフ』(Mantova)はたった972円と手頃なのに特殊な構造で、噴射時にオイルと空気が非常に触れにくく、搾りたてのフレッシュな味と香りがずっと楽しめます。ミスト状にもスプレーできるので、料理に均一にかけられるのもいい。トリュフオイルは香りが強いので、かけすぎると料理の味が消えてしまいますから」
しかも、活躍するのは洒落た洋食だけではない。いつもの卵かけご飯やポテチまで、“高級店の味”に化けるという。
「他にない」と絶賛する究極の醤油とは!?
そして、スーパーの刺身すら“料亭の味”に化けさせるのが、松浦氏が「他にない」と絶賛する究極の醤油だ。「高級な醤油というと、長期間じっくり熟成させたものをイメージする人も多いでしょう。ただ、2~3年熟成すると色は黒っぽく、味はどっしり重く濃厚でまろやかになるものの、搾りたての大豆や小麦のフレッシュな甘い香りは消えてしまう……。そこで良質な素材を追求して、フレッシュな搾りたての色、香り、味を実現したのが『法隆寺醤油』(ニシキ醤油)です。旨味のしっかりした濃口なのに、淡麗とも言える透明感がある。他にない味わいです。
原料も、有機栽培で日本屈指の北海道・折笠農場が、この醤油専用に大豆や小麦を生産しており、強いこだわりが見える。
「原料が自然栽培の大豆や小麦ということもあり、生産量が限られてしまい、欠品も珍しくない。東京・新橋の奈良県アンテナショップなら比較的入手しやすいでしょう」
【フードアクティビスト 松浦達也氏】
編集者。ライター。
<取材・文/齊藤武宏>
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