2026年6月20日・21日、石川県加賀市・山中温泉を舞台に開催された「Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB® 2026」。

UTMB World Seriesの一戦である同大会のKAGASPA 50Kにおいて、GPSスポーツウォッチブランドSUUNTOのブランドアンバサダーを務める吉住友里選手が、6時間8分16秒で女子総合優勝を果たした。


SUUNTOアンバサダー・サポートランナーが「Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB® 2026」で活躍PR TIMES×雨によってぬかるんだタフなコンディションの中、吉住選手は事前に設定したタイムチャートをほぼ崩すことなく、安定したレースを展開した。

その走りを支えていたのは、綿密な試走と、日々積み重ねてきたデータだった。

レース後の吉住選手に、KAGASPAへの想い、レースを組み立てる方法、そしてSUUNTOに記録されたデータと自身の感覚を、どう結びつけているのかを聞いた。

走るたびに深まる、KAGASPAへの想い

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


今回のレースで最も印象に残った場面を尋ねると、吉住選手は笑いながら答えた。

「もう、雨でドロドロすぎて大変でした」



雨によってぬかるんだ路面は、KAGASPAのコースをさらにタフなものにした。

ロードや林道をつなぎながら、山に入れば本格的な登りと下りが待っている。変化に富んだコースは、選手に走力だけでなく、その場に応じた判断を求める。

それでも吉住選手は、この大会に特別な魅力を感じている。

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


「山中温泉のこの雰囲気がすごく好きなんです。つなぎの部分にはロードや林道もありますが、山の部分は本当に山岳レースで、すごく面白いコースだと思います」



地域の空気、温泉街の雰囲気、そして本格的な山岳区間。異なる要素が一つのレースの中に共存していることが、KAGASPAならではの魅力だという。

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


厳しいコンディションの中でも、吉住選手は目標としていた6時間10分に対し、6時間8分16秒でフィニッシュした。

なぜ、これほど計画に近いレースができたのか。


その背景には、事前の試走と、長年積み重ねてきた記録があった。

自分のレースを〈設計〉する

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


今回、吉住選手が掲げていた目標タイムは6時間10分。

しかし、それは単にゴールタイムだけを決めたものではない。事前の試走をもとに、エイドステーション間の所要時間を細かく設定し、区間ごとのタイムチャートとして組み立てていた。

「事前に現地入りして、試走もすべて行っていました。少し頑張ればこのくらいのタイムで走れるかな、という目安をエイド間ごとに組んで、6時間10分を目標タイムに設定しました」



実際のレースでも、各エイドの通過タイムはほぼ設定通りだった。

「エイドの通過タイムもほぼ設定通りだったので、本当に自分のレースができたと思います」



フィニッシュタイムは6時間8分16秒。目標より約2分速く、事前に組み立てたプランに近い形でレースを進めることができた。

このタイムチャートの精度を支えているのが、これまで積み重ねてきたレースやトレーニングのデータだ。

「何度もレースをしていると、このくらいの距離で、このくらい登るコースならどのくらい時間がかかる、ということが過去のデータから分かるようになってきます」



距離、上昇量、下降量、路面の特徴。過去の経験とデータを組み合わせることで、試走できない海外レースでも、おおよそのタイムチャートを作れるようになったという。

「試走できない海外のレースでも、大体のタイムチャートは作れます。データを取り続けていると、かなり正確に組めるようになってくるので、すごく役に立っています」



吉住選手にとって、レースはスタートしてから考えるものではない。


コースを読み、試走で感覚を確かめ、過去のデータを重ねながら、スタート前に自分のレースを設計していく。

データの蓄積が、感覚を育てる

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


吉住選手は、ランニングを始めた頃から毎日、練習日記をつけている。

トレーニングの内容だけでなく、細かく取得したラップタイムも書き出し、自分の感覚と記録を照らし合わせてきた。

「ずっとログを取り続けています。細かくラップを取った時は、それも全部書き出します。練習も試走も記録しているので、去年の試走についても日記を見れば分かります」



過去の記録が残っているからこそ、今年の走りと比較できる。

「今年は試走の段階でも去年より速く走れていました。そこで、去年より調子が良いかもしれない、と判断することもできます」



今回のレースでも、区間ごとに細かくラップを記録した。

レース後には、試走時のデータや心拍数と照らし合わせながら、自分がどの程度の強度で走れていたのかを振り返る。

「今日も全部ラップを取ったので、後から心拍データも見て、どのくらいで走れていたのかを確認します。自分の感覚と合っているのか、合っていないのか。ここはしっかり追い込めていたけれど、ここはもう少し追い込めたかもしれない、ということを後から見るのも楽しみなんです」



データを見ることは、吉住選手にとって義務的な分析ではない。

過去の自分と対話し、今の状態を確かめ、次の走りを組み立てるための時間でもある。


記録を続けることで、自分の感覚が正しかったのかを検証できる。その検証の積み重ねが、次のレースで信じられる感覚を育てていく。

準備から振り返りまで、SUUNTOでデータをつなぐ

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


試走でコースを把握し、本番で進み具合を確認し、レース後に自分の走りを振り返る。

その一連の流れをつないでいるのが、Suunto Race 2に記録されたデータだ。

吉住選手は、レース中に時計を頻繁に確認するのではなく、準備と振り返りの中でデータを活用している。

試走 ── コースを身体に入れる

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


レース前の試走で吉住選手が活用しているのが、Suunto Race 2のナビゲーション機能だ。

「試走の時は、ナビゲーションを使って地図を見ながら走っています。上りが始まるとか、下りが始まるとか、何キロくらい上るのかといった情報を時計が教えてくれるので、それはよく見ています」



次に始まる登りや下りを確認しながら走ることで、コースの地形と自分の身体感覚を結びつけることができる。

どの区間でペースが落ちるのか。どの登りにどれくらいの時間が必要なのか。下りではどの程度スピードを上げられるのか。

試走で得た感覚と記録が、エイド間のタイムチャートを作る材料になる。

「試走のラップも、細かく取って全部書き出しています」



Suunto Race 2に残るデータと、日々の練習日記。二つを組み合わせることで、コースの記憶がより具体的な情報として蓄積されていく。


▶ 吉住友里選手の試走データを見る

▶︎関連記事:登山・トレイルでルートをナビゲーション|Suuntoクライムガイダンスの便利な使い方を解説

レース当日──感覚を信頼するための根拠

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


日頃から細かくデータを記録している一方で、吉住選手はレース本番では時計をほとんど見ないという。

「走っている時は、レース中にあまり時計を見ないようにしています。逆に感覚を大事にしています」



時計に表示される数字を追い続けるのではなく、身体の状態や路面の感触に集中する。

ただし、データを無視しているわけではない。

事前に組んだタイムチャートと、エイドごとの通過時間を確認し、大きなずれがないかを確かめる。

「自分で設定タイムを組んでいるので、エイドのラップを見ながら、少し速いとか、少し遅いとかを調整するくらいです」



試走や練習で積み重ねてきたデータがあるからこそ、レース中は画面を見続けなくても、自分の感覚を信頼できる。

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


データに判断を任せるのではなく、感覚を支える根拠として使う。それが吉住選手のスタイルだ。

GPSの設定も、レース時間を踏まえて迷いなく最高精度を選んだ。

「私が走る距離であればバッテリーが切れることはないので、いつも一番精度の高い設定にしています」



感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


Suunto Race 2は、最高精度のGPS設定で最大55時間の計測に対応する。今回のレース時間に対して十分な余裕があったため、吉住選手はバッテリー持続時間よりもGPS精度を優先した。

高精度で記録されたデータも、次のレースを組み立てるための材料の一つになる。

レース後——データで感覚を検証する

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


フィニッシュした後も、吉住選手のレースは完全には終わっていない。

記録された心拍数やラップタイムを見ながら、レース中に感じていた感覚が、実際のデータと一致していたのかを確認する。


感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


Suunto アプリに記録された吉住友里選手のKAGASPA 50K走行データ。走行ルートや心拍数、累積上昇高度などを確認できる。

▶ 吉住友里選手のKAGASPA 50K走行データを見る

※画面に表示されている距離、累積上昇高度、記録時間はSuunto Race 2による計測値です。大会公式のコース距離、累積標高、フィニッシュタイムとは異なる場合があります。

「後から心拍データを見て、どのくらいで走れていたのかを確認します。自分の感覚と合っているのか、合っていないのか。ここは追い込めていたけれど、ここはもう少し追い込めたかもしれない、ということを振り返るのも楽しみです」



データは、単なるレース結果の保存ではない。

自分の感覚を客観的に確認し、次のトレーニングやレースに活かすための「ものさし」だ。

試走し、記録し、本番を走り、振り返る。

このサイクルを繰り返すことで、吉住選手の中にあるデータベースは更新され、次のタイムチャートの精度も高まっていく。

初めて100Kに挑戦する人へ

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


KAGASPA 50Kを走り切った吉住選手に、これから初めて100kmのレースに挑戦するランナーへのアドバイスを聞いた。

「100kmを走るのであれば、一度は60km、70kmくらいを走っておいた方がいいと思います」



本番で初めて長時間動き続けるのではなく、事前に100kmに近い距離や時間を経験しておく。

その中で、自分の身体にどのような変化が起こるのかを知ることが重要だという。


そして、もう一つ欠かせないのが補給計画だ。

「補給のタイミングはすごく重要です。何を、どのタイミングで摂るのか、ある程度しっかり計画を立てておくことが大事だと思います」



長い距離への挑戦では、スタート前に重ねた準備が、レース後半の自分を支えてくれる。

走力だけでなく、距離への慣れ、補給、装備、ペース配分。その一つひとつを事前に試し、自分に合う方法を見つけておくことが大切になる。

感覚とデータは、対立するものではない。記録を積み重ねることで感覚を磨き、本番ではその感覚を信じる。

雨のKAGASPAで見せた吉住選手の走りは、日々の記録と経験が、一つの結果につながったレースだった。

吉住選手使用モデル「Suunto Race 2」がセール中

感覚は、積み重ねたデータが育てる。── KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語るレース哲学


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