〈ルイ・ヴィトン〉が10年以上前にマーク・ニューソンとの初のコラボレーションを発表したとき、彼はすでに同世代で最も名高いインダストリアル・デザイナーの1人だった。家具から航空機まであらゆるジャンルの作品を手掛けていた。
しかし、ヘリテージと創造性を融合させた、もうひとつの壮大なプロジェクトが水面下では進行していた。それは、かつてトランクが創業者であるルイの時代の人々にとってそうであったように、現代の21世紀のトラベラーたちにとって信頼性が高く革新的なスーツケースを考案することだった。そこで注目されたのがアルムニウムだった。耐久性と無限のリサイクル性で知られるアルミニウムは、〈ルイ・ヴィトン〉の旅の真髄(こころ)とマーク・ニューソンの創造的なビジョンを完璧に体現したものだった。さらにアルミニウムは、このデザイナーの作品を象徴する素材であると同時に、19世紀末に探検家たちのためにアルミニウム製トランクをデザインしたメゾンの歴史にも通じていた。このヘリテージと革新の融合により、現代のトラベラーのための新世代のスーツケースが誕生した。
また、ミニマリスト的な美学を持つマーク・ニューソンは、「ホライゾン」の洗練されたフォルムを損なわないように、ビスやヒンジなどの機械的なパーツを目立たなくする工夫を凝らした。従来のビス留めが、シェル部分に取り付けられた極薄フレーム方式に置き換えられたのは、技術的な快挙だった。折り曲げやビス留めがなく、全体が一体構造の3D型から製作されたこのシェルは、ラゲージデザインにおいて初の試みとなった。従来の外付けヒンジは、革新的な隠しヒンジに置き換えられ、この新たなタイプのヒンジは、余分なスペースを取ることなく、スーツケースの内部に組み込まれた。
革新的な幅広の伸縮式ハンドルは、握りやすく、操作性にも優れる。しなやかな素材で作られた大型のキャスターは、衝撃や振動を吸収し、なめらかで静かな走行を可能とした。また、高さのあるハンドルとレザーでカバーしたサイドハンドルにより、手持ちでの運搬も容易となる。コーナー部分やハンドルには、ルイ・ヴィトンの象徴的な特徴であるナチュラルで洗練された風合いのヌメ革またはブラックのレザーがあしらわれている。
キャスターやトップハンドル、トロリー用の開口部を備えた保護カバーは、収納時にスーツケースを保護しつつ、目立たずに移動できる設計となっている。独創的なレザーのラゲージタグは、スーツケースの上に別のバッグを固定するバッグフックとしても機能する。
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