燕趙晩報など中国メディアによると、河北省で26日、児童誘拐・人身売買などで有罪判決を受けた蘇賓得・胡明華死刑囚に対する刑が執行された。

 蘇賓得死刑囚は1982年生まれ。
2005年9月から06年7日にかけて、河南省内で児童計7人をさらい、同省内と山東省の相手に売ったとして、06年9月22日に逮捕された。

 胡明華死刑囚は1954年生まれ。窃盗などの罪で1977年6月14日に懲役9年の判決を言い渡されたが同年8月に脱走。その後、再び性的犯罪や窃盗などの疑いで逮捕され、79年1月12日に懲役11年の判決を言い渡された。92年3月に再び脱走し、93年6月16日には脱走の罪で刑期を3年6カ月追加された。服役終了後に今度は児童9人を誘拐し、他者に売った疑いで逮捕された。
胡死刑囚は違法薬物の密売団にも加わっており、誘拐に絡んで1人を死なせていた。

 誘拐場所は農村部で、誘拐された児童は当時2歳から6歳。保護者と屋外を歩いていたり、自転車の後部に乗せていた子を、強引に連れ去ったケースが多い。ほとんどの子は保護され両親のもとに戻されたが、現在も行方不明のケースがある。ふたりが誘拐した児童は主に男の子で、数千元から最高で2万5000元(27日レートで約31万4000円)で売った。

 中国では誘拐・人身売買の摘発と裁判が続いており、蘇・胡両死刑囚を被告とした裁判では、共犯者に対して懲役2年から執行猶予付きの死刑まで、それぞれ刑が言い渡された。


 中国の裁判は基本的に二審制で、死刑執行には最高人民法院(最高裁)の許可が必要。蘇・胡死刑囚に対する刑の執行は11月16日に許可された。(編集担当:如月隼人)

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