名古屋を拠点に活動する平均年齢18才のガールズバンド・No.MEN(ノーメン)の勢いが止まらない!
高校の軽音部で出会ったCocona(G, Vo /20才)とUri(B/20才)を中心に、Coconaの実妹であるNina(Dr/14)、Cocona姉妹と幼馴染のRima(Key/18才)の4人で結成。2023年に初めて制作したオリジナル楽曲「Setalan」(作詞・Uri、作曲/Cocona)のMVをSNSに投稿するや、ライブの出演オファーが急増。
キュートなルックスと若さに注目が集まりがちだが、ゴスペルやブラックミュージックをルーツに、彼女たちの人生経験と独自の感性が合わさったグルーヴ感のあるサウンドが何よりもの魅力。そこで今回、バンドの中心となるCoconaとUriの2名にインタビューを実施。バンドの成り立ちからメンバーのキャラクターまで、彼女たちのリアルな今に迫った。
【一生コメダで語り合えるソウルメイトな二人】――デビューアルバム発売以降、数々の音楽媒体やラジオで取材を受けて来られたかと思います。週プレNEWSでは、音楽的なこともお聞きしつつ、お二人の関係性をもとに皆さんのキャラクターを深掘りしていけたらと思っています。
Cocona よろしくお願いします!
――取材前に撮影をさせていただきましたが、みなさん、すごくテンションが高いというか。目に映るもの全てに反応されていて、終始楽しそうで。フレッシュさをひしひしと感じました(笑)。
公式YouTubeチャンネルではメンバーの素顔が見られるVlogも更新中!
Uri アハハ。普段は名古屋にいるので、ライブで東京に来させていただいて、みんなテンション上がってたんだと思います。
――そうなんですね。では早速、お二人の関係性からお聞きできればと思います。出会いは高校生の頃、きっかけは軽音部だったんですよね。
Cocona そうです。高校1年生のときに出会って、「どんな音楽が好き?」みたいな話から、すぐに意気投合しました。
Uri 初めて会った日から、リアルに2年近くLINEが途切れなかったよね。「おはよう」から「おやすみ」まで、マジでカップルみたいだった(笑)。
Cocona 私たちって、自分が感じていること、考えていることを共有しあうのが好きなんだよね。出会ったばかりの頃は他愛のない話をしてたと思うけど、自然と何でも話せるようになった気がする。お互いに言いたいことを言うけど、ちゃんと相手の話も聞ける関係性なんです。
Uri 大人になるにつれて、どんどん深い話ができるようになったよね。お互い20才になったからお酒も飲めるはずなのに、一生コメダで語り合ってます(笑)。学生時代はテスト期間が来るとお互いにSNS断ちして勉強モードを高め合っていました。ただの友達でも、バンド仲間ではない。相棒って感じです。
Uri(B)
――相性バッチリだったんですね。すぐ二人でバンドを組むことになったんですか?
Uri そうですね。まず軽音部の中で、同級生2人を加えてバンドを組みました。最初はSHISHAMOやKANA-BOONのコピーをして、学祭のステージに立ったりしていましたね。他の部員のみんなは、あくまでも部活の一環としてバンド活動をしている感じだったのですが、私とCoconaは、口にしたら引かれそうなくらい当時から先を見ていて。
Cocona 「海外のフェスに出たい」とか。まだ曲も作ってないのに、そんな話ばかりしてたよね(笑)。
Uri Coconaに出会った瞬間、「イケる!」って思ったんです。うまく言えないけど、最初から異常なほどにマインドが合うので、私とCoconaが出会えたのは運命なんじゃないか、出会うべくして出会った二人なんじゃないかって、本気で思ったんですよね。もともと私もギターをやっていたのですが、Coconaがあまりに上手だったので、ベースに転向したほどです。それくらいCoconaと一緒にやっていく未来が見えていました。
Cocona 最初は私も軽音部でバンドができればそれで十分だったんです。卒業後は普通に大学に進学するつもりでいました。ただ、Uriと頻繁にライブハウスに行っては「私たちもステージに立てるんじゃない?」なんて話をするうちに、どんどん夢が膨らんで。いつしか本気でバンドをやってみたいと思うようになりました。そこで「オリジナル曲を作りたいね」って話になって。
Uri 私が書いた詞を送ったら、Coconaが一晩で曲を付けてくれたんです。そうして生まれたのが私たちにとって初めてのオリジナル曲「Setelan(セテラン)」です。
Cocona(G, Vo)
――「Setelan」は3月にリリースされたファーストアルバム『BAA, AS THE SHADOWS LOOM』にも収録されていますね。
Uri 2022年、高校2年生の冬頃に出来た曲です。"Setelan"はインドネシア語で"スーツ"を意味するんですけど、電車の中でスーツ姿で通勤しているサラリーマンの方を見て、スーツ姿のまま踊ってしまえ! という気持ちで歌詞を書きました。国語の授業で習ったばかりの難しい言葉をあえて使ったりして。
――アルバムでのお衣装がスーツなのも「Setelan」に合わせているんですね。
Uri そうです! で、楽曲が完成したら今度はMVを作りたいとなって、地元のカラオケ店で撮影した自作MVをSNSに出したのが2023年1月1日。メンバーは私とCoconaの二人だけだったのですが、そこからライブのオファーをいくつかいただくようになりました。
Cocona メンバーを集めなきゃってことで、妹のNinaと幼なじみのRimaに声をかけ、2023年夏に初ライブを行ったのがNo.MENのはじまりです。バンド自体は意外と3年目になるんですよね。
――最年少のNinaさんは今14才ですよね。結成当時は11才だったってことですか?!
Cocona そうです。まだ小学生でした(笑)。
Uri 今だったらピリッとした空気もストイックに乗り越えられるけど、当時はかなり気まずい感じだったよね。
Cocona 下の二人に関してはいきなり誘われたわけだし、温度差があって当然なんですけどね。あと、当時の対バン相手はラウド系の男子学生バンドばかりだったんです。女子はほとんどいなかったし、サウンド的にも浮いていて。私たちの居場所はここで合ってるのかな? って。正直、しばらくはライブの楽しさを感じられずにいました。
――何か転機はあったんですか?
Cocona 2024年3月、高校を卒業して春休みを過ごしていた時期に、名古屋のクラブクアトロで開催されるイベントに出演させていただくことになったんです。
Uri 私は受験が終わったばかりで久しくベースを触っていなかったので、短い期間で必死に練習した記憶があります。でも、すごく手応えがありましたね。実際、クアトロのステージのあとに初めてレーベルの方からお声がけいただきました。自分たちのやってることは間違いじゃないのかもって、根拠のない自信が少しずつ確信に変わった瞬間でしたね。
――No.MEN結成の流れを簡単にお聞きしたところで、年少組のお二人についても聞かせてください。NinaさんはCoconaさんの妹さんで、RimaさんはCoconaさんNinaさん姉妹の幼なじみなんですよね。
Cocona そうです。母がゴスペルピアノの先生をしていて、そこに習いに来ていたのがRimaです。私たち3人は幼少期からゴスペルを聴いて育ってきて。3人で演奏をしたこともあります。
――ゴスペルはNo.MENの音楽を語るうえで外せないルーツミュージックですね。Rimaさん、Ninaさんはそれぞれ18才、14才とまだお若いですが、お二人もゴスペルが好きなんでしょうか。
Cocona 好きだと思います。Ninaは昨年K-POPにどハマりして、めっちゃダンスとか踊ってたけど(笑)。それはそれで、No.MENにとっても良いスパイスになりましたね。私たちも楽曲の中でラップを歌うし、次世代の感性を取り入れられるのは強みだと感じます。2人とも『鬼滅の刃』ドンピシャ世代で漫画も大好きだし。
Uri Ninaとは6つ年が離れてるからね。
Cocona そうそう! うちらは2005年生まれのZ世代だけど、Ninaは2011年生まれのα(アルファ)世代。二人ともNo.MENを支える心強いメンバーではありますが、私たちから見ると、ただただ"かわいい妹"なんです。Rimaは最近「No.MENの曲は簡単だからゴスペルのほうが楽しいんだよね」なんて生意気なことを言い始めました(笑)。
Uri RimaはNo.MENの中でいちばん落ち着いてる気がする。どんな状況でも動じない。お客さんがいようがいまいが、ステージが大きかろうが小さかろうが、いい意味で緊張せずにドンと構えているよね。
Cocona そうだね。強いて言えば花粉に弱いくらい(笑)。でも、そのRimaの冷静さはすごくキーボード向きだと思っています。というのも、ゴスペルにおけるキーボード/ピアノって、バンド全体を指揮するバンドマスター的な役割を担うパートでもあるんですよ。実際に教会では、ピアノの動きひとつで、即興でグルーヴ感を変えて演奏することもある。No.MENのサウンドを引っ張るという意味で、Rimaも同じような役割を担ってくれていると感じますね。
Rima(Key)
――最年少のNinaさんが、バンドの土台となるドラムパートを担当されているのもNo.MENの面白いところですよね。ファーストアルバムのニュース記事で「14才のドラマー」という文字を何度も見かけました。
Cocona Ninaは小学校3年生の頃からドラムをやってて。小学5、6年生でNo.MENが始まると同時に本格的にやり始めた感じです。
――何と、小学校3年生から!
Cocona 実はNina、学校に行けなくなった時期があって。そのタイミングでドラムにのめり込んで、急激に成長したんです。姉として学校に行けない妹の様子は心配でしたが、何に悩んでいるのか分からないし、下手なことは言えなくて。少しでも元気を出してもらえたらとセッションに誘ってみたら、わが妹ながらすごく上手で、天才だと思いました。Rimaもそうだけど、一緒にバンドをやるならNinaしかいない! って。身内贔屓なしにそう思いました。
Nina(Dr)
Uri 私がギターから他の楽器に転向するとき、当然ながらドラムの選択肢もあったんですよ。ドラムのほうが華やかでカッコいいなって気持ちもあったけど、家に置けないと思い、ベースを選びました。もし私がドラムを選んでいたら今のNo.MENはなかったかもしれないと思うと、それもまた運命だなって思います。
Cocona 2つ下に弟もいて、彼はベースをやってるんですよ。No.MENを結成するとき、弟には「ベースはUriがいるからごめんね」って断りました。Uriが受験でライブに出られないとき、サポートに入ってくれたこともあったけど。本当、うまい具合に各パートがハマりましたね。
【ゴスペルを軸に変化し続ける】――Coconaさん、Rimaさん、Ninaさんは幼少期からゴスペルに触れて育ってきたと伺いました。Uriさんがゴスペルを聞くようになったのは、Coconaさんの影響で?
Uri 完全にそうです。「ベースをやるんだったら、ゴスペルを聴いてみるといいんじゃない?」っておすすめされました。私はもともとHelsinki Lambda ClubやSuspended 4thといった邦楽のロックバンドが好きで、主にギターの音に魅了されてきた人間なので、実際に自分で触れるまでベースの役割をちゃんと理解していなかったんですよ。Coconaがよく言う"グルーヴ感"も雰囲気で感じるだけだったのですが、ゴスペルを聴いたら一気に捉え方が変わりました。ベース、めっちゃ大事じゃん! って。
Cocona 私も自ら好んでゴスペルを聴くようになったのはNo.MENを組んでからなので、わりと最近です。きっかけは、バンドをやっていくにあたって私は何を伝えたいのか? 何を伝えられるのか? を考えるようになったこと。自分自身の経験、ルーツと向き合う中で、改めてゴスペルに立ち返った感じです。SuchmosやKing Gnu、Bialystocksといった好きなバンドのルーツにブラックミュージックがあることに気が付いたのも大きかったですね。Uriが言うように、ゴスペルにおけるベースは躍動感を生むエネルギッシュなパートなんですよ。日本のバンドサウンドでは味わえないグルーヴ感がある。すぐUriに「聴いてみて!」と伝えました。
Uri ゴスペル特有のベースの音色がある気がして、私もそれを目指すべく日々研究中です。カッコいいのはもちろんなのですが、私たちの世代でここまでゴスペルにこだわって音作りをしている日本のバンドもいないと思うので突き詰めたいですね。
Cocona 私もUriと同じ気持ちで、自分のルーツであるゴスペルへの理解をもっと深めようと努力しているところです。改めて両親に話を聞くと、私の母の師匠はキング牧師の秘書のお孫さんで、人種差別の苦しみやゴスペルにかけられた希望について、直接的に思いを聞いてきたそうなんです。感覚で楽しめるのも音楽の醍醐味だけど、全ての音楽には歴史があって、生まれた背景があって、先人たちが築いてきた重みがあるわけだから、ちゃんと理解した上でルーツとして継承していきたいと、より強く思うようになりました。きっとそれがNo.MENの強みになるし、自分たちが表現したい音楽に繋がるはずだから。
――3月に発売されたファーストアルバム『BAA, AS THE SHADOWS LOOM』の最後に収録されている「surrender」はまさにCoconaさんのルーツを象徴した楽曲という感じがしますね。バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」に繋がるメロディといい、ライブで聴いたときもすごく印象に残りました。
Cocona ありがとうございます。「surrender」は私が感化された旧約聖書の詩篇をもとに歌詞を書きました。信じることは希望になる。自分のルーツと経験をもとに、そんな思いを歌に乗せました。それも含めて今回のアルバムは、私たちの自己紹介的な一枚になったと思います。今までもいくつか配信シングルを発表してきましたが、その時々で色んなものに影響を受けて楽曲を作ってきたので、No.MENらしさが伝わりづらかったと思うんです。でも私たちは高校生からバンドを始めて、メンバーにはまだ10代の学生もいる。日に日に聴く音楽も変わるし、興味関心が目まぐるしく移ろう中で活動を続けてきた。その偏りのなさが今の私たちらしさなんじゃないかって。
――昨年はNinaさんがK-POPにハマったという話もありましたもんね。今は色んな音楽にアクセスしやすい時代ですし、ルーツであるゴスペルを軸に、幅広く影響を受けながら変化していくのがNo.MEN独自の音楽性に繋がっていくとも言えそうです。
Cocona ゴスペルについてたくさん語らせていただきましたが、最近はシティポップにも興味があります。高校生の時は悩みも少なく、高揚感を得るためにライブに行ったり音楽を聴いたりしていましたが、大人になるにつれて、音楽に救われる瞬間がすごく増えた気がするんです。中でも日常に溶け込むシティポップのメロディは心地良く感じます。
Uri この春はRimaが受験生だったし、次はNinaが受験生。こんなにも順番に人生の局面を乗り越えながらバンド活動をしているのも、私たちくらいじゃないですか? 自分で言うのも何ですが、本当に唯一無二なバンドだなって思います。
――まだまだいかようにも変化していく予感がしますね。今は名古屋拠点ですが、今後上京予定はあるんですか?
Cocona 今のところはないですね。名古屋が肌に合っているし、何かきっかけがない限りは特に予定していないです。でも東京のお客さんはNo.MENのことをよく見てくださってる方が多い印象です。ライブに出ると「待ってました!」と言わんばかりの声援で迎えてくださるんですよね。ありがたいですし、刺激になっています。だから頻繁に東京には来たいですし、来たら色んな場所で遊びたいです(笑)。
――今後、どんなふうにNo.MENの音楽が広がっていくのか。ますます楽しみになってきました。長くなりましたが、最後にお二人が"音楽以外"で好きなものがあれば教えてください。
Uri 私はお笑いが好きです。中学生の時は、友達と一緒に漫才を考えたこともあって、家に当時の台本が眠ってます(笑)。特に好きなのはジャルジャルさんとヨネダ2000さん。お二組とも独創的なお笑いをされますよね。いつかお笑い関連のお仕事もやってみたいな、なんて思ったりもしています。
Cocona 私もUriほどじゃないけどお笑いが好きです。あと、アニメの『エヴァンゲリオン』。中学2年生の時の担任が、担当教科の国語の授業中にエヴァの解説をするほどの『エヴァ』好きだったんです。給食の時間も『エヴァ』を流していました。コロナ禍で"黙食"しなきゃだったからみんな見るんですけど、あまり食事中に見る作品ではないですよね(笑)。合唱コンクールでも「残酷な天使のテーゼ」を歌いました。
Uri その担任ヤバいね(笑)。
Cocona 趣味の押し付けが(笑)。でも今は、シンジくんと同じ年齢の頃に『エヴァ』を見られて良かったなと思っています。孤独を乗り越えたり、逃げてきたものに向き合ったり。シンジくんの繊細さや、作品から伝わるメッセージが当時の自分にものすごく刺さったんです。先生が教えてくれなかったら『エヴァ』の良さを知らずに大人になっていたと思うので、感謝してます。
* * *
才能あふれる彼女たちだけど、素顔はあどけなく、とにかくピュア。誠実さと遊び心が絶妙にブレンドしたNo.MENが奏でるダンサブルな楽曲は、公式YouTubeチャンネルや各種ストリーミングサービスでも聴くことが出来るので、今すぐチェックを!
●No.MEN(ノーメン)
愛知県名古屋市を拠点に活動するCocona(G, Vo)、Uri(B)Rima(Key)、Nina(Dr)から成る4人組ガールズバンド。平均年齢18才で、最年少のNinaは何と先日15才になったばかり! 若き才能という意味でも注目だが、ゴルペルやブラックミュージックをルーツに持ちつつ、現在進行形で柔軟に育まれている音楽的感性、その変化を見せてくれるのも彼女たちの魅力。ファーストアルバム『BAA, AS THE SHADOWS LOOM』が好評発売中! 7月5日開催されたNo.MEN Tour 2026「Brand New Day」最終日の名古屋公演は見事にソールドアウト!
公式X【@NoMENyeah】
公式Instagram【@no.men__】
公式YouTube【@nomen_yeah】
公式HP【https://lit.link/nomennn】
公式TikTok【no_men0】
取材・文/とり 撮影/渡邊りお

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