◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦12回戦 〇同級1位・増田陸―同級2位・比嘉大吾●(7月20日、東京・両国国技館)

 WBA世界バンタム級王座決定戦で、同級1位・増田陸(28)=帝拳=が同級2位・比嘉大吾(30)=志成=を2―1の判定で下し、世界初挑戦で王座を獲得した。名門・帝拳ジム創立100年の節目に誕生した「シン・神の左」は、立大出身者としては初めての世界王者となった。

初防衛戦はWBA同級休養王者・堤聖也(30)=角海老宝石=との団体内王座統一戦となることが濃厚。新王者も試合後「堤チャンピオンと戦いたい」と対戦を希望した。

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 帝拳ジムの新時代を切りひらいた。世界初挑戦で王座を手にした増田は「とても重たいベルトで、素直にうれしい」と喜びをかみしめた。創立100年の節目を迎えた名門ジムに、一撃必殺の左ストレートを武器とするジムOBの元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏の「神の左」を継承者する、「シン・神の左」が誕生した。

 序盤は多彩な前の手(右)で機先を制し、ガードを高く掲げて低い姿勢から襲いかかろうとする比嘉をコントロール。左アッパーや左ストレートのフェイントも駆使して「入られたらバックステップをして、自分の距離をつくることを意識した」。中盤以降はプレッシャーを受け下がらされる場面もあったが、冷静に「神の左」を差し込んだ。

 努力を重ね頂点へ上り詰めた。中村正彦ストレングス&コンディショニングコーチは「もともとパワーや瞬発力は申し分ないものを持っていたが、デビュー当初は平均的だった持久力が、ジムの中でもトップ争いをするぐらいまで格段に伸びた」と証言する。月に約10冊の本を読破する知性的な一面も、成長を後押しした。「練習の意味などを自分で解釈して取り組もうとする。

論理的に思考できる選手です」と評価した。この日も11、12ラウンドにギアを上げ、勝利を確実なものとした。増田の「60点ぐらい」との自己採点に、大和心トレーナー(51)は「結構高いね」とツッコミながらも「最後の2ラウンドが大きかった」と評価した。

 試合後の会見では「堤チャンピオンと、このベルトをかけて戦いたい」と明言した。増田は23年8月に当時の日本王者・堤に挑み判定で敗れ、プロキャリア唯一の黒星を喫している。ただ「正直、リベンジという気持ちはない。リマッチ。僕がチャンピオンになって、堤選手もチャンピオン。戦うとどうなるか、興味がある」。リベンジ(復讐)ではなくリマッチ(再戦)だと強調した。「これでスタート地点に立てた。ここから、このベルトの価値を上げたい。

チャンピオンとして、本物の、一流のボクサーになりたい」。帝拳の新時代を背負う「シン・神の左」は、真の世界王者を目指す。(勝田 成紀)

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