NHK連続テレビ小説「風、薫る」(月~土曜・前8時)で柳川文役を演じた女優の内田慈(ちか、43)に注目が集まっている。文は上坂樹里演じる直美の母親であることが判明。

胃がんに苦しみながら24日放送の第85話で亡くなり、ドラマは一つのクライマックスを迎えた。役作りのため半年間で9キロ体重を落としたという内田。一体どんな女優なのか。

 「瑞穂屋」の店員である文は、第6週で直美と初めて出会う。その後第16週で倒れた文を心配した直美が看護することになり、直美は母親ではないかと疑い始める。文は最後まで母とは明言せず、がんに苦しみながらこの日の放送で亡くなった。

 娘の直美と心を通わせながらも、時に冷たく接し、つかみどころのない病人役を熱演。半年間で9キロ落とした内田は公式サイトのインタビューで「私は別のドラマで体型のアプローチをして8キロくらい落としていたのですが、文の最期はもっと追い込まないといけないと思い、そこから更に体重を落としました。スタジオでの撮影が約2日あり、3日目にロケに行くスケジュールだったので、ハードでしたけれど皆さんのおかげで乗り切ることができました」と過酷な役作りを振り返った。

 その演技力の原点は舞台にある。内田は舞台女優を志し、1浪して日大芸術学部文芸学科に入ったが、中退。その後、劇団には属さずフリーで舞台出演を始め、19歳で舞台デビュー。

フリーとして劇団を横断しながら東京・下北沢の小演劇界を沸かせた。

 2018年のスポーツ報知のインタビューでは、劇作家の松尾スズキ氏に刺激を受けたと明かしている。人生を変えたのは、2000年10月に放送されたNHKの人物ドキュメンタリー番組「トップランナー」で松尾氏を追った画面にくぎ付けになり「松尾さんの言葉も舞台の映像も全部面白くて『なんだ、この世界!?』って思ったんです」。放送中、好きな言葉を問われた松尾が「『平等』です。だって、あり得ないじゃないですか」と語った言葉に衝撃を受け「言葉のセンスと、本当のことを言ってくれる大人だと思って。目の前には暗い道しかなかったのに、パッと開けたような気がしました」と語っている。

 30代半ばから、映画やドラマにも活躍の場を広げてきた。18年公開の「ピンカートンに会いにいく」(坂下雄一郎監督)で映画初主演。「ロストパラダイス・イン・トーキョー」「恋人たち」「葛城事件」などの映画に出演してきた。ドラマもフジテレビ系「silent」(22年)、TBS系「9ボーダー」(24年)、同「田鎖ブラザーズ」(26年)などの話題作に参加。2015年の「まれ」以来の朝ドラで存在感を放ち、ネット上では「魅力的な実力派という感じ。この後ブレイクするかもしれないと思いました」「ブレイクの予感」との声が集まっている。

 ◆内田 慈(うちだ・ちか)1983年3月12日、横浜市生まれ。43歳。日大芸術学部文芸学科中退後、劇団には属さずフリーで舞台出演を始め、小劇場界で人気を得る。映画は2008年の「ぐるりのこと。」でのスクリーンデビュー以降「ロストパラダイス・イン・トーキョー」「恋人たち」「葛城事件」や、ドラマ「重版出来!」「遺留捜査」「海月姫」「アバランチ」「silent」「夫婦が壊れるとき」「9ボーダー」「放課後カルテ 2025秋」「田鎖ブラザーズ」「孤独のグルメ Season11」などに出演。

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