大相撲名古屋場所13日目(24日、IGアリーナ)

 関脇・熱海富士が横綱・豊昇龍を寄り倒し、トップと1差の3敗を死守した。三役で10勝目を挙げ、大関昇進の起点もつくった。

大関復帰を決めている関脇・安青錦は大関・霧島との2敗対決を肩透かしで制し、11勝目を挙げて単独首位に立った。綱取りの霧島は3敗目を喫し、横綱昇進が極めて厳しくなった。優勝争いは安青錦を1差で霧島、熱海富士、平幕の尊富士、獅司が追う。

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 熱海富士が横綱の攻めを真っ向から受け止め、はね返した。立ち合いで豊昇龍の鋭い当たりを胸で止め、強引に下手投げに来たところを逃さず、体を寄せた。左上手を取って一気に寄り倒し、館内の大歓声を浴びた。支度部屋では従来通り付け人を通じて取材は断ったが、テレビインタビューで「自分はいつも通り、やることをやっているだけ。結果が付いてきてくれてうれしい」とはにかんだ。

 春場所で新三役となり、2場所続けて9勝と着実に力を付けてきた。身長187センチ、体重197キロの巨体に出足の鋭さが加わり、三役3場所目で初の2桁白星に到達。部屋付きで指導する楯山親方(元幕内・誉富士)は「あの体で動いて攻められたら、相手も考える余裕がなくなる」と解説。体格を生かすため食事にも制限をかけないように勧め「本人は197キロと言い続けているが、200キロ超えているのでは」と目を細める圧力を生み出している。

 三役での2桁白星は、もう一つ上の番付へ大きな意味を持つ。大関昇進目安は「三役で3場所33勝」。今場所で昇進への起点をつくった。大の里に続いて両横綱撃破と存在感も際立ち、八角理事長(元横綱・北勝海)は「大したもんだ。前に出ている。2本差されても投げを打たれても落ちなかった」と高く評価した。

 5連勝で3敗を守り、優勝争いでも単独トップの安青錦を1差で追走する。静岡県勢悲願の初Vへの期待が高まる状況も「そう言えばそうですね。あまり気にしてない」とサラリと受け流し、「毎日毎日、全力でやっているので。その結果が千秋楽でどうなるか」と表情を引き締めた。安青錦との対戦はまだ組まれておらず、自力優勝の可能性も残している。後半戦に勢いを増してきた23歳が平常心を貫き、初の賜杯を狙っていく。

(林 直史)

 ◆熱海富士 朔太郎(あたみふじ・さくたろう)本名・武井朔太郎。2002年9月3日、静岡・熱海市出身。23歳。小6から三島相撲クラブで相撲を始める。飛龍高から伊勢ケ浜部屋に入門。20年11月場所で初土俵。22年九州場所で新入幕。26年春場所で新小結、夏場所で新関脇昇進。敢闘賞3回、金星2個。得意は右四つ、寄り。好きな食べ物はすし、お茶漬け、プリン。187センチ、197キロ。

 ◆出身地別優勝回数 都道府県別で最多は北海道の120回。東京都が48回、青森県が38回で続く。海外ではモンゴルが104回。優勝力士を輩出していないのは熱海富士の静岡県など11府県で、宮城県、福井県、岐阜県、滋賀県、京都府、和歌山県、島根県、徳島県、宮崎県、沖縄県。

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