ふらっと こども電話相談室

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。

今回の質問は・・・

Q. クモはネバネバしているよこ糸とネバネバしていないたて糸をどうやって出し分けて張っているんですか?(埼玉県 りつとくん 10歳 小学5年生)

(回答した先生)佐々木洋さん/プロ・ナチュラリスト、自然案内人

向井おにいさん:クモのたて糸とよこ糸が違うことをぼくは知らなかったんですけど、なんでこんなことを知ってるんですか?

― 図鑑に「糸が違う」と書いてあって。

向井おにいさん:それで気になったんだ。図鑑を見るとこういう疑問が自分の中から湧き出てくるんですね。

佐々木先生:りつとくんはクモの糸を触ったことはありますか?

― 触ったことはないです。

佐々木先生:指で触るのが嫌だったら木の棒でもいいんですけど、触ってみると粘るところと粘らないところがある。たて糸は基本的に粘らない。これはクモが歩くため。自分が引っかかっちゃうと困るから。それから、よこ糸は粘る。これは獲物をかけるための糸なんです。たての糸は粘らない、よこの糸は粘る。

向井おにいさん:へえーっ。

佐々木先生:中島みゆきさんに教えてあげたいですね(笑)。

向井おにいさん:確かに中島みゆきの「糸」の歌詞みたいですけど(笑)。

佐々木先生:クモの糸はおなかの先にある「糸いぼ」という場所から出るんです。出る場所は同じなんだけれども、あるときは粘るよこ糸が出て、あるときは粘らないたて糸が出る。これをどうやって作り分けて、出し分けているのかというと、実はおなかの中に糸を作る場所があるんです。糸腺(しせん)といいます。この糸腺の中にタンパク質を作る場所があって、そのタンパク質を使って糸ができる。
糸腺はいくつかあって、たて糸のための糸腺があったり、よこ糸のための糸腺があったりして、それぞれ違ったタンパク質を作るわけ。たて糸を出そうかなと思ったときはたて糸を作る糸腺で作った糸を外へ出す。よこ糸を作ろうかなと思ったらよこ糸を作る糸腺の中で糸を作る。糸の中身、たんぱく質が違ってくるんだよね。それが同じ糸いぼから出てくる。

最初は液体なんだけれども、外に出て空気に触れたときに固まって糸になる。
たて糸やよこ糸のほかにもいろんな糸があって、いくつかの糸腺があるんだけど、言ってみれば、別の工場で作られて、同じ出口から出てくるという感じかな。わかるかな?

― ありがとうございます(笑)。

佐々木先生:クモって怖いとか気持ち悪いって言う人もいるけど、ぼくは大好きなんだよね。例えばジョロウグモというクモは身近なところにたくさんいるんだけれども、ジョロウグモの糸は鉄よりも強いと言われているんですよ。鉄がクモの糸の太さだったらジョロウグモの糸のほうが強いと言われていて、これを使っていろんなことを研究して作っていこうということを世界中の科学者がやっているんです。例えば宇宙飛行士が着る服に応用できないかとか。すごくないですか?

向井おにいさん:ほおーっ。

佐々木先生:身近なところにいるクモの糸がこれからの宇宙開発の役に立つかもしれない。ぼくたちの未来はクモにかかっているかもしれないんですよ。だからクモってすごいでしょう? リスペクトしていい生き物だと思うんだよね。

向井おにいさん:りつとくん、クモがよこ糸とたて糸を出し分けている方法は理解できましたか?

― はい、満足です。

佐々木先生:ありがとう(笑)。

クモはネバネバしたよこ糸と、していないたて糸をどうやって出し...の画像はこちら >>

(回答者プロフィール)佐々木洋さん。プロナチュラリスト、自然案内人。たぬきの帽子がトレードマークの「ささき隊長」として、全国各地で自然観察会を開いて、生き物や植物の面白さを伝えています。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』より抜粋)

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