ふらっと こども電話相談室

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。

今回の質問は・・・

Q. 塾の宿題をやるときにイライラしてしまいます。そんなときはどうすればいいですか?(東京都 みいなちゃん 10歳 小学4年生)

(回答した先生)恩蔵絢子さん/脳科学者

向井おにいさん:みいなちゃん、今日はなにをしてましたか?

― バスケやっていました。

向井おにいさん:バスケは部活?

― 習い事です。

向井おにいさん:いつからやってるんですか?

― 1年生のときからです。

向井おにいさん:今まで続けているということは、やっぱりバスケットボールは楽しいですか?

― はい。

向井おにいさん:どんなところが楽しいですか?

― シュートが入ったときに嬉しいところが楽しいです。

向井おにいさん:バスケットボールはいつまでやりたいって思っているんですか?

― できるだけ長く。

向井おにいさん:うん。バスケが大好きなみいなちゃんですが、今日聞きたいことはなんでしょうか?

― 塾の宿題をやるときにイライラしてしまいます。そのときにどうすればいいですか?

向井おにいさん:みいなちゃんは塾も行ってるんだ。今はそのイライラをどうやって収めてるの?

― できるだけ考え込んで・・・。

向井おにいさん:考えて考えて、もうやらなきゃしょうがないかと思って宿題をやる感じ?

― はい。

向井おにいさん:宿題は結構多い?

― はい。

向井おにいさん:学校も行ってバスケもやってとなったら、宿題をやる時間もなかなかないのかな。

― はい。

恩蔵先生:みいなちゃん、こんにちは。とっても面白い質問をしてくれてありがとう。バスケのときにはイライラしない?

― はい。

恩蔵先生:そうなんだね。塾の宿題でイライラすることが多い?

― はい。

恩蔵先生:うーん、そうか。どうしてなんだろう。塾の宿題ってみいなちゃんにとって難しいですか、それとも簡単すぎますか?

― 難しいです。

恩蔵先生:難しいんだね。

なんかね、人間は今の自分にとって難しすぎることをやれって言われると不安でイライラしてしまいます。そして、自分にとって簡単すぎても退屈でイライラしてしまいます。

― ほう。

恩蔵先生:じゃあ、楽しんでできるのはどういうときかというと、今の自分にとって難しさがちょうどいいときにいちばん集中して楽しくできると言われているのね。そうしたらさ、みいなちゃん。工夫できることがあるんだ。

― はい。

恩蔵先生:自分で課題の難しさを調節するってこと。宿題はたくさん出るんだよね?

― はい。

恩蔵先生:やだね(笑)。しかもバスケとかで忙しいのに難しくてたくさんの宿題が出たら、それはみいなちゃんがイライラして当たり前だよ。

― はい。

恩蔵先生:じゃあどうするかというと、まずひとつでいいかも。塾の宿題がいっぱいある中で、「これだったらやってもいいかな」って思うものをひとつまず見つける。そして、それに挑戦してみてちゃんと終わらせることができたりうまくいったりしたら、もう超絶、自分を褒めてあげて。

― はい。

恩蔵先生:だって難しいことに挑戦してちゃんとそれができたってことは、みいなちゃんがめっちゃ成長してるってことなの。

― はい。

恩蔵先生:だけど、もしかしたら塾では「宿題を全部やってこなかった」って怒られるかもしれないんだけど、本当は課題の難しさは自分で調整していいの。
みいなちゃんはさっき「バスケは楽しい。ずうっとやっていたい」って言ったじゃない。それで、シュートが入ったときに嬉しくて、そういう喜びがあるからもっとやりたいって思うじゃない。だから学校の勉強とか塾の勉強についても、シュートが入ったときみたいに本当に楽しいって自分で喜ぶというきっかけがないとだめなのね。だからひとつでいいから「できた!」とか「本当に面白かった!」って言って、自分の喜びを作ってほしい。

そうするともしかしたら面白くなって、バスケみたいに「どんどんやりたい」って思うかもしれない。

向井おにいさん:うーん、確かに。みいなちゃん、今のお話を聞いていかがでしたか。

― ちょっとやってみたいと思いました。

恩蔵先生:よかった。

向井おにいさん:確かに、みいなちゃんがバスケをこれだけ楽しんで「もっとうまくなりたい、もっとやりたい」って思う気持ちの何パーセントかでも勉強とか宿題に芽生えたら・・・。

恩蔵先生:そう。もっとやりたいって思うかもしれない。だから「シュートが入った!」っていう感覚を宿題でも・・・。

向井おにいさん:「問題が解けた!」とか。

恩蔵先生:そうそう。それで、もう先生になんて言われてもいいから、怒られてもいいから、自分ができたことは「超すごい!」って一回ちょっと喜んでみてほしい。

― はいっ!

向井おにいさん:なんかいい返事になりましたねえ! みいなちゃん、もう大丈夫ですか?

― 大丈夫です。

向井おにいさん:うん! みいなちゃん、今日はありがとうございました。

― ありがとうございましたー!

向井おにいさん:いやあ。なんか最後の声の張りを聞いて、みいなちゃんのなにかがほぐれたのは感じました。

恩蔵先生:よかった。バスケの喜びを知ってるということが大きいかなと思いました。

宿題をやるとイライラしてしまいます。どうすればいいですか?の画像はこちら >>

(回答者プロフィール)恩蔵絢子さん。脳科学者。人間の意識や気持ちの動きと脳の働きについて研究しています。著書に『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか 脳科学でわかる、ご本人の思いと接し方』(中央法規出版。共著)、『脳科学者の母が、認知症になる』(河出書房新社)など。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』より抜粋)

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