チェルシーの共同オーナーのボーリー氏 photo/Getty Images
チームは昨シーズン10位
チェルシーの共同オーナーを務めるトッド・ベーリー氏と、長年のビジネスパートナーであるマーク・ウォルター氏が、クラブの保有株を売却する可能性が浮上している。両氏はチェルシーの筆頭株主である投資会社クレアレイク・キャピタルとの間で、保有株の売却について協議を行っているという。
2022年5月にロマン・アブラモビッチ氏からチェルシーは売却され、これまで複数の投資家によって構成されてきた。しかし、クラブ運営をめぐってベーリー氏とクレアレイク・キャピタルの共同創業者であるベダッド・エグバリ氏の間には、以前から意見の相違があると伝えられている。
今回浮上した株式売却の可能性は、そうした共同オーナー間の関係に大きな変化をもたらす可能性がある。
ベーリー氏とウォルター氏は、チェルシーと姉妹クラブのストラスブールを保有するブルーコ22・ホールディングスの主要投資家だ。両氏は同社の株式をそれぞれ3分の1ずつ保有しており、チェルシーに換算すると、それぞれ約12.8%の持ち分を持つとされる。
つまり、両者の株式を合わせると、チェルシー全体の4分の1を超える規模となる。
仮にベーリー氏とウォルター氏が保有株をクレアレイク・キャピタルへ売却した場合、同社の持ち分は86%以上に達する見通しだ。そうなれば、クレアレイク・キャピタルがチェルシーの将来について、ほぼ完全な主導権を握ることになる。
現在議論されている新スタジアム建設計画についても、クラブの意思決定構造が大きく変化する可能性がある。
一方で、今回の報道については慎重な見方も出ている。ベーリー氏とエグバリ氏の対立は以前から報じられており、今回の売却話についても、その長期化するオーナー間の駆け引きの一部ではないかと見る関係者もいるようだ。
ただ、ウォルター氏をめぐる状況にも変化が起きている。米国当局は現在、同氏が関係する保険会社の金融取引について調査を進めているとされている。また、ウォルター氏は最近、ロサンゼルス・レイカーズの保有株売却でも合意したと報じられた。
ベーリー氏とウォルター氏は、チェルシーだけでなく、ロサンゼルス・ドジャースや女子バスケットボールチームのロサンゼルス・スパークスなどにも共同で投資してきた。両者は長年にわたるビジネスパートナーであり、今回の動きは単なるチェルシーの経営問題にとどまらない可能性もある。
オーナーが代わり、チェルシーは積極的な補強を続けてきた。アメリカ資本による買収後、クラブは移籍市場で20億ポンド以上を投じ、多数の若手選手を獲得している。
しかし、その巨額投資が必ずしもピッチ上の成功には直結していない。チームは昨季、プレミアリーグで10位に終わり、欧州大会出場を逃した。
こうした状況を受け、チェルシーは今季の補強方針にも変化を加えている。これまでのように将来性を重視した若手選手中心の補強だけでなく、経験豊富なFWダニー・ウェルベックやジMFョーダン・ヘンダーソンを加えるなど、即戦力とリーダーシップを重視する方向へシフトしている。
ピッチ上では再建を目指すチェルシーだが、その裏ではオーナーグループの構造そのものが大きく変わる可能性がある。

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