大谷翔平は10月に投げるのか? ドジャースが抱える「二刀流継...の画像はこちら >>

投手復帰が不透明な大谷 photo/Getty Images

ドジャースが迫られる決断

大谷翔平のポストシーズンでの登板は、いまだ不透明な状況にある。

米『ESPN』は4日、「大谷翔平は10月に投げるのだろうか?」と題した記事を掲載。

大谷の現在のコンディションやドジャースの戦力事情を分析し、10月に二刀流を継続するのか、その判断をめぐる5つのポイントを取り上げている。

大谷は3日の試合で10回に迎えた第5打席で三振。この打席では下半身を十分に使えていないようなスイングを見せ、ベンチへ戻る際には右腕を振る仕草も見られた。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、この場面について「氷山の一角」と表現。大谷は翌4日の試合を欠場し、状態は「日々様子を見る」とされた。

大谷は7月3日を最後に登板しておらず、8月28日のブルペンセッションも左膝と右上腕二頭筋の痛みを訴えて途中で切り上げている。投手としての復帰を目指す一方で、故障の影響が打撃にまで及び始めている可能性が浮上している。

『ESPN』が最も重視しているのが、ドジャースにとって大谷は投手と打者のどちらがより重要なのかという問題だ。

ロバーツ監督は「彼の打撃面での価値は非常に重要。我々はいかなる形でもそれを損なうことはできない」と明言している。

実際、ドジャースには大谷が投げなくても強力な先発陣が揃っている。タリック・スキーンズ、山本由伸、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノーらがおり、ポストシーズンでは先発4人を中心に戦えるため、大谷の投手起用を断念しても戦える余地はある。


一方、打線は事情が違う。

7月以降のドジャース打線はOPSで22位、1試合平均得点で23位、wRC+で22位と低迷。カイル・タッカー、テオスカー・ヘルナンデス、トミー・エドマンらも8月に調子を落とし、フレディ・フリーマンは47試合ぶりとなる本塁打を3日に放ったばかり。ムーキー・ベッツも苦しいシーズンを送っている。

そのため『ESPN』は、大谷が10月に投げなくてもドジャースが世界一になる姿は想像できるが、大谷が打者として本来の状態を失ったままでは優勝は極めて難しいと指摘している。

さらに気になるのが、投球が打撃や走塁に与える影響だ。

大谷は2025年に投手としての調整を本格化させて以降、盗塁数が明らかに減少。2024年には59盗塁を記録したが、2025年は投手としての準備が進むにつれて走塁が控えめになり、今季も盗塁企図は14回にとどまっている。

もっとも、ポストシーズンでは盗塁そのものの重要性がレギュラーシーズンほど高くないため、投手として起用することによるメリットを捨ててまで走塁面を改善させるべきかについては、ドジャース内部でも慎重な判断が求められる。

そして最大の問題が、大谷がどれほどの痛みを抱えているのかだ。

ロバーツ監督は、大谷が100%の状態でシーズンを終えることは難しいとの見方を示しつつ、「100%ではない投手でも十分に戦力になる」と説明している。

つまり、ドジャースは大谷を完全復活させることだけを目指しているわけではない。
10月までに十分な投球ができる状態になれば、短いイニングでも起用する可能性がある。

例えばグラスノーの前に大谷をオープナーとして投入し、ブルペンの負担を減らす。あるいは、僅差で迎えた終盤にリリーフとして登板させる――。『ESPN』は、こうした限定的な起用でもポストシーズンでは大きな価値があると分析している。

しかも、大谷を投手として登録しておくことによって、ドジャースが余分な投手枠を失うわけではない。この点も、球団が簡単に投手としての可能性を捨てられない理由となっている。

ただし、そのためには9月末までに再びマウンドから投げられる状態になる必要がある。

ロバーツ監督も「投手としてシャットダウンすることも選択肢」と認めている。

最終的な決断には、大谷本人の意思も大きく関わるという。

「彼自身の決断だ。彼ができると感じているなら、意味がなくなるまで続ける」

大谷の二刀流を10月まで維持するのか、それとも打撃に集中させるのか。ドジャースにとっては、「投手・大谷を諦めること」よりも、「投手・大谷を追い続けることで打者・大谷を失うこと」のほうが大きなリスクになりつつある。


ポストシーズンまで残された時間は、わずか1カ月弱。大谷の二刀流復活をめぐる決断は、ドジャースの2026年シーズンの行方を左右する重要なテーマになっている。

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