スクラムでオールブラックスを粉砕! フィジカルの真骨頂見せつ...の画像はこちら >>

肩をガッチリと組んでハカを見つめるスプリングボクスメンバー photo/Getty Images

オールブラックス先制も束の間

ラグビーニュージーランド代表(以下オールブラックス)が南アフリカに長期遠征するラグビーズ・グレイテスト・ライバルリー・ツアー内で4試合予定されている、南アフリカ代表(以下スプリングボクス)とのテストマッチの第3戦が現地時間の9月6日に行われ、スプリングボクスが29-24でオールブラックスを振り切った。両代表の通算成績はオールブラックスの65勝4分44敗となった。



1勝1敗で迎えたこの一戦、オールブラックスは、前の試合で開始早々からいきなりスプリングボクスのフィジカルの強さを見せつけられたことを反省し、いつも以上に試合開始のキックオフに気合が入っていた。集散の素早さで連続して接点を制し、トライライン手前まで迫ると、密集でのコンテストに気負いこむスプリングボクスFWの隙をついてNo.8アーディー・サヴェアがピック&ゴーで先制トライ。スプリングボクスもすぐさまトライを取り返すが、オールブラックスは25分にまたもサヴェアが密集になるかならないかのギリギリの状態の場面からボールを持ち出してトライ。12-5とリードを奪う。

しかし30分過ぎにサヴェアが右肩を負傷して退場するとオールブラックスのモメンタムは著しく削がれた。36分過ぎに、スクラムを粉砕され、ペネルティートライを奪われてしまったのだ。オールブラックスにして非常に珍しい、完全に押し負けてのペナルティートライで試合の潮目は大きくスプリングボクスに傾いた。スコアは12-12の同点だったが、明らかにスプリングボクスに勢いがついてしまった。

後半に入り、最初のトライこそオールブラックスが奪ったが、スクラムを組むたびに必ず押し負け、反則を取られる状況下でオールブラックスのFWは次第に自信を失い、チームの勢いも削がれていった。後半17分のCTBジェシー・クリエルのトライはBK同士1対1の場面で当たり負けして奪われたものだったし、25分のトライもオールブラックスのほぼ全てのFWを巻き込んだ上で、スプリングボクスFWが塊となってトライライン間際までボールを運び、最後はHOマルコム・マークスがインゴールに雪崩れ込んで奪ったもの。スクラムで得たチーム全体のモメンタムを、個々の選手のフィジカルの強さに上乗せして奪った、スプリングボクスの真骨頂とでもいうべき2つのトライだった。

オールブラックスはサヴェアの不在が響いてか、後半は奔放な球回しで相手DFラインに綻びを作り、そこを徹底的に攻める、という得意パターンに全く持ち込めなかった。
普段なら何か仕掛けるであろう場面で、判で押したようにCTBジョーディー・バレットがタテをついてクラッシュという、面白みのない攻撃に終始し、有効なゲインができなかった。最後の最後で1トライを返し、24-29まで迫ったがすでに試合終了のフォーンが鳴った後だった。

これでこのシリーズのテストマッチはスプリングボクスの2勝1敗となった。サヴェアの怪我は重篤らしく、第4戦は欠場の見込みだ。キャプテンを欠き、スクラムの圧倒的な差を見せつけられたオールブラックスが果たしてどのような戦略で最終戦に臨むのか。来年のW杯の行方を考える上でも見逃せない戦いだ。

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