ワラビーズ、3年ぶりにプーマトロフィー奪取も、負けに等しい引...の画像はこちら >>

チーム3本目のトライを決めたFLマクライト photo/Getty Images

約8分間も2人多い状態で戦うも……

ラグビーオーストラリア代表(世界ランク7位、以下ワラビーズ)とアルゼンチン代表(同8位、以下ロス・プーマス)のテストマッチ2連戦の第2試合が9月6日に行われ、両者相譲らず28-28で引き分けた。通常はザ・ラグビー・チャンピオンの一環として行われるこの2連戦の勝者にはプーマトロフィーが贈られるが、今年の対戦はワラビーズが1勝1引分(第1戦に27-21で勝利)で勝ち越したため、3年ぶりにプーマトロフィーを奪還した。

両代表の通算対戦成績はワラビーズの30勝4分10敗戦となった。

両チームともにミスの少ない締まった試合が展開された。FWのフィジカルバトルも、BKの展開力もほぼほぼ互角で、お互いに相手の隙を見つけられない、作り出せない展開が前半20分過ぎまで続いた。

20分と27分にワラビーズが、ようやくトライライン前のフィジカルバトルでわずかに上回り、2連続トライを奪ったが、ロス・プーマスも果敢にフィジカルバトルを挑み、ワラビーズに劣らぬパワフルな突進を連続させて、前半35分にワラビーズDFをこじ開けてトライを奪う。さらに前半終了間際には、敵陣でのマイボールラインアウトで、ワラビーズのDFラインの隙を見事に見切ったサインプレイを仕掛け、この試合一番の鮮やかなトライを奪って同点に追いつく。しかし、前半の残り時間でトライライン間際まで迫りながら、最後の最後にミスが出て逆転できなかったことが、引き分けへの伏線となる。

前半最後のピンチを凌いだワラビーズは後半6分に勝ち越しトライを奪い、ロス・プーマスにダメージを与えたかに思えたが、ここから徐々にロス・プーマスが勢いを増していく。接点の攻防で優位に立ってじわじわと前進し、トライライン間際にまで迫ったところでFWがパワープレイを仕掛け、14分と21分に連続トライを奪って、この試合初のリードを奪う。

来年のW杯を自国で迎えるワラビーズは、ここ数年の低迷からの脱出にかける強い思いを持っていたようで、逆転を許した直後から、文字通り死力を振り絞って、猛攻撃を仕掛けた。あまりの攻撃に、ロス・プーマスDFがたまらずデリバレイト・ノック・フォワードの反則を犯し、67分に1人が退場。そしてその2分後には別のプレイヤーが同じ反則を犯し、認定トライを奪われて同点とされた上に、残り時間10分のうち、約8分間をBK2人を欠いた13人で戦わざるを得ないという窮地に追い込まれたのだ。

しかし、ここからのロス・プーマスは冷静だった。
ワラビーズのノック・フォワードの反則で敵陣に入ると、「数があっている」FWで密集戦を仕掛け続け、時間を確実に消費するという戦法を採ったのだ。ワラビーズは数的優位を活かせず、敵陣の浅い位置までしか攻め込むことができなかった。そして、ロス・プーマスはロスタイムに入ってからは、なんと攻めに出たのだ。残念ながら数的不利は覆せず最後はボールを蹴り出して試合を終了させたが、最後まで攻める姿勢を見せたことに胸を熱くした観客は多かったと思う。

ワラビーズはまさに負けに等しい引き分け。2人の数的優位というアドバンテージを活かし切れなかったことは、チーム再建への道がまだ半ばであるということを如実に示した。この後に控えるニュージーランド代表とのブレディスローカップ、そして来年のW杯までにどこまで強いチームを作り上げられるのか。前回のW杯では史上初の予選敗退とどん底まで落ちたチームの再起へのストーリーはまだまだ続く。

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