ブロードコムの決算発表、ガイダンスの上方修正見送りで失望感
ブロードコム(AVGO)が発表した2026年2-4月期決算は、売上高が221億9,000万米ドル、非米国会計基準(GAAP)の1株当たり利益(EPS)が2.44ドルで市場予想とおおむね一致した。EBITDAマージンは68.7%でガイダンスの68.5%をわずかに上回った。
AI半導体の売上高は108億米ドル(ガイダンスでは107億米ドル)で、半導体部門売上高150億ドルの71%を占めた。一方、インフラソフトウエア部門の売上高が約72億米ドルだった。
2026年5-7月期の売上高のガイダンスは294億米ドル。半導体の売上高とAI半導体の売上高はそれぞれ205億米ドル、160億米ドルで、インフラソフトウエアの売上高は89億米ドルを見込む。
2026年10月通期のAI半導体売上高の予想は560億米ドルで、2026年下期(5-10月)は上期比92%増の368億ドルを見込むが、市場予想580億ドルは下回る見通し。2026年5-7月期の粗利率とEBITDAマージンはそれぞれ74%、68%を見込んでいる。
ブロードコムはタイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)の先端パッケージ技術「CoWoS(コワース)」について増産能力分の多くを割り当てられる見込み。エヌビディア(NVDA)に次ぐ割り当てになる。
ブロードコムに割り当てられるCoWoSのキャパシティは前年比75%増となり、AI半導体の売上高を2倍にするには十分な水準。半導体生産の重要なプロセスが確保される見通しとなる中、1,000億米ドル超という売上高見通しは上方修正されず、市場の失望を誘った。
さらにブロードコムについては、グーグル(アルファベット:GOOG、GOOGL)の独自開発チップ「TPU」への依存度が高いことへの懸念が強い。グーグルが台湾の聯発科技(メディアテック)やマーベル・テクノロジー(MRVL)など他の設計企業との協業を強める可能性があるのが理由。
グーグルは顧客所有ツール(COT)モデルの拡大を通じ、知的財産権(IP)や設計プロセス・フローをより直接的に管理し、設計サービス企業の付加価値を低下させる可能性もある。
ソフトウエア需要の減少懸念はあるものの、企業のオンプレミス型AI構築に対する需要が極めて強いという見方が一部相殺要因となっている。
タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリングはブロードコムのサプライチェーン拡張の恩恵を受けるが、「誰にでも供給するファウンドリー」として顧客間シェア構造には中立的な立場。
ASEテクノロジー・ホールディング(ASX)もTPUの恩恵を受ける一方、COTモデルの一段の拡大はメディアテックとの関係が深い京元電子集団(KYEC)にとって追加的な上振れ要因となる可能性がある。
(Bank of China int.)

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