日経平均株価は急騰しましたが、日本には割安な銘柄がまだたくさんあります。今回は、日本を代表する日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HDといった企業の財務指標を分析しつつ、長期保有に値する割安株の選定基準を学びましょう。


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【投資クイズ】日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HD…高収益&割安&高配当なのは?
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今日のクイズ

 以下は、日本製鉄(5401)・JR東海(東海旅客鉄道:9022)・KDDI(9433)・東京電力ホールディングス(9501)いずれかの業績、株価指標です。


 A社・B社・C社・D社はそれぞれ、日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HDのどれでしょうか?


【投資クイズ】日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HD…高収益&割安&高配当なのは?
出所:営業利益は今期(2027年3月期)会社予想、売上高を100とした比率で表示。会社予想を開示していない東京電力HDは市場予想。営業利益18.9は、営業利益率が18.9%であることを示す。配当利回りは、今期1株当たり配当金(会社予想)を6月9日株価で割って算出。PERは6月9日株価を今期1株当たり利益(会社予想)で割って算出

 6月9日時点での私の投資判断は、日本製鉄はHOLD(保有継続)、JR東海とKDDIはBUY(買い)、東京電力HDはAVOID(投資せず)です。


日経平均は急騰したが、割安な高配当利回り株はまだ多い

 日経平均は6万円台に入り、一時7万円に迫る場面もありました。ただし、それは東京エレクトロン(8035)やソフトバンクグループ(9984)など一部のAI・半導体関連株にけん引されたものです。


 東証上場株の全体を見渡すと、まだ「解散価値といわれるPBR1倍を割れた」銘柄もたくさんあります。今回のクイズに出したB社・C社・D社は、PBR1倍を大きく割れており、PERで見ても割安な銘柄です。


 ただし、配当利回りの観点では、A社とC社は高水準なものの、B社は低く、D社は無配です。営業利益率を見ると、A社・B社は高くて安定感があるものの、C社・D社は4%と低く、利益は不安定である可能性があります。


PBR1倍割れとは

「PBR1倍割れ」について、図解して説明します。


 PBRとは、純資産(資本)の金額と比べて、株式時価総額が何倍になっているかを、示す値です。以下、イメージ図をご参照ください。


<株式会社のバランスシート(資産・負債・資本の残高シート)イメージ図>
【投資クイズ】日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HD…高収益&割安&高配当なのは?
出所:筆者作成

<PBR1倍イメージ図>
【投資クイズ】日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HD…高収益&割安&高配当なのは?
出所:筆者作成

 株式時価総額と資本の額が一致するのが、PBR1倍です。


<PBR2倍・PBR0.5倍イメージ図>
【投資クイズ】日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HD…高収益&割安&高配当なのは?
出所:筆者作成

 株式会社は利益を生みだし成長していくものです。利益を生みだす力への期待が高ければ、PBRは2倍や3倍に高まります。一方、損失を出し続ける懸念がある企業や不良資産を抱えている企業は、解散価値といわれるPBR1倍を大きく割り込むこともあります。


 日本には財務内容が良好で、利益も出しているのにもかかわらず、PBR1倍を割っている株が多く、割安株として投資していく価値が高いと考えています。


正解

 正解は以下の通りです。


【投資クイズ】日本製鉄・JR東海・KDDI・東京電力HD…高収益&割安&高配当なのは?
出所:予想配当利回りは、2027年3月期1株当たり配当金(会社予想)を6月9日株価で割って算出。1株当たり配当金は、KDDIは84円、JR東海は32円、日本製鉄は24円、東京電力HDは0円

 以下、4銘柄についてコメントします。


【1】KDDI(証券コード9433)


 営業利益率の高い、高配当利回り株として、長期投資していく価値が高いと判断しています。今期(2027年3月期)は、25期連続の増配を予定しています。


【2】JR東海(証券コード9022)


 JR東海は、配当利回りは低いが、PBR1倍割れの割安株として投資妙味があると判断しています。東海道新幹線という安定的に高収益を稼ぐビジネスを持つので、営業利益率が極めて高く、長期的に成長性もあります。


 JR東海の株価がPBR1倍割れまで売られているのは、リニア中央新幹線の工事が長らく静岡県で止まっており、東京~名古屋間の開業が遅れる見通しとなったことが原因です。


 リニア中央新幹線事業の先行きへの悲観から株価はPBR1倍割れまで売られています。ただし、静岡県での工事は今年にも再開される見込みです。開業は大幅に遅れますが、リニア中央新幹線が将来の成長につながる期待は続きます。PBR1倍まで売られた現在の株価は割安で、「ここで投資をして良い」と判断しています。


【3】日本製鉄(証券コード5401)


 私がファンドマネジャーならば、ぜひ投資したい銘柄です。

USスチールの買収を完了させ、今後、米国で成長していくと期待しています。


 ただし、アナリストとしての投資判断はHOLDです。極めて投資リスクの高い銘柄だからです。政治に翻弄(ほんろう)されることが懸念されます。米国政府に黄金株を握られているため、今は米国政府と良好な関係にありますが、将来、何らかの理由で米政府と対立するようになると、企業価値が低下します。


【4】東京電力HD(9501)


 原発事故の補償がまだ完了していないために、まだ無配のままです。現時点で、投資判断はAVOID(投資しない)です。


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(窪田 真之)

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