ベース(4481)は、金融機関や大手企業向けのシステム開発を手がける独立系SIerです。営業利益率は26%台と高く、受託開発中心のIT企業としては高収益で投資妙味があると考えます。
ベースはどんな会社?
ベース(4481)は、1997年設立の東証プライム上場企業です。主な事業は、金融機関や製造業などの大手企業向けシステム開発、運用保守、企業向け基幹システム「SAP」の導入支援です。
SIerとは、企業のシステム開発や導入を請け負う会社のことです。ベースは自社製品を大きく売る会社というより、大手顧客企業のシステム開発を支援する受託開発型のIT企業に分類されます。
主要顧客には、富士通(6702)、野村総合研究所(NRI)(4307)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などが並びます。大手企業との取引実績がある点も安定感があります。
注目ポイント1:受託開発型でも利益率が高い
ベースの最大の特徴は、営業利益率の高さです。2025年12月期の営業利益率は26.4%で、受託開発中心のIT企業として高い水準です。
この高収益を支えているのが、同社独自の戦略です。意思決定権を持つ幹部人材が顧客先の現場に近い場所でプロジェクトを管理することで、赤字案件の発生を抑え、スピーディーな対応を可能にしています。
一般的に、受託開発型のIT企業は人件費やプロジェクト管理コストが重くなりやすく、利益率を高めにくいビジネスです。その中でベースが26%台の営業利益率を維持している点は、個人投資家にとって大きな注目材料です。
<ベースの業績> 決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 2025年12月期
(実績) 217.8億円 57.4億円 58.0億円 42.2億円 2026年12月期
(通期予想) 240.9億円 63.4億円 63.4億円 45.6億円 出所:会社資料より楽天証券経済研究所が作成
2025年12月期は、売上高・利益ともに好調で、全利益指標で過去最高を更新しました。
ただし会社側は、2026年12月期通期で売上高10.6%増、営業利益10.4%増の増収増益計画を据え置いています。第1四半期の遅れを今後挽回できるかどうかが、短期的な注目点です。財務面では、自己資本比率75.3%、無借金経営、現金および預金約109億円と、非常に安定した財務基盤を持っています。
注目ポイント2:高配当だが、記念配当込みである点に注意
個人投資家にとって特に目を引くのが、ベースの配当利回りです。2026年12月期の年間配当は、創立30周年記念配当60円を含めて1株当たり186円の予想です。株価を2,874円(2026年6月22日終値)で、予想配当利回りは6.47%に達します。
ただし、この高配当には注意が必要です。一時的な記念配当が含まれていて来期以降も同じ水準の配当利回りが続くとは限らないため、通常配当ベースでは4.38%だということにも注意する必要があります。記念配当とは、企業が創業〇周年や上場〇周年といった節目を記念して、通常の配当に上乗せして支払う配当金のことです。
それでも、ベースは無借金で手元資金も厚いため、株主還元を行う余力は十分にあると考えられます。記念配当がなくなった後も、利益成長が続けば4%台半ば程度の配当利回りを期待できる財務内容となっています。
<ベースの配当推移>
ベースと競合企業の比較
ベースと同様に高い収益性を誇るIT企業として、SAP/ERP関連に強い「ビジネスエンジニアリング(4828)」と、高自己資本利益率(ROE)かつ株主還元に積極的なITサービス企業「システナ(2317)」が挙げられます。以下が各社の主要指標です。
<競合と指標> 指標 ベース
(4481) ビジネスエンジニアリング
(4828) システナ
(2317) PER
(予想株価収益率) 11.4倍 12.6倍 13.3倍 PBR
(株価純資産倍率) 3.67倍 3.62倍 3.57倍 配当利回り 6.47% 4.29% 4.54% ROE 30.72% 33.20% 31.39% 出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成、2026年6月22日時点
ベースの配当に目が行きやすいのですが、真の強みは下請け型SIerでありながら自社プロダクト企業並みの高利益率を誇る点です。
ビジネスエンジニアリングが自社製品で高いマージンを得ているのに対し、ベースは受託開発中心でありながらコスト削減で同等の営業利益率26.4%で株価収益率(PER)11倍台という評価は、競合と比較して相対的に低い水準にあり、割安感があります。
またAI推進室の設立など、従来の受託開発からAI活用型ITサービス企業への進化を目指していることも、注視したい点です。
まとめ
ベースは、高収益、無借金、高配当という、三つの魅力を持つIT関連銘柄です。受託開発中心でありながら営業利益率26.4%を実現している点は、同社の大きな強みです。
ただし、今期の高配当には記念配当が含まれているため、利回りだけを見て判断するのは避けたいところです。今後は、通期業績の進捗(しんちょく)、通常配当ベースの還元力、AI活用による成長性を確認し、中長期での投資に魅力的な銘柄であると考えます。
(茂木 春輝)

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