リーフラスは日本で子ども向けスポーツスクールや部活動支援を展開する米NASDAQ上場企業です。政府による部活動の外注を推進する政策などを追い風に、過去3年間で当期純利益は2.5倍、株主資本は4.4倍に拡大しました。

時価総額95億円、PBRは5.2倍に至っていますが、同業他社と比較すると株価はまだ割安な状況です。


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子ども向けスポーツスクールと部活動支援で国内No.1

 リーフラス(LFS NASDAQ)(株価2.28ドル、時価総額6,000万ドル:7月2日終値)は、子ども向けスポーツスクールを中心に、部活動支援、放課後デイサービスなどを展開する企業です。


 全国約4,500スクールを展開する国内最大級のスポーツスクール網を持ち、地方都市まで広がる「面の強さ」で他社を圧倒している状況です。また、自治体との連携が深く、部活動の地域移行政策を背景に、受託校数・支援部活動数ともに国内トップクラスの実績を持っています。


 さらに、正社員とクルーを合わせた大規模な指導員ネットワークにより、全国どこでも安定したサービス提供が可能な体制となっています。施設を持たない軽資産モデルで拡大スピードが速いことも競争力を高めている要素の一つです。


 リーフラスは2001年にサッカースクールを開校して創業し、その後野球、空手、バスケットボール、テニスなど多種目へ順次拡大し、全国にスクール網を広げてきました。


 2010年代には本社移転を重ねながら事業基盤を強化し、2016年にはバレーボールスクールを開校。2020年には名古屋市立小学校133校の部活動支援を受託し、自治体単位での民間委託として国内初の事例となりました。


 さらに放課後等デイサービス「LEIF」や地域共動事業など、スポーツを軸にしたソーシャルビジネスへ領域を拡大。2025年10月にはNASDAQへ上場し、2026年にはスポーツスクールが47都道府県への展開を達成するなど、スポーツを通じた社会貢献企業として成長を続けています。


 現在、日本政府は教員の負担軽減のため、休日の部活動を学校から地域クラブへ移して指導者を民間や地域団体が担う仕組みに転換する「部活動民営化政策」を推進しており、リーフラスの部活動支援事業のさらなる拡大が期待できます。


利益増加トレンドも、株価は低迷

 リーフラスの営業利益は過去4年間増加してきました。「施設を持たない講師派遣型モデル」によって固定費が低いため、売上が増えるほど利益が伸びやすい構造です。


 加えて、サッカー、野球、バスケなど多種目スクールの展開により会員数が安定的に増加し、地方都市を中心に商圏を広げたことも寄与しました。さらに、指導員の配置最適化や運営効率化による人件費率改善、自治体や学校との連携拡大により新規開校コストを抑えつつ事業規模を拡大できたことなども、継続的な利益成長に寄与しています。


<リーフラスの営業利益推移(2022年12月期以降)>
スポーツスクール運営のリーフラス:利益拡大も株価は割安(西 勇太郎)
※2026年は予想値出所:リーフラス資料などより作成

 他方、リーフラスの株式の新規公開(IPO)(2025年10月)以後の株価はダウントレンドが続いています。


<リーフラスの株価推移(2022年12月期以降)>
スポーツスクール運営のリーフラス:利益拡大も株価は割安(西 勇太郎)
※2024年は2025年10月IPO時の価格、2026年は直近値出所:リーフラス資料などより作成

過去3年で株主資本は4.4倍に

 過去3年間の変化で見ると、売上高が1.5倍、当期純利益は2.5倍と拡大しました。この期間、株主資本は4.4倍に拡大し、時価総額95億円、PBRは5.2倍に至っています。


<リーフラスの業績推移(2022年12月期と2025年12月期)> (億円) 2022年12月期 2025年12月期 変化(倍) 売上高 77 117 1.5 営業利益 1 6 4.3 当期純利益 2 4 2.5 株主資本等合計 4 18 4.4 時価総額 - 95 - PBR(倍) - 5.2 - PER(倍) - 22 - ※2025年12月期の時価総額は直近値
出所:リーフラスの資料等より作成

 リーフラスの過去3年の業績をセグメント別で見ると、スポーツスクールセグメントの売上高は59億円から86億円(1.5倍)、ソーシャルセグメントの売上高は18億円から32億円(1.7倍)へと増加しました。


 スポーツスクールセグメントは会員数が横ばい~微増で推移する中、単価上昇もあり、売上は着実に増加しています。


 他方、ソーシャルセグメント(部活動支援・放課後等デイサービス)は部活動受託数の拡大を背景に高成長を継続しました。


 日本政府は教員の負担軽減のため、休日の部活動を学校から地域クラブへ移して指導者を民間や地域団体が担う仕組みに転換する「部活動民営化政策」を行っており、2026年度から2031年度までの6年間が部活動の民営化を急加速する「改革実行期間」と位置付けられています。


 全国の中学校に約12万8,000ある部活動のうち民営化比率は2023年時点で約17%でしたが、2026年には30%超にまで一気に拡大することを政府は掲げており、2030年代初頭には高校も含めて100%民営化されると目されています。リーフラスは中学校のみでも部活動支援市場が全体で約5,000億円と推計しており、同社の部活動支援事業のさらなる成長が期待できます。


<リーフラスのセグメント別業績推移(2022年12月期と2025年12月期)> (億円) 2022年
12月期 2025年
12月期 市場全体
(中学校) セグメント別売上高 77 117 -   スポーツスクール 59 86 -   ソーシャル 18 32 -     部活動支援 - 21 5,000       受託学校数(校) - 381 9,800     放課後等デイサービス - 11 - 出所:リーフラスの資料などより作成

 このような長期的な成長期待がある中、今期の業績について同社は、増収増益基調継続を見込んでいます。


<リーフラスの業績予想> (億円) 2025年12月期 2026年12月期 実績 予想 売上高 117 130-150 営業利益 6 7-8 当期純利益 4 - 株主資本等合計 18 - 出所:リーフラスの資料などより作成

運動・フィットネスクラブ同業他社比でPBRに割安感があり、解消されれば株価は2.6ドル

 一般に株式の評価と収益性はおおむね、図のような比例関係にあります。


<株価評価と収益性はおおむね比例関係>
スポーツスクール運営のリーフラス:利益拡大も株価は割安(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

 この関係を活用し、リーフラスと上場同業他社について、収益性については自己資本利益率(ROE)を、株価評価については株価純資産倍率(PBR)を適用した散布図を作成します。


 リーフラスの上場同業他社である主な運動・フィットネスクラブ企業には、セントラルスポーツ(4801 東京)、ジェイエスエス(6074 東京)、コナミグループ(9766 東京)、RIZAPグループ(2928 東京)、カーブスホールディングス(7085 東京)、東祥(8920 東京)、フィットイージー(212A 東京)、SDエンターテイメント(4650 東京)、LOIVE(352A 東京)などがあります。


 リーフラスと最も競合度が高いのはスイミングを中心とした大規模子どもスクール事業を営むセントラルスポーツです。


 全国のスイミングスクールは子ども向けスポーツ市場の最大セグメントであり、リーフラスのサッカー・野球・空手などと、保護者の「習い事選択」という点で競合しています。施設型である点は異なりますが、地域の子ども向けスポーツ市場を取り合うという構造は同じです。


 子ども向けスイミングスクールに特化しているジェイエスエスも、子ども向けスポーツ市場で直接競合するので競合度は高いです。特に地方都市でのスクール選択肢としてリーフラスとぶつかりやすい状況です。


 体操、水泳、ダンスなど子どもスクールを多数展開するコナミグループも競合します。ただし大人向けフィットネス比率が高く、部活動支援やソーシャル事業は行わないため競合度は中程度と言えます。


 スポーツ・健康領域でのブランド力を有するRIZAPグループも競合しています。子ども向けスクールは限定的ですが、健康・運動指導のノウハウや地域展開で間接的な競合関係にあります。また、自治体との連携領域でも一部重なる可能性があります。


 これらの企業について散布図を作成すると、ROEとPBRの間におおむね比例関係があることが確認できます。その中で、リーフラスについては割安方向にずれており、この点から、株価に割安感があると言えます。この割安感が解消された場合のリーフラスのPBR(散布図の青破線に乗る水準)は6.0であり、相当する株価は2.64ドルです。


<主な運動・フィットネスクラブ企業のROEとPBRの関係>
スポーツスクール運営のリーフラス:利益拡大も株価は割安(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

<主な運動・フィットネスクラブ企業10社のROEとPBR> 社名 証券
コード 取引所 売上高 ROE PBR 億円 % 倍 コナミグループ 9766 東京 4,937 19 4.4 RIZAPグループ 2928 東京 1,673 3 2.3 セントラルスポーツ 4801 東京 489 5 1.0 カーブスホールディングス 7085 東京 376 22 4.2 東祥 8920 東京 276 10 0.7 リーフラス LFS NASDAQ 117 30 5.2 LOIVE 352A 東京 114 17 2.8 フィットイージー 212A 東京 97 35 8.0 ジェイエスエス 6074 東京 85 8 0.6 SDエンターテイメント 4650 東京 52 13 1.3 出所:各社資料より作成

 リーフラスは今後も収益拡大が見込まれる中で、現在の株価2.28ドルには同業他社比で割安感があります。割安感が解消された水準は16%上昇した2.64ドルです。


(西 勇太郎)

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