TSMCの2026年12月期2Qは、36.0%増収、65.4%営業増益。引き続きAI関連が業績を牽引。

2ナノが初めて売上計上され、最先端のAI半導体とCPU向けに人気がある3ナノが大幅に増えた。会社側は2026年12月期通期にドルベースで40%以上の増収を予想。設備投資計画も上方修正。目標株価を引き上げる。


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決算レポート:TSMC(AI関連半導体の増産により、大幅増収増益が続く)
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本レポートに掲載した銘柄:TSMC(TSM、台湾、NYSE ADR)


1.TSMCの2026年12月期2Qは、36.0%増収、65.4%営業増益。

 TSMCの2026年12月期2Q(2026年4-6月期、以下今2Q)は、売上高1兆2,703.81億台湾ドル(前年比36.0%増)、営業利益7,666.03億台湾ドル(同65.4%増)となりました。AI関連が事業を牽引し、大幅増収増益が続きました。


 売上高を分野別に見ると、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング。パソコン、サーバー、AI向け等。今2Q売上構成比66%)向けは前四半期比20%増となりました。今1Qも同20%増だったので、高い伸びが続いています。


 一方、スマートフォン向け(売上構成比22%)は同4%減となりました。

今1Qは主に季節性で同11%減となりましたが、通常は回復するはずの今2Qも同減収となりました。これはDRAM、NAND価格上昇に対応してスマートフォン生産台数を減らす動きが出たものと思われます。


 また、自動車向け(売上構成比4%)は同15%増となりました。


 テクノロジー別売上高を見ると、今2Qは初めて2ナノの売上高が381.1億台湾ドル計上されました(テクノロジー別売上高は会社開示の売上構成比から楽天証券計算。以下同様)。2ナノは人気が高く、大きなノード(微細化世代)になると思われます。また、AI半導体とAI用CPU向け等に成長している3ナノは今1Q2,835.3億台湾ドルから今2Q3,811.1億台湾ドルへ大幅に増加しました。今年後半に出荷される予定のエヌビディアの「Rubin」はTSMC3ナノを採用しています。このほか、AIデータセンター用高性能CPUが3ナノを採用する事例が増えています。


 一方5ナノは、今1Q4,082.8億台湾ドル→今2Q4,192.3億台湾ドルと低い伸びにとどまりました。AI半導体とCPUの最先端品が3ナノへシフトしたためと思われます。


 先端ロジックに対する旺盛な需要を反映してウェハ出荷枚数は引き続き順調に伸びました。

ウェハ単価もAI半導体とAIデータセンター向けCPUの増加を反映して上昇しました(グラフ3、4)。


表1 TSMCの業績
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株価(台湾) 2,320.00台湾ドル(2026年7月20日)株価(NYSE ADR) 402.30USドル(2026年7月20日)時価総額 2,086,489百万USドル(2026年7月20日)発行済株数 25,932百万株(完全希薄化後)1台湾ドル 0.0310USドル(2026年7月21日)単位:百万台湾ドル、台湾ドル、米ドル、%、倍出所:会社資料より楽天証券作成。注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。注2:TSMCは台湾市場に株式を、ニューヨーク市場にADRを上場している。ここではADRの株価によってPERと時価総額を計算した。注3:TSMCのADRは普通株5株からなる。注4:会社予想は予想レンジの平均値。

表2 TSMCの分野別売上高前四半期比と売上構成比TSMCの分野別売上高:前四半期比
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出所:TSMC開示の各四半期決算カンファレンスプレゼンテーション資料に記載された分野別売上高前期比(前四半期比)。

TSMCの分野別売上構成比
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出所:会社資料より楽天証券作成

表3 TSMCのテクノロジー別売上高
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単位:億台湾ドル出所:会社開示の売上構成比より楽天証券計算

グラフ1 TSMCのテクノロジー別売上高
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単位:億台湾ドル、出所:会社資料より楽天証券計算

グラフ2 TSMCの月次売上高
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単位:100万台湾ドル、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ3 TSMCのウェハ出荷枚数
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単位:1,000枚、300ミリ換算、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ4 TSMC:ウェハ1枚当たり売上高
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単位:1,000台湾ドル、出所:会社資料より楽天証券作成

2.会社側は2026年12月期通期増収率をUSドルベースで40%以上と予想。

 会社側の今3Q業績ガイダンスは表4の通りです。ここから計算すると、今3Q会社予想は売上高1兆4,464億台湾ドル(前年比46.1%増)、営業利益8,244億台湾ドル(同64.7%増)となります。引き続きAI関連が牽引して好業績が続くと予想されます。


 また会社側は2026年12月期通期売上高をUSドルベースで前年比40%以上伸びると予想しています。2025年12月期通期のUSドルベース売上高は1,224.24億USドルなので、この40%増は1,713.94億USドル、今3Qガイダンスである1USドル=32台湾ドルを当てはめると、2026年12月期会社予想売上高は5兆4,846億台湾ドル以上となります。


 このような今3Qと今通期の会社側ガイダンスと今2Q実績を参考に、楽天証券ではTSMCの2026年12月期を売上高5兆5,000億台湾ドル(同44.4%増)、営業利益3兆1,600億台湾ドル(同63.2%増)、2027年12月期を売上高7兆4,000億台湾ドル(同34.5%増)、営業利益4兆4,000億台湾ドル(同39.2%増)と予想します。いずれも前回予想から上方修正します。


 設備投資の動きを見ると、今2Q設備投資は157.0億USドルとなり、今1Q111.0億USドルから大きく増加しました。会社側は旺盛な需要に対応するために、2026年12月期設備投資予想を前回の520億~560億USドルから600億~640億USドルへ上方修正しました。2027年12月期も先端半導体需要の好調が続くと予想されるので、設備投資の増加が続くと予想されます。


表4 2026年12月期3QのTSMC業績ガイダンス
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出所:会社資料より楽天証券作成注:黒字は、会社側がガイダンスとして提示した数字。それ以外は会社側ガイダンスをもとにした楽天証券計算。

グラフ5 TSMC:四半期設備投資
決算レポート:TSMC(AI関連半導体の増産により、大幅増収増益が続く)
単位:億USドル、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ6 TSMCの年間設備投資
決算レポート:TSMC(AI関連半導体の増産により、大幅増収増益が続く)
単位:億USドル、出所:会社資料より楽天証券作成

3.TSMCの今後6~12カ月間の目標株価を前回の460USドルから550USドルへ引き上げる。

 TSMCの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の460USドルから550USドルへ引き上げます。


 楽天証券の2027年12月期予想1株当たり利益(EPS)23.05ドル(ADRベース)に今の評価である株価収益率(PER)24倍前後を当てはめました。


 引き続き中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄:TSMC(TSM、台湾、NYSE ADR)


(今中 能夫)

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