インテルの2026年12月期2Qは、25.4%増収、営業黒字に転換。AIデータセンター向けCPUが好調。

パソコン向けも企業向けのAIPC向けが伸びた。最新鋭の「インテル18A」を含む生産ラインの生産規模が拡大し、歩留まりが向上している。2026年設備投資計画も上方修正された。目標株価を引き上げる。


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決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
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毎週月曜日午後掲載


本レポートに掲載した銘柄インテル(INTC、NASDAQ)


1.インテルの2026年12月期2Qは、25.4%増収、営業黒字に転換。

 インテルの2026年12月期2Q(2026年4-6月期、以下今2Q)は、売上高161.28億ドル(前年比25.4%増)、営業利益17.96億ドル(前年同期は31.76億ドルの赤字)となりました。前2Qから黒字転換し、今1Qの営業利益実質約8億ドルから黒字幅が拡大しました(今1Qはモービルアイの株価下落に伴う減損で営業赤字だったが、減損を除くと営業利益約8億ドルだった)。データセンター向けが好調で、パソコン向けも予想外に順調でした。


 セグメント別にみると、クライアント・コンピューティング&フィジカルAIグループ(CCPG。クライアント・コンピューティング・グループ(CCG)から名称変更)は、売上高88.77億ドル(同12.8%増)、営業利益23.43億ドル(同14.1%増)となりました。メモリ価格高騰によるパソコン価格上昇でパソコン市場は低調でしたが、企業向けに人気があり高価格のAIPC向けのCPU出荷を増やしたため、二桁増収増益となりました。


 データセンター&AI(DCAI)は、売上高62.62億ドル(同59.0%増)、営業利益24.74億ドル(同3.91倍)となりました。

AIデータセンターにおけるCPU需要の増加により大幅増収増益となりました。


 インテル・ファウンドリは、売上高57.65億ドル(同30.5%増)、営業損失20.89億ドル(前年同期は31.68億ドルの赤字)となりました。自社向けにパソコン向け、データセンター向けともに生産が増加したことが寄与し、前年比、前四半期比ともに赤字幅が縮小しました。最新鋭のインテル18Aを含む工場稼働率が上昇し、歩留まりが上昇したことも寄与しました。


 また、外部ファウンドリ事業(他の企業からの半導体受託生産事業)売上高は今1Q1.17億ドル、今2Q2.93億ドルと、まだ小さいながら順調に伸びました。


 今2Qの当期純利益は110.33億ドルの赤字となりました。2025年8月に米政府はインテルへの出資に合意しましたが、この原資は米CHIPS法の未払い助成金57億ドルと、「セキュア・エンクレーブ」プログラムの32億ドルでした。「セキュア・エンクレーブ」プログラムは、米国政府向け(主に国防関連)先端半導体の製造拡大を目的とした助成制度です。CHIPS法関連の出資分の株式はそのままインテルから米商務省に交付されました。一方、「セキュア・エンクレーブ」プログラムに基づいた株式は、一旦第3者に預託され(エスクロー)、インテルが米商務省から同プログラム実施に伴う現金を受領した際に、順次引き渡すことになりました。2026年4-6月期にインテルはエスクローされていた株式のうち、700万株を引き渡しましたが、この時米商務省に渡された株式と2026年6月27日時点でエスクロー状態にある株式について125億ドルの損失が発生したと認識されました。インテルの株価が上昇したためです。

ただし、これは非現金性の評価損になります。


表1 インテルの業績
決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
株価 92.32ドル(2026年7月24日)時価総額 471,201百万ドル(2026年7月24日)発行済株数 5,104百万株(完全希薄化後、Diluted)発行済株数 5,104百万株(完全希薄化前、Basic)単位:百万ドル、%、倍出所:会社資料より楽天証券作成。注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。注3:会社予想は予想レンジの平均値。

表2 インテルのセグメント別業績(四半期)
決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
単位:100万ドル出所:会社資料より楽天証券作成

2.データセンター向け中心に業績好調が予想される。

 会社側の今3Q業績ガイダンスは、表3の通りです。ここから計算すると、今3Q会社予想は売上高163億ドル(前年比19.4%増)、当期純利益15.80億ドル(同61.1%減)となる見込みです。楽天証券では今3Qを、売上高163億ドル(同19.4%増)、営業利益18億ドル(同2.64倍)、当期純利益15.80億ドル(同61.1%減)と予想します。引き続き業績回復が続くと予想します。


 今3Qをセグメント別に見ると、CCPGについてはメモリ価格上昇によるパソコン価格の上昇が続くと予想されるため、今3Q、4Qともにパソコン販売台数が前年割れすると予想されます。このため、AIPC向けが事業の中心であっても、CCPGの売上高、営業利益はともに前年比横ばいが予想されます。


 一方、DCAIは引き続き好調な業績が予想されます。AI半導体とCPUの比率(個数ベース)は、半年前は概ねAI半導体8に対してCPU1でしたが、インテルによれば現在は1対1になっており、今後はCPUのほうが多くなると予想されます。当面はAIデータセンター向けCPUは供給に対して需要が上回る状態が続くと思われます。


 インテル・ファウンドリは、DCAIの拡大につれて生産規模が拡大すると予想されます。

今のところ外部顧客で公表されているのは、フォーティネット(セキュリティ用ASIC)、テスラ、スペースX、xAIからなる「テラファブ」の2社です。生産ラインは「インテル4」(7ナノ)、「インテル3」(実質5ナノ)、「インテル18A」(実質2ナノ)の工場規模が拡大しています。特に最新鋭の「インテル18A」は歩留まりが改善しており、パソコン用の「Panther Lake」 (モバイル用CPU)、データセンター用の「Xeon6+」を 生産しています。


 会社側は2026年12月期設備投資計画を上方修正しました。当初計画では補助金を含む総額で180億ドル程度でしたが、これを200億ドル以上に上方修正しました。また2027年12月期も設備投資が大幅に増えるとしています。


 このような状況から、楽天証券ではインテルの業績を、2026年12月期は売上高631億ドル(前年比19.4%増)、営業利益26億ドル(2025年12月期は22.14億ドルの赤字)、2027年12月期を売上高770億ドル(同22.0%増)、営業利益110億ドル(同4.23倍)と予想します。


表3 インテル:2026年12月期3Q会社側業績ガイダンス
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単位:億ドル、ドル出所:会社資料より楽天証券作成

表4 インテルのセグメント別業績(通期)
決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
単位:100万ドル出所:会社資料より楽天証券作成

表5 インテルの半導体製造プロセス
決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
出所:会社資料、報道資料等より楽天証券作成

グラフ1 インテルの設備投資額(四半期)
決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
単位:億ドル、純額、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ2 インテルの設備投資額(年度)
決算レポート:インテル(データセンター向けが好調)
単位:億ドル、出所:会社資料より楽天証券作成。予想は楽天証券。注:総額は米国政府等からの補助金を含む。純額はこれを除く金額

3.インテルの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の110ドルから135ドルへ引き上げる。

 インテルの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の110ドルから135ドルへ引き上げます。


 楽天証券の2027年12月期予想1株当たり利益(EPS)1.94ドルに、業績変化率の大きさと株式市場でAIデータセンター投資の持続性が問題になっていることを考慮し、想定株価収益率(PER)70倍前後を当てはめました。


 引き続き中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄:インテル(INTC、NASDAQ)


(今中 能夫)

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