相次ぐ食品の値上げへの対策は、「値上げ前にまとめ買いする」だけではありません。値上げ率や消費量によって対策は異なります。

値上げが目立つ食品の賢い買い方や、年間支出を確認する方法、買いだめで陥りがちなNG行動など、無理なく家計を守れるやり方を紹介します。


節約の定番「値上げ前のまとめ買い」はNG?9月の5,000品...の画像はこちら >>

9月は食品値上げラッシュ…節約方法は?

 9月の飲食料品値上げでは、5,000品近くが値上げされます。これは、単月の値上げ品目数では2026年で最も多く、年内最大の値上げラッシュとなります。


 しかし、値上げ前に買うのが必ずしも最もお得になるとは限りません。大切なのは、「何がどのくらい値上げされるか」といった数値だけでなく、「わが家ではその品をどれくらい使うのか」を考えることです。


 値上げ率が高くても、使う量が少なければ影響は限定的ですし、逆に値上げ率は小さくても毎月たくさん購入する商品であれば、年間での負担額は大きくなります。そこで、どうすれば食品値上げの影響を抑えてわが家の食卓を守れるか、いろいろなチェックポイントや方法を紹介します。


家計を守る値上げ対策:パターン別「お得な買い方」4選

 食品の値上げは、まず「わが家の家計にどの程度影響があるのか」を具体的にイメージすることが大切です。負担額を計算してみましょう。


「現在の価格」×「値上げ率」で、「1個当たりの値上げ額」が分かります。


 例えば、1個500円の商品が10%値上げされる場合、値上げ額は50円です。これに年間の購入予定の数量をかけると、年間でいくら支出が増えるのかが見えてきます。


  • 月1個(年間12個)買う場合:50円(1個当たり)×12個=600円の負担増
  • 月10個(年間120個)買う場合:50円(1個当たり)×120個=6,000円の負担増

 このように、同じ10%の値上げでも買う量によって影響は大きく異なります。ですから、わが家にとってのその食材の値上げが与える影響を考えた上で、購入計画を立てる必要があります。


 そこで、値上げ率と消費量による四つのパターン別に、お得な買い方を探りました。


<パターン1>値上げ率が高い×消費量が少ない
【必要量+少しだけ前倒しで買う】

 年間で見た負担額は大きくありません。そのため、無理に買いだめすると消費期限の管理が負担になる可能性もあります。値上げ後の特売の可能性も視野に、必要量にとどめ、前倒しで買うにしても必ず使いきれる量にしましょう。


<パターン2>値上げ率が高い×消費量が多い
【値上げ前の購入を優先し、代替品も検討する】

 家計への影響が最も大きくなるパターンなので、値上げ前の購入が効果的です。長期保存が利く商品であれば、買いだめのメリットが大きいでしょう。ただし、プライベートブランド(PB)商品など、より安価な別商品に変えられないかも併せて検討を。


<パターン3>値上げ率が低い×消費量が少ない
【基本は買いだめしなくてOK】

 買いだめによる節約効果がそれほど大きくないため、その商品を買うためにわざわざ買い物に出かける手間や時間を考えると、かえってコストの方が高くつく可能性があります。普段通り必要な時に買うのがいいでしょう。


<パターン4>値上げ率が低い×消費量が多い
【今後かかるお金を継続的に落とせる方法を探す】

 1品当たりの値上げ率は小さくても、トータルでは無視できない金額になる可能性があります。この場合は値上げ前に大量に買いだめするより「今後の購入価格そのものを下げる方法」を探したほうが家計の節約に役立つでしょう。より安価な代替品への切り替えや、ポイント還元率が高い日を狙って購入するといった方法を試してみては。


値上げ前の買い物で陥りがちな「五つの落とし穴」

「食品値上げ」への対策として「事前の買いだめ」ばかりを意識していませんか? その対策がかえってお得を逃す原因になっているかもしれません。値上げ前の対策でやりがちなミスをチェックして、本当に節約に役立つ行動へつなげてください。


【NG 1】「値上げ前のまとめ買い」を絶対視する

 値上げ後であっても、店舗によっては特売やクーポンなどで価格が下がる場合があります。例えば、値上げ前に500円、値上げ後550円になった商品が特売で450円になるケースも。もちろん、特売にならない可能性もありますが、値上げ前に少し多めに買う程度にとどめ、値上げ後の特売に買う余地を残しておくのも手です。


【NG 2】「いつもの品」に執着する

 わが家の定番品が値上がりする場合、値上がり前に買うなどの工夫だけでなく、「本当にこの品でないとダメか?」とそもそもの点から見直してみることも大事です。


 もし品質に問題がなく、より安価なPB商品などに切り替えられるなら、今後はその差額分が継続して浮くことになります。有名メーカーなどへのこだわりがあるにしても、一度使い勝手や品質を試してみると選択肢が広がるかもしれません。


【NG 3】とにかく多く買えば安心だと考える

 お菓子などの嗜好(しこう)品は、「たくさんある」と思うと安心感からつい消費量が増えがち。計画的に値上げ前のまとめ買いをしたつもりが、消費ペースが速まり、結局すぐに買い足すことになっては本末転倒です。消費量を管理できる自信がなければ、むやみやたらと大量に買うのは控えましょう。


【NG 4】「買うしかない」と思い込む

 ペットボトル飲料や缶コーヒーなど「買って飲むのが当たり前」になっている品を、一度冷静に見直してみましょう。自宅で大容量パックのお茶を煮出すなど工夫すれば「そもそも買わなくてもいい」と気付いたり、より節約できる方法が見つかったりするかもしれません。


 当たり前のように買っている飲料やドレッシング、レトルト食品などを、「絶対に買わないといけないか?」という観点でチェックしてみてください。


【NG 5】見えないコストを気にしない

 値上げ前にまとめ買いしようとするあまり、遠くの店まで車を出したり、何件もはしご買いしたり、ネットショップで何時間も比較したり…商品自体は安く買えても、費やす手間や時間を考えると、節約できた金額に見合わないほどの労力となるかもしれません。


「値上げによる年間の負担増が500円程度なら、わざわざそのために買い物に行くまではしない。いつもの買い物のついでに買うならOK」といった線引きをしたほうが、後でモヤモヤせずに済むでしょう。


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まとめ:「食品値上げ→事前のまとめ買い」だけではない家計対策を

「食品値上げ対策=値上がりする前にできるだけまとめ買いする」と考えがちですが、実際には値上げ率や日頃の消費量、そして別の方法がとれるかどうかによって、最適な買い方は変わります。


 確かに、値上げ率が高くて消費量も多く、長持ちする商品であれば、ある程度買いだめしておくことは有効です。しかし、それ以外にも工夫できることはたくさんあります。


 必要な食材を必要な量だけ購入して楽しむ、家計にも心にも無理のない値上げ対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。


(しま)

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