1978年の開港以来、日本の空の玄関口として機能してきた成田空港。しかし、ターミナルビルの老朽化や航空需要の増大を受け、2030年代半ばには能力不足に陥るとの試算も出ています。
首都圏の航空需要を支えるため、国は羽田・成田両空港で年間約100万回の発着容量確保を目指しています。羽田空港が目標を達成した今、残るは成田空港の機能強化です。現在の年間約34万回から約50万回へと発着容量を引き上げるため、滑走路の増設と運用時間の拡大が進められています。
具体的には、B滑走路を北へ1000m延伸して3500mにする工事と、新たに3500mのC滑走路を建設する工事が2028年度末の完成を目指して進行中です。これにともない、現行の管制塔では視認性が不足するため、高さ120mとなる3代目の新管制塔の建設も進んでいます。完成すれば、日本で最も高い管制塔となります。
現在、成田空港には第1から第3まで3つの旅客ターミナルがありますが、特に第1ターミナルは開港から50年近くが経過し、老朽化が課題です。また、2030年代に発着回数が年間50万回に達した場合、旅客数は7500万人、貨物量は300万トンに達すると見込まれ、現在の施設では容量が不足します。
そこで、既存のA・B滑走路と新設のC滑走路からほぼ等距離となる位置に、新しい旅客ターミナルを建設する計画です。
整備は段階的に行われます。まず2030年代に東側半分がオープンし、その後、第1ターミナルを取り壊した跡地に残り半分を建設。将来的には第2・第3ターミナルも閉館し、さらに施設を拡張する構想です。広大になるターミナル内の移動には、APM(全自動無人運転車両)のような新交通システムの導入が検討されています。
京成・JRも大変化! 空港アクセス鉄道の未来新ターミナルのオープンは、鉄道アクセスにも大きな変化をもたらします。京成電鉄は、ターミナル直結の新駅を建設。ホーム3面に線路5本という大きな駅で、成田スカイアクセス線と京成本線の列車をホームごとに分け、利便性を高めます。
さらに、北総線と共用している新鎌ヶ谷駅~印旛日本医大駅の区間は複々線化されます。これにより、「スカイライナー」や新型有料特急が専用線路を使えるようになり、京成上野駅発着ルートに加え、都営浅草線・京急線経由で羽田空港へ向かう新ルートの実現も視野に入り、本数はほぼ倍増する見込みです。
一方、JR東日本は、現在の成田空港駅がJR専用駅となります。京成線が新ルートへ移行することで、現在JRと京成が1本ずつ線路を分け合っている「単線並列」区間が、JRの複線区間として使えるようになります。
ターミナルが1つに集約されることで、複雑だった空港内の道路網も、空港を通過する道路と構内の周回道路を中心としたシンプルな形に再編されます。
また、現在南北に分散している貨物施設も、エプロン東側の地区に集約されます。隣接する物流拠点とは圏央道をくぐる地下道路で結び、コンテナ規格を統一した自動搬送システムを導入することで、世界最高水準の効率性と生産性を目指すとしています。
2030年代のうちに様々なものが大きく変化し、ほぼ別の空港のように生まれ変わる成田空港。その新たな姿は、あと数年のうちに目にすることができるはずです。

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