大谷翔平選手の活躍や夏の甲子園の熱闘、日本プロ野球界も盛り上がり――。
野球への熱視線は、スポーツ用品店やプロ野球球団、グッズ販売、野球教室など野球に関連する企業の業績を引き上げている。
こうした「野球企業」の業績は、2021年(1-12月)から4年間で売上高が約710億円伸び、利益(最終利益)も赤字から135億円の黒字に大幅に改善した。
各球団が工夫を凝らして野球人気を底上げしつつ、グッズ販売にも注力し、用具メーカーは機能面などを進化させる。多面的な戦略で野球企業は業績を伸ばしている。
東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、営業種目に「野球」が含まれ、5期連続で業績を公開している主な「野球企業」120社を抽出して分析した。球団や球場運営、用具メーカーのほか、グッズ関連、選手の養成・指導、大会開催などが含まれる。
120社の売上高、利益の合計を年別に比較すると、コロナ禍の2021年は、売上高が970億8,100万円、利益は30億1,700万円の赤字だった。外出自粛や密を避けて練習機会などの減少が影響した。
コロナ禍が落ち着いた2022年は、売上高1,207億9,100万円(前期比24.4%増)と急伸。利益も101億4,600万円の黒字に転換した。2025年は、売上高1,680億6,000万円、物価高の影響を受けたものの、利益は135億1,500万円と好調を持続していた。
特に目を引くのが利益の改善だ。製造や仕入、サービスの提供コストが上昇するなかで、価格転嫁が進まずに利益が落ち込む業界は多い。
北海道日本ハムファイターズの新球場を含む「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」を運営する(株)ファイターズスポーツ&エンターテイメント(TSRコード:132035758)は、観客動員が最多を更新したことで売上を伸ばし、コスト増を吸収して大幅増益だった。
用具やグッズ販売が好調な企業も多い。用具販売を手がける企業は円安で輸出が伸びたという。プロ選手の活躍は様々な関連業種に恩恵を広げる。
熱戦が続くプロ野球や甲子園に背中を押され、野球企業の業績が好調だ。さらに、選手や球児の練習環境の改善が進むと、続々とスーパースターが誕生するかもしれない。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年8月13日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)

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