【ワールドカップ】サッカー日本代表が上出来の2位通過でグルー...の画像はこちら >>
 ワールドカップのグループリーグ第3戦、日本はスウェーデンと対戦し、1-1で引き分けた。

 内容的には、完全に五分の試合。

勝てた試合だったかもしれないが、負けて不思議はない試合でもあった。

 日本がこのレベル(本当の世界トップに次ぐレベル)の相手を確実に競り落とすには、やはり個の力が足りなかったと痛感する。

 戦術的、組織的には、日本が上回っていた。チームでボールを動かし、相手ディフェンスをズラし、フィニッシュに持ち込む状況を作り出す。UEFAチャンピオンズリーグの試合などを見ている感覚で言えば、あとは個人で仕掛けてシュートを決めるだけ、という既視感を覚えるシーンは何度かあった。

 だが、お膳立てまではできるが、最後の個人勝負で仕留めきれない。

 前田大然の先制ゴールは、チームのパスワークで崩しきった美しいゴールだったが、逆にスウェーデンのアンソニー・エランガには、個人能力でスーパーゴールを叩き込まれた。オランダ戦で喫したクリセンシオ・サマーフィルのゴールとよく似た形の失点だったことも、示唆に富む。

 しかしながら、そのすべてが、現状での日本の力を映し出したものだ。グループリーグ3試合を総括すれば、実力に沿った順当な結果、というのが率直な印象である。

 日本が実力上位であるチュニジアには勝利し、同等のスウェーデンとは引き分け、相手が実力上位のオランダにも引き分けることができた。

 チュニジアを叩きのめした余韻が残るなかでの引き分けだっただけに、スウェーデン戦には物足りなさを感じた人もいるかもしれないが、つまりは、実力どおりの結果になったというだけの話だ。

 力関係で言えば、オランダには負けていても仕方なかったことを考えると、1勝2分けの勝ち点5で2位通過という結果は、上出来と言えるかもしれない。

 加えて、第1戦から第2戦では先発メンバー4人を入れ替え、第2戦から第3戦では同様に3人を入れ替え、それぞれ試合に臨んでいる。

 フィールドプレーヤーでまだ出場機会がないのは、大会に入って体調を崩した町野修斗だけ。特定の主力選手だけに負担をかけるのではなく、出場時間を分散させながらこの結果を手にしたことも頼もしい。

 しかしその一方で、これだけ先を見据えた準備をしてきたにも関わらず、それでもなお、スウェーデン戦では選手の動きが重く、疲労の色がうかがえた。引き分けでも2位通過を確保できるという状況にありながら、後半80分を前にすべての交代カードを使い切ってしまうあたりに、余裕のなさが表われてはいなかっただろうか。

 大会前のキャンプも含め、決勝トーナメントで勝負を挑む準備がうまく進んでいる、つまりは、大きくコンディションを落とすことなく今後を戦っていけるのではないかと期待していたのだが、残念ながら、そこには見立て違いがあったと言うしかない。

 しかも、次の試合は日本が中3日で臨むのに対し、対戦相手のブラジルは中4日。相手に1日のアドバンテージがある。

 ただでさえ超のつく難敵であるのに、日程面での不利まであっては、かなり厳しい戦いになることは避けられない。

 とはいえ、どんな結果になるとしても、次のブラジル戦は日本サッカー史において重要なマイルストーンとなるはずである。

 日本にとってブラジルは、いわばサッカーの師。

これまでに数多くのブラジル人選手が、Jリーグ誕生以前から日本でプレーしてきた。単なる強豪国のひとつとは、わけが違う。

 過去には3人の帰化選手(呂比須ワグナー、三都主アレサンドロ田中マルクス闘莉王)が、日本代表としてワールドカップでプレーしたが、そのすべてがブラジル出身選手である。

 日本サッカーはブラジルに多大な影響を受け、ブラジルによって育てられた。そう言っても決して大げさではない。

 あいにく、このところのブラジルはワールドカップの優勝候補ではあっても、筆頭候補ではなくなった。今大会のチームにしても、むしろ低評価を受けている。実際、通算5度目の優勝を手にしたのは、もう24年も前の話だ。

 だが、腐ってもブラジル、である。

 図らずも昨年10月、親善試合とはいえ、日本がブラジルから初勝利を手にしたことは、どこか因縁めいていて面白いが、ここでの勝負を考えれば、8カ月前の逆転勝利はマイナス材料になりかねない。ブラジルはすべての油断や隙を消し去り、日本を叩き潰しにくるはずだ。

 とにもかくにも、日本とブラジルとの間で初めて実現する、負けたら終わりの真剣勝負である。

 日本にとってはワールドカップ初出場、あるいは決勝トーナメント初進出と肩を並べるほどに、意味ある一戦になるのではないだろうか。

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