6月1日に稼働した名古屋市立大学病院救急災害医療センター(名古屋・瑞穂区)。救急と災害医療の砦。
15日には初のヘリの離着陸訓練が。名古屋市の消防ヘリコプター「ひでよし」が着陸します。
(大石邦彦アンカーマン)
「ものすごい風です!」
ヘリポートは、災害対応のため自衛隊のヘリコプターも着陸できる大きさです。
ここは新しくできた、国内最大級の救急と災害医療の拠点。
地下鉄の駅から直結「念願だった。患者の利便性も向上」
地下鉄桜通線の桜山駅から直結。駅の改札からすぐにエスカレーターが。センター長の祖父江和哉医師が出迎えてくれました。麻酔や救急医療のエキスパートです。
(救急災害医療センター 祖父江和哉センター長)
「(直結は)われわれ長年の念願でした。患者さんの利便性も上がったと思います」
まずはこの施設の要、2階の救命救急センターへ。
(祖父江センター長)
Q.何人受け入れられる?
「(部屋は)10あるので10までは救急車を受け入れられる」
救急患者を受け入れる部屋が10室。この日も多くの患者が処置を受けていました。
救急車は大通りからスロープで直接2階へ行ける造りに
そして出入り口の外に出てみると、大通りから長いスロープで直結。一度に何台も救急車が直接2階へ上がれるようになっています。
(祖父江センター長)
「万が一浸水した時にも2階にあるのは有利」
取材のさ中にも患者が。朦朧とする高齢の女性にスタッフが呼びかけます。
同じフロアには血管撮影や人工心肺のエクモ、さらにCT撮影・手術など、1か所で検査から治療までできる最先端の処置室、「ハイブリッドER」も。
(祖父江センター長)
Q.患者さんが1人来たときに何人ぐらいのスタッフが必要?
「疾患にもよるが、かなりの人材、マンパワーを投入しないと稼働できない」
名古屋市では救急搬送の件数が増え続けていて、去年約16万人と過去最高に。ここは年間1万人以上の受け入れを目指します。
災害時に“行き場を失った”透析患者を受け入れることも可能
3階の血液浄化センターは…
(祖父江センター長)
「ここは透析の部屋。一度に12人の透析ができる。交代でやっていけばかなりの患者さんの透析ができる」
腎不全などの患者に血液の浄化を行う人工透析専門のフロア。
(祖父江センター長)
「(災害時は)全ての病院が機能し続けることは、もしかしたらないかもしれない。透析の患者の行き場がなくなる可能性がある。
4階の先進手術室では…体重1700グラムの赤ちゃんの心臓手術が
続いて4階は先進手術室。最新の機材をそろえた4つの手術室があり、日々オペが行われています。
(祖父江センター長)
Q.今は何が行われている?
「非常に小さいお子さんの心臓の手術をしている」
患者は体重1700グラムの赤ちゃん。心臓内にある穴をふさぐ手術が行われていました。
“マンパワー”が最大の問題「つぶれないようどうシフトを組むか」
5階からはGICU(総合集中治療室)などのエリア。
(祖父江センター長)
「ここのICUが10床。救急のICUが8床と、心臓の病気を診るICUが6床。合計24床」
Q.いまはフル稼働?
「大体8割から9割の稼働率になっている」
フル稼働に近い状態だといいますが、その課題は…
(祖父江センター長)
「“マンパワー”は最大の問題。我々もつぶれないようにどうシフトを組んでいくかが大きな問題。これだけ大きい施設なので」
日本の新生児医療のパイオニア 回復室には赤ちゃんの笑顔が
6階には、産科と新生児の集中治療室NICUが。名市大病院は、日本で初めてNICUを作ったパイオニアでもあります。
ここには平時で15人の赤ちゃんを受け入れますが、災害には更なる備えが。
(新生児・小児医療 岩田欧介医師)
「かなり高度な医療ができるようになっているが、災害が発生した時にはほぼ倍にスケールアップして、近隣の病院の赤ちゃんを受け入れて、1週間は“ろう城”できる」
ここに併設されているのは、危険を脱した赤ちゃんの回復室・GCU(新生児回復室)。
去年12月に生まれた、鮫島なえちゃん。生後6か月です。
(大石)「術後の顔色もよく、良好ということですね?」
(母親 双葉さん)「はい」
(父親 潤也さん)「(新施設は)安心。何かあってもすぐに対応してもらえる。心強い」
基礎部分は最新の免震構造 南海トラフ巨大地震にも耐える
そして、この建物を支える基礎部分。コンクリートの柱の根元には免震ゴムが。
(病院管理部 新實吉宏担当課長)
「免震ゴムは全体で24基。いくつか種類はあるが、全体として75くらい免震装置がある。南海トラフ巨大地震にも耐えられるよう設計されている」
積層ゴムやダンパーなど最新の免震構造で、南海トラフ巨大地震の最大の想定にも耐えられる設計です。
(祖父江センター長)
「名前の通り『救急災害医療センター』なので、普段の救急、重症患者の対応、そして災害時には災害医療の対応。災害時の特徴としてお産の継続や小さなお子さんの治療も継続できる、平常時の救急の拠点でもあり、災害時の最後の“砦”としても働いていきたい」
いざという時に命を救う救急・災害医療の砦。緊迫した状況が、24時間365日続きますが、これが、センターの日常です。

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